ドル続落注意、米雇用統計などが波乱要因か(5/4夕)

4日の東京市場は、レンジ取引。109円前半を中心とした30ポイント程度のレンジで一進一退をたどり、明確な方向性も乏しかった。

ドル続落注意、米雇用統計などが波乱要因か(5/4夕)

<< 東京市場の動き >>

4日の東京市場は、レンジ取引。109円前半を中心とした30ポイント程度のレンジで一進一退をたどり、明確な方向性も乏しかった。

ドル/円は、109.15-20円で寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。東京が休場となるなか、109.10-25円という横ばい商状となった。
その後、調整の動きが強まりドル売りが優勢に。一時109円を割り込むも底堅く、ドルは反発に転じると結局「行って来い」。109.15円レベルまで値を戻し、16時時点では109.10-15円で推移し、欧米時間を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは、3-4日に実施される「米中通商協議」と「北朝鮮情勢」に関するニュースなど。
前者については、米財務長官から「米中は非常に良い対話を持った」との発言が聞かれたものの、日経新聞は米財務長官が詳細を言及しなかったことを理由に、「進捗・成果示さず難航か」とややネガティブなトーンで報じている。対して後者は、NYタイムズが「トランプ米大統領、米朝首脳会談を控え在韓米軍の削減検討を指示」と報じた反面、韓国大統領府から「報道は事実でない」との否定コメントが発せられていた。

<< 欧米市場の見通し >>

まだ断定はできないが、昨日から本日の動きを見る限り、ドルの上値は再び重くなってきた感がある。2日のNY時間に110.04円を記録し、上値余地が拡大したと目されたものの、逆にある種の達成感を醸してしまったのかも知れない。なお、本日中の到達は困難と考えるが、一目均衡表の先行帯の雲の上限も位置する108円レベルを、NYクローズでも割り込むようだと、ここ数日のドル高傾向は「ダマシ」の可能性を否定出来なくなる。来週にかけてのドル続落に要注意だ。
材料的には、なんといっても米雇用統計が注視されており、その内容如何ではドルが続落する展開もありうる反面、しっかりとした110円台乗せに向けたドル高の起爆剤ともなりかねない。いずれにしても、発表前後の為替市場は乱高下をたどる公算が大きいだけに、注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、昨日「シンメトリー(左右対称形)まではいかないものの、年初来安値104.58円を中心とした左右のチャートの形状はかなり似通ってきた」−−としたうえで、「ドルは2月2日高値110.48円に匹敵するレベルで頭を打ち、2円程度の調整に入っても不思議はないのかも知れない」と指摘したが、足もとは早くも目先高値から1円を超える下押しが入ってきた。大きな流れはドル高にバイアスがかかるが、短期的には続落にも要注意だ。
そうしたなか、やや気掛かりなのは週足の一目均衡表。先行帯の雲が上限と下限が逆転する「雲のねじれ」を達成しており、これを短期的な基調の変化と捉える声も聞かれていた。


一方、材料的に見た場合、前述したように発表される4月の米雇用統計に対する関心が高い。ちなみに、もっとも関心を集めている非農業部門雇用者数はプラス19.2万人程度が見込まれており、前月(プラス10.3万人)よりも改善するもようだ。「イースター商戦や減税効果などが支援材料になる」との指摘も聞かれている。
そのほか、ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁の講演やクオールズFRB副議長によるプレゼンテーションなどのほか、前日に続き実施される米中通商協議についても注意を払いたい。前述した日経新聞報道のように、「進捗・成果示さず難航」が鮮明化すれば、リスク回避の動きがさらに進行する可能性もある。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.20-109.70円。ドル高・円安方向は、本日の東京高値であり、一目均衡表の転換線も近い109.25-30円の攻防にまず注視。抜ければ、2日記録した110.04円が再び視界内に捉えられそうだ。
対するドル安・円高方向は、昨日と本日の2度トライするも割り込めなかった108.90-95円が最初のサポート。割り込めば108円半ば、一目均衡表の先行帯の雲の上限などが位置する108円レベルなどがターゲットに。(了)

オーダー/ポジション状況

関連記事

「FX羅針盤」 ご利用上の注意
当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。

ページトップへ戻る