<< 東京市場の動き >>
4日の東京市場は、レンジ取引。109円前半を中心とした30ポイント程度のレンジで一進一退をたどり、明確な方向性も乏しかった。
ドル/円は、109.15-20円で寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。東京が休場となるなか、109.10-25円という横ばい商状となった。
その後、調整の動きが強まりドル売りが優勢に。一時109円を割り込むも底堅く、ドルは反発に転じると結局「行って来い」。109.15円レベルまで値を戻し、16時時点では109.10-15円で推移し、欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、3-4日に実施される「米中通商協議」と「北朝鮮情勢」に関するニュースなど。
前者については、米財務長官から「米中は非常に良い対話を持った」との発言が聞かれたものの、日経新聞は米財務長官が詳細を言及しなかったことを理由に、「進捗・成果示さず難航か」とややネガティブなトーンで報じている。対して後者は、NYタイムズが「トランプ米大統領、米朝首脳会談を控え在韓米軍の削減検討を指示」と報じた反面、韓国大統領府から「報道は事実でない」との否定コメントが発せられていた。
<< 欧米市場の見通し >>
まだ断定はできないが、昨日から本日の動きを見る限り、ドルの上値は再び重くなってきた感がある。2日のNY時間に110.04円を記録し、上値余地が拡大したと目されたものの、逆にある種の達成感を醸してしまったのかも知れない。なお、本日中の到達は困難と考えるが、一目均衡表の先行帯の雲の上限も位置する108円レベルを、NYクローズでも割り込むようだと、ここ数日のドル高傾向は「ダマシ」の可能性を否定出来なくなる。来週にかけてのドル続落に要注意だ。
材料的には、なんといっても米雇用統計が注視されており、その内容如何ではドルが続落する展開もありうる反面、しっかりとした110円台乗せに向けたドル高の起爆剤ともなりかねない。いずれにしても、発表前後の為替市場は乱高下をたどる公算が大きいだけに、注意を払いたい。
テクニカルに見た場合、昨日「シンメトリー(左右対称形)まではいかないものの、年初来安値104.58円を中心とした左右のチャートの形状はかなり似通ってきた」−−としたうえで、「ドルは2月2日高値110.48円に匹敵するレベルで頭を打ち、2円程度の調整に入っても不思議はないのかも知れない」と指摘したが、足もとは早くも目先高値から1円を超える下押しが入ってきた。大きな流れはドル高にバイアスがかかるが、短期的には続落にも要注意だ。
そうしたなか、やや気掛かりなのは週足の一目均衡表。先行帯の雲が上限と下限が逆転する「雲のねじれ」を達成しており、これを短期的な基調の変化と捉える声も聞かれていた。
一方、材料的に見た場合、前述したように発表される4月の米雇用統計に対する関心が高い。ちなみに、もっとも関心を集めている非農業部門雇用者数はプラス19.2万人程度が見込まれており、前月(プラス10.3万人)よりも改善するもようだ。「イースター商戦や減税効果などが支援材料になる」との指摘も聞かれている。
そのほか、ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁の講演やクオールズFRB副議長によるプレゼンテーションなどのほか、前日に続き実施される米中通商協議についても注意を払いたい。前述した日経新聞報道のように、「進捗・成果示さず難航」が鮮明化すれば、リスク回避の動きがさらに進行する可能性もある。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.20-109.70円。ドル高・円安方向は、本日の東京高値であり、一目均衡表の転換線も近い109.25-30円の攻防にまず注視。抜ければ、2日記録した110.04円が再び視界内に捉えられそうだ。
対するドル安・円高方向は、昨日と本日の2度トライするも割り込めなかった108.90-95円が最初のサポート。割り込めば108円半ば、一目均衡表の先行帯の雲の上限などが位置する108円レベルなどがターゲットに。(了)
オーダー/ポジション状況
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