<< 東京市場の動き >>
18日の東京市場は、110円後半を中心としたドルの強保ち合い。昼ごろには一時111円をワンタッチする局面も観測されていた。
ドル/円相場は、110.70-75円で寄り付いたのち、ドルがじり高推移。下値をじりじりと切り上げつつ連日の戻り高値を更新する展開となり、昼ごろには1月23日以来の高値である111円レベルを記録した。
しかし、高値を記録したあとは上げ渋り、110.80円レベルまで軟化。16時時点では110.85-90円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、本日も「北朝鮮情勢」と「米中貿易問題」について。
前者については、トランプ米大統領から「米朝首脳会談に現時点で変更の予定なし」「念頭にある合意は北の体制を保護する内容」との発言が聞かれるなか、中央日報が「中国主席は北との会合で、米朝会談の結果が良くなくても北を支援すると表明」と報じていたという。対して後者は、FOXニュースが「国家家経済会議(NEC)のカドロー委員長は、中国通信機器大手の中興通訊(ZTE)への措置を再検討」と述べたと指摘しているうえ、中国メディアは「訪米している中国の劉副首相がトランプ氏と会談実施」と報じていた。
<< 欧米市場の見通し >>
ドルはさらに上値を伸ばすと、本日の東京時間にはついに111円レベルを記録している。テクニカルには、110.15-20円に位置した移動平均の200日線や、昨年11月高値114.74円を起点とした下げ幅のフィボナッチ61.8%戻しに当たる110.90円レベルなどを次々と突破しており、次のターゲットは1月18日高値の111.48円か。また、週足・一目均衡表の先行帯の雲の下限が位置する111.95-00円なども視界内に捉えられた感を否めない。
米金利の上昇を主因に、とどまることを知らないドル高の進行が続いているものの、日柄やポジションの偏りを考えると上値を積極的には買いにくい面もある。また、材料的にもやや怪しい雰囲気を醸し始めていることは気掛かりだ。たとえば、本18日も継続して実施される「米中通商協議」だが、これについてトランプ氏が北大西洋条約機構(NATO)のストルテンベルグ事務総長との共同会見で、「中国との通商協議は成功しないだろう」と懐疑的なコメントを発したとされるなど、予断は許さない。
テクニカルに見た場合、ドル高基調は変わらず、さらに上値余地が広がった感がある。112円に向けたドルの続伸にも要注意。
しかし、3月26日安値104.58円を起点に、価格的には6.5円、ドルの上昇期間も1ヵ月半を超えてきた。さすがに、行き過ぎ・やり過ぎの域に入っているとの見方が有力視されつつある。ドルは目先続伸するかもしれないが、金融の世界には「山高ければ谷深し」という格言もある。本格的な調整が入った場合には、なかなかの深押しが入る可能性も否定出来ないだろう。
一方、材料的に見た場合、とくに目立った米経済指標の発表は予定されていないが、カプラン・ダラス連銀総裁やブレイナードFRB理事の講演が実施される見込みで、そちらは要注意。
また、継続案件である米朝の融和観測に疑問符がうかがえはじめた朝鮮情勢に関する続報や、17-19日の日程で実施される「米中通商協議」の行方も波乱要因として注視しておきたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.40-111.40円。ドル高・円安方向は、本日の東京でワンタッチする局面も観測された111円レベルの攻防にまず注視。抜ければ1月18日高値の111.48円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、110.60円、110.40円などに弱いサポートが位置するほか、110.15-20円には移動平均の200日線が存在している。110円台だけでもサポートは多く、かなり底堅そうな雰囲気だ。(了)
オーダー/ポジション状況
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