雇用統計アノマリー、米債利回り(18/5/4)
先週以降の米金利上昇がきっかけとなって、ドル円もユーロドルもドルが全面高。この流れの中でドル円は110円の大台に乗せ、ユーロドルも1.20の大台割れとなりました。ユーロドルは今でも1.20以下での推移を続けていますが、ドル円は2日の110.04レベルを高値に昨日は一時108.93と109円を割り込む場面も見られました。
雇用統計とドル円はアノマリーと言っても良いくらいに雇用統計に前後して高値をつけることが多く、今回も2日の110.04が短期的なドルの高値になった可能性が高いと考えています。つまり、今夜の雇用統計の数字が予想よりも強くても売り場となりやすく、弱い場合には一段安に繋がる可能性があると見ています。
また、冒頭に書いた米金利上昇ですが、米国10年債の利回りが3%の大台に乗せたという面ばかりが強調されていますが、ポジション的にも過去にない水準にまで膨らんでいます。米国の取引所取引では毎週火曜日クローズ時点でのポジションが金曜日クローズにCFTCから発表されています。円ポジションが買いに転じたとか、ユーロが史上最高レベルの買いが続いているという話はよく聞きます。
米国10年債のポジションも同様に発表されていますが、4月24日時点のポジションは462,133枚の売り(債券売りなので金利上昇方向のポジション)と史上最高を記録しています。米国10年債の市場も大きいとはいうものの、現場では現状の46万枚を超える売りに対して相当に警戒が強まっています。
このまま売りポジションが増え続ければ3.25%水準といった更なる金利上昇に繋がる可能性もあるものの、6月FOMCで0.25%の利上げが行われたとしても、長期債は同じように上がるわけではありません。短期金利上昇が長期金利上昇とは結び付かなかった昨年前半のような展開になった場合、10年債の利回りは逆に0.25〜0.50%下がるのではないかとの見方も出てきています。
いまはまだ先の話かもしれませんが、そうなった場合には改めて逆イールドカーブの懸念が頭をもたげてくることなります。今後は米国債のポジション変化にも注意すべき状況となってきたように思います。
オーダー/ポジション状況
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