<< 東京市場の動き >>
週明け14日の東京市場は、109円前半でのレンジ取引。終日を通して値幅は30ポイント弱、新規材料が乏しいなか値動きも限られた。
先週末に、北朝鮮外務省が「23-25日に核実験場を廃棄する」と発表したことを受けたドル/円相場だったが、寄り付きは先週末のNYクローズに近い109.30円レベルで、特段の影響は見られず。また、寄り付いたあとも積極的な動意に乏しく、終日を通したレンジは大雑把に109.20-50円といった30ポイント弱に留まり、明確な方向性もうかがえなかった。16時時点では、109.45-50円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、本日も「北朝鮮情勢」。前述した週末のニュースに続き、朝鮮日報「米、北の非核化見返りで包括的補償を提示か」、FOXテレビ「ポンペオ米国務長官が非核化なら北に民間企業がインフラ整備と発言」、複数報道「トランプ氏、米朝会談直後の6月中旬来日へ」、聯合ニュース「韓国高官が、北非核化にともなう投資は早いほど良いと発言」−−など様々なニュースが伝えられていた。
そのほか、米の核合意離脱受けイラン外相が幾つかの国を外遊中で、中国をはじめとする何人かの外相と会談し「核合意維持に向けた連携で一致した」という。
<< 欧米市場の見通し >>
北朝鮮の融和姿勢はとどまることなく、先週末には前述したように同国外務省が「23-25日に核実験場を廃棄する」と発表している。それも、「過程を公開する意向」としており、日本を除く世界各国のマスコミに便宜をはかるもようだ。したがって、韓国高官から「北の核実験場廃棄は核開発放棄の意思表明」と手放しで歓迎する声も聞かれるなど、引き続き金融市場全般を通してリスク志向を後押ししよう。
しかし、為替市場における最近の値動きを見ると、「北」を材料にしたドル買いの反応も徐々に鈍くなってきた感を否めない。これは、北のスタンスに疑念を抱く向きが増えてきたためか、それともいわゆる「お腹いっぱい」というものなのか、よくわからないが、ともかくここから先は北朝鮮情勢をバックにしたドル買いにも限界がありそうな気がしている。むしろ、今後「失望」を誘う局面があれば、逆にドル売り・円買いで反応しても不思議はないかもしれない。
テクニカルに見た場合、筆者はかつて「3月26日安値104.58円を中心に、チャートはシンメトリー(左右対称形)の様相。それからすると、しばらくは108-110円といった中段保ち合いが続く可能性がある」と指摘した。結果、ここまでおおむね予想に即した動きなのだが、そうしたシンメトリーがこの先も続くとすれば、そろそろ保ち合いを上放れるタイミングを迎える可能性もある。このあとの欧米タイム以降、ドルの続伸にも一応要注意だ。
ちなみに、上抜けた場合には移動平均の200日線が位置する110.15-20円、2月2日高値の110.48円がターゲット。また、昨年11月高値114.74円を起点とした下げ幅のフィボナッチ61.8%戻しは110.90円レベルに。
一方、材料的に見た場合、とくに目立った米経済指標の発表は予定されておらず、ファンダメンタルズ的な要因からはやや動きにくい雰囲気。
ただ、ブラード・セントルイス連銀総裁によるプレゼンテーションが実施されるほか、「米大使館のエルサレム移転」が実施され、トランプ米大統領は欠席するものの、式典なども取り行われる見通しだ。うち後者の「米大使館移転」に関しては、テロを懸念する声も一部で指摘されるなど予断を許さない。関連報道や要人発言などにも十分な注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.00-110.00円。ドル高・円安方向は、先週末高値の109.60円レベルの攻防にまずは注視。抜ければ、過去に2度レジストされている110円前後や110.15-20円、110.48円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、先週末や本日東京などで底堅かった109.15-20円が最初の下値メドか。割り込んだ場合、109円を割り込み108.80円や108.65円などを目指す展開も。
オーダー/ポジション状況
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