<< 東京市場の動き >>
8日の東京市場は、109円挟みの揉み合い。終日を通した変動も30ポイントに届かず、明確な方向性は乏しかった。
ドル/円は、109.05-10円で寄り付いたのち、109円を挟んだ狭いレンジでの一進一退に。ただ、レンジそのものは狭かったが、そのなかでなかなか荒っぽい価格変動。108.85-109.15円といった30ポイントほどのレンジを行ったり来たりする往来相場となった。相場の変動要因だった日米株価や時間外取引されている米金利などの動きも安定せず、相場の乱高下を増長させていた感を否めない。16時時点では108.95-00円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、9日に予定されている「日中韓首脳会談」と「北朝鮮情勢」に関するニュースなど。
前者については、朝日新聞に李中国首相の寄稿文として「日中関係改善の意欲示す」、読売新聞には韓国大統領が書面インタビューに答えたものとして「南北関係の改善は北の非核化が前提」などと掲載されていた。対して後者は、韓国・東亜日報が早々に「北朝鮮高官が中国を訪問」と報じるなか、聯合ニュースが続報として「金北朝鮮委員長が再訪中か、中朝首脳の接触も」と指摘、物議を醸していたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
大きな流れはドルの戻り歩調ながら、短期的には完全に勢いを喪失している。実際、ここ2-3日の相場を見ても、108.60-109.40円と1円にも満たないレンジ取引で、明確な方向性はうかがえない。油断は禁物だが、いましばらくは中段保ち合い、ドル高の価格ではなく時間的な調整局面が続くとの見方が有力だ。
材料的にも、米ファンダメンタルズなどに注目が集まるなか、本日はとくに大きな米経済指標が発表されるわけでもなく、やや動きにくい雰囲気。ただ、9日には「日中韓首脳会談」のほか日中そして日韓の2国間協議も行われる予定となっているうえ、12日が「米国によるイラン制裁再開の是非判断期限」、来週にかけて「米中が通商再協議」を行うことも決定した。それら幾つかの政治要因、関係する要人の発言などが相場の波乱要因となる可能性はある。
テクニカルに見た場合、先週来指摘している「年初来安値104.58円を中心とした日足チャートのシンメトリー(左右対称形)」の様相をますます強めつつあるようで、とすれば108-110円程度の中段保ち合いがいましばらくは続きそう。
ただ、保ち合いを上下どちらにブレークするようだと、前記したシナリオを破棄する必要があるほか、抜けるとすれば上方向との指摘が有力だ。その場合には、2月2日高値の100.48円もしっかり上抜けることになるだろう。
一方、材料的に見た場合、3月の雇用動態調査など幾つかの米経済指標が発表されるものの、いずれもマーケットの関心は低く、基本的にノーインパクトか。ただ、米財務省による3年債の入札が予定されており、そちらは要注意。
また、先で指摘した9日予定の「日中韓首脳会談」やイラン核合意をめぐる行方のほか、東京時間に突如台頭した「金北朝鮮委員長が再訪中か、中朝首脳の接触も」−−の真偽を含めた続報などは気掛かりだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.50-109.50円。ドル高・円安方向は、本日東京高値109.10-15円の攻防にまず注視。ただ、抜けても昨日記録したドル高値109.40円などが抵抗となり、ドルの上値は重そうだ。
対するドル安・円高方向は、先週末安値の108.65円が最初の下値メド。割り込めば移動平均の25日線が位置する108.10-15円などがターゲットに。(了)
オーダー/ポジション状況
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