円上昇後緩む トルコ緊急利上げでリラ反発
昨晩の海外市場で序盤にはリスク回避姿勢の高まりで円がほぼ独歩高の動きとなり、ドル円は一時109.56まで下落しましたが、その後は小緩みし110円台前半を回復しました。
注目された5月2日のFOMC議事要旨ではあまり目新しい部分はありませんでしたが、6月の利上げを示唆する一方で、緩やかなインフレのオーバーシュートを許容する姿勢も示されており、またイールドカーブの形状についても議論されたことが明らかとなりました。発表を受け米10年物国債利回りは3%を割り込み、米株は小幅反発して終了しています。為替市場の反応は限られましたがややドル売りとなり東京時間7:00現在は110円をやや割り込む水準(訂正×110.10レベル)で推移しています。
尚、昨晩トルコ中銀は臨時の政策会合を開催し、日本時間深夜1:00過ぎに政策金利の上限とされる後期流動性金利を3%引き上げ16.5%とした上で、今回の利上げは強力な金融引き締めであり、今後も必要に応じ利用可能なすべての手段を駆使すると声明しました。緊急利上げ発表を受け、史上最安値を更新して売りが加速していたトルコリラは急反発、昨日の下げ分を解消して対ドルで4.55、対円では24.15レベルとほぼ一昨日の水準でアジア時間を迎える荒い展開となっています。
利上げ後トルコのエルドアン大統領はテレビ演説し、6月の選挙後もトルコは金融政策に関するグローバルガバナンスを遵守するとする一方でグローバルガバナンスの原則がわが国を終わらせることはできないとも述べました。また、最近のリラ安についてはトルコの実体経済を反映していないとの考え方を示しています。
トルコ中銀が具体的な行動に出たこと、それをエルドアン大統領が少なくとも否定はしていないことは市場に前向きに受け止められていますが、トルコリラはわずか一日分の下落を回復したに過ぎず、効果の永続性は期待できません。
早晩リラ売りが再開されるとの見方も根強く、中銀が伝家の宝刀を抜いてしまった現在、他の追加政策や追加利上げに対する催促相場ともなりかねず、本日以降もリラの動きからは目が離せません。
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