<< 東京市場の動き >>
25日の東京市場は、前日から一転してドル高・円安。ただ上値は重く、終盤にかけて再び軟化するなど、ドルの強さはそれほど感じられなかった。
ドル/円相場は、寄り付いた109.10-15円を日中安値にじり高推移。北朝鮮情勢を警戒しつつも、前日比マイナス圏で寄り付いた日経平均株価がプラス転換したことなどが好感されていたという。また、週末のゴトー日で仲値不足観測も取り沙汰され、ドルの支援要因になっていたようだ。
ドルは109.75円レベルまで値を上げたが上値は重く、示現後は軟落。109.30円台まで押し戻され、16時時点では109.35-40円で推移し、欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、本日もまずは「北朝鮮情勢」。トランプ米大統領が来週にも考えを明らかにするとしていた米朝首脳会談について、正式に「中止」を通告、以降はほぼそれに関する報道一色となった。たとえば聯合ニュースは「韓国大統領、米朝会談中止に遺憾の意」、北朝鮮メディア「北、米国側といつでも会談の意思あり」、「現状は首脳会談の切迫した必要性を反映」、韓国メディア「韓国軍、米朝会談中止も北に特異な動きはなし」−−などといった報道が観測されている。
<< 欧米市場の見通し >>
21日に記録した111.39円を目先高値に、足もとは調整局面入りした感を否めない。ただ、24日の欧米時間に109円割れをワンタッチしたことで、ドル下押しの初動・第一波は一服した感もありそうだ。予断は許さないものの、昨日安値をレンジの下限に、109円台を中心とした一進一退が続く可能性もある。
一方、材料的には、一時マーケット変動の主因となっていた米金利情勢などへの関心が再び低下する反面、北朝鮮をはじめトルコやイタリアなど世界各国の政治情勢、米中を中心とした貿易問題がまたぞろ注目を集め始めているようだ。本日はもちろん、明日以降週末にかけての動きも要注意で、場合によっては来週はじめのオセアニアが荒っぽい変動ではじまることになりかねない。
テクニカルに見た場合、3月26日に安値を記録した後の展開だった形成していた「上昇チャンネル」を下回るなど、少なくとも2ヵ月近く続いてきたドル高基調に変化の兆しがうかがえることは間違いない。
そんなドルの下値メドは、昨日記録した安値の108.96円、フィボナッチの観点から見たサポートは108.80円レベル、少し下には5月4日安値の108.65円が位置している。つまり、108円後半には複数のテクニカルポイントが存在しており、調整が継続したにせよ、足もとはなかなか底堅いイメージと言えよう。
一方、材料的に見た場合、4月の耐久財受注速報や5月のミシガン大学消費者信頼感指数確報といった幾つかの米経済指標が発表されるほか、パウエルFRB議長がスウェーデン中銀の会議に出席、カプラン・ダラス連銀総裁らがパネル討論会に出席する見込みとなっている。要人発言には注意が必要で、なかでも最近の金利上昇、原油高などによるインフレ圧力についてのコメントには警戒を要したい。
そのほか、先で指摘した幾つかの政治情勢などのほか、報復行動を含めた「米自動車関税」をめぐる動き、トランプ氏が署名し成立した「米金融規制緩和法」に関しても先行きが気掛かりだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.80-109.80円。ドル高・円安方向は、移動平均の25日線が位置する109.60-65円の攻防にまずは注目。抜けても、昨日NYそして本日東京の高値にあたる109.75-80円はなかなか強い抵抗か。110円は近くて遠いイメージも。
対するドル安・円高方向は、昨日NY安値の108.96円が最初サポートで、割り込むようだと5月安値の108.65円がターゲットに。(了)
オーダー/ポジション状況
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