ドル高再燃、ただ材料的には警戒も必要か(5/17夕)

17日の東京市場は、ドル高・円安。途中、やや上げ渋る局面も見られたが、終盤にかけて110円半ばを回復し、直近のドル戻り高値を更新している。

ドル高再燃、ただ材料的には警戒も必要か(5/17夕)

<< 東京市場の動き >>

17日の東京市場は、ドル高・円安。途中、やや上げ渋る局面も見られたが、終盤にかけて110円半ばを回復し、直近のドル戻り高値を更新している。

ドル/円相場は、110.30-35円で寄り付いたものの、当初はドルがやや冴えない。110.10円割れまで一時弱含む展開をみせた。
しかし、底打ちしたあとは一転してドルの逆行高。早朝に示現し目先の抵抗だった110.40円レベルを上抜けると、ストップロスを巻き込み、110.55-60円まで一気に値を上げている。そののち若干の調整が入るも底堅く、16時時点でドルは110.45-50円で推移し、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、引き続き「北朝鮮情勢」と「米中貿易問題」について。
前者については、前日に北朝鮮が取りやめを示唆した米朝首脳会談に関連して、FOXニュース「ボルトン米大統領補佐官が、実現の可能性はまだあると発言」、「ボルトン氏が韓国大統領府の鄭国家安保室長と電話会談を行い協議」、北朝鮮の労働新聞「世界制覇しようとする米国の野望は変わらない、と非難」−−などといった様々な報道が観測されていた。一方後者も、トランプ米大統領が「中国は通商交渉で米国に与えるものが多くある」と発言、仏中外相が会談し「中国は米の一国主義的な通商政策を批判」、中国商務省「米中が対話を通じて通商問題の相違を抑制できるように望む」などの発言やニュースが報じられていたようだ。

<< 欧米市場の見通し >>

昨日の欧州時間に110円をしっかり上回ったのち、一度も割り込むことなくドルは底堅い値動きをたどっている。本日の東京時間には110.55-60円まで値を上げ、2月2日高値の110.48円を更新する局面も観測されていた。リスクはドル高方向にバイアスがかかり、テクニカルに見た次のターゲットは昨年11月高値114.74円を起点とした下げ幅のフィボナッチ61.8%戻しに当たる110.90円レベル。抜ければ、当然111円台回復も見えてくる。
ここ数日、一連のドル高を支援している一因は、米金利の上昇であることは疑いないが、材料的にはやや怪しい雰囲気もなくはない。その最たるものは、先でも指摘した北朝鮮情勢で、米朝の融和観測に疑問符がうかがえはじめただけでなく、昨日もそうだったが発表される米経済指標は斑模様で米ファンダメンタルズへの警戒感が台頭していること、あるいは本17日からはじまる「米中通商協議」への懸念などがジワリとドルの弱材料として意識されることには一応要注意。

テクニカルに見た場合、ドル高基調は変わらず、ついには110円半ばを突破してきた。次のターゲットはフィボナッチを参考にした110.90円レベルか。
しかし、3月26日安値104.58円を起点に、価格的には約6円、ドルの上昇期間も1ヵ月半を超えている。昨日レポートしたように、このままいけば週足は「8週連続の陽線」となりそうだ。さすがに、行き過ぎの域に入っているだけに、そろそろ本格的な調整局面入りについても注意を払っておきたいところだろう。

一方、材料的に見た場合、5月のフィラデルフィア連銀景況指数などの米経済指標が発表されるほか、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁やカプラン・ダラス連銀総裁による講演も予定されている。それらは当然要注意。
また、米朝の融和観測に疑問符がうかがえはじめた朝鮮情勢に関する続報や、17-19日の日程で実施される「米中通商協議」の行方も波乱材料として注視しておきたい。ちなみに、後者について、米CNBCは中国の劉副首相が「貿易交渉で合意得られると楽観している」と発言したと報じていたが、実際のところは果たしてどうだろうか?

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.80-111.00円。ドル高・円安方向は、本日の東京高値である110.55-60円の攻防にまず注視。抜ければ110.90円レベル、そして111円半ばなどがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、110.15-20円に位置する移動平均の200日線が最初のサポートか。本日の東京時間も同レベルがドルの下支えとなっていた感を否めない。割り込んだ場合には110円前後、一目均衡表の転換線が位置する109.65-70円レベルが意識されそうだ。

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