<< 東京市場の動き >>
3日の東京市場は、ドル安・円高。それも、「寄り付き高・大引け安」の展開で、久しぶりに調整らしい調整が入った格好だった。
ドル/円相場は、寄り付いた110.85-90円を日中高値に弱含み。日経平均など株価の動きをにらみつつ、緩やかな右肩下がりの展開となった。ちなみに、日経平均は前日比91円安で寄り付いたのち下げ幅を拡大、大引けベースでは同270円安となり、リスク回避の円買いを支援していたという。
ドルは終盤にかけ110.30円台まで値を下げ、16時時点でもほぼ同水準、終日を通したドル安値圏で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、それとは別に有力格付け会社であるフィッチが、「トルコの中銀独立性に警戒感を示した」ことを材料に、トルコリラが一時急落。対円やドルでは史上最安値を更新する局面も観測されていたようだ。
一方、材料的に注視されていたものは、引き続き「北朝鮮情勢」。前日にトランプ米大統か領から「米朝会談は開催されなくてもいい」との発言が聞かれるなか、韓国報道官から「南北閣僚級会談は米韓演習後に再開の公算」との発言、また「北が核実験場取材の韓国記者団の名簿受け取る」ことを決定し、25日の期限まで韓国メディアも取材に加わることが正式に発表されている。
<< 欧米市場の見通し >>
基本的なリスクは上方向に高いものの、足もとは株安もあり、調整の動きが先行している感を否めない。チャート見た場合、3月26日安値104.58円を起点に価格的には7円近く、2ヵ月近い上昇をたどっていることでポジション的にはかなり偏っている。そのため、仮に調整であってもかなりの深押しが入っても不思議はない。ちなみに、前述安値を記録したのちの動きは、目先高値から最大でも1.4円ほどの下押しに留まってきたことが確認されている。それを今回高値111.39円に適応させれば、下値メドは取り敢えず110円程度ということになりそうだが、果たして結果は!?
一方、材料的にも、発表される経済指標を背景とした米ファンダメンタルズや、北朝鮮情勢をはじめとする国際的な政治要因など諸環境が、かつてほどドル買いの支援要因ではなくなってきたことが気掛かりだ。ドルの調整局面はいましばらく続くことになるのかも知れない。
昨日もレポートしたように、テクニカルに見た場合、3月26日に安値を記録した後の展開は、一本調子ともいえるドル高の進行で、綺麗な「上昇チャンネル」を形成してきた。そんなチャンネルの下限は本日110.35円レベルに位置しており、連日13ポイント程度ずつ水準を切り上げていくのだが、本稿執筆時で下限に絡む値動きとなっており予断を許さない。攻防が引き続き注目されるところで、「しっかり」割り込むようだと、先でも指摘した110円レベルの攻防が視界内に入ってくる。
一方、材料的に見た場合、4月の新築住宅販売件数や5月の総合PMI速報といった米経済指標が発表されるほか、5月1-2日に実施されたFOMC議事要旨の公表も予定されている。また、米財務省による5年債入札、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁によるQ&Aセッションへの参加なども実施される見込みだ。
そのほか、25日までとされる北朝鮮による核実験場廃棄にともなう動きや、6月1日の期限切れが迫りつつある「米輸入関税」をめぐる動きなどに再び注目が集まっている感もあり、関連ニュースには注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.70-110.90円。ドル高・円安方向は、本日の東京時間にドルが急落したあとの高値である110.50-60円が最初の抵抗で、抜ければ111円レベルなどがターゲットになりそうだ。
対するドル安・円高方向は、移動平均の200日線が位置する110.20円レベルの攻防にまずは注視。割り込むようだと109円台突入も否定出来ず、25日線が位置する109.50-55円などが下値メドに。(了)
オーダー/ポジション状況
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