<< 東京市場の動き >>
週明け30日の東京市場は、揉み合い。109円前半、30ポイントにも満たない狭いレンジ取引で、方向性は乏しかった。
ドル/円は、前週末のNYクローズと大差ない109円レベルで寄り付いたものの、アジア市場は東京そして中国が休場ということもあり、積極的な動意が手控えられた。前週からの流れで、北朝鮮情勢に絡む報道などは幾つか観測されたが、いずれも相場への影響は限定的なものに留まっている。16時時点では、109.20-25円で推移し欧米時間を迎えていた。
一方、材料的に注視されていたものは、引き続き「北朝鮮情勢」。週末に韓国大統領府が「北朝鮮は核実験場を5月中に閉鎖する」と明らかにするなか、文韓国大統領から「南北会談で、北は日本と対話の用意あると発言した」との発言が聞かれている。
そのほか、朝日新聞「日本、北朝鮮に首脳会談の開催を希望」、朝鮮中央通信「北朝鮮、韓国に標準時合わせることを決定」、聯合ニュース「韓国大統領府、米韓首脳会談が早まる可能性」、「中国外相、5月2-3日に北朝鮮訪問へ」−−などといったニュースも別に観測されていた。
<< 欧米市場の見通し >>
マーケットでは、依然として北朝鮮情勢に対する関心が高く、前述したように先週末そして本日のアジア時間も関連ニュースが相次いでいる。為替相場との関係を見ると反応はやや鈍いが、その多くが米朝や南北の関係改善を期待されるモノ。このあとについても、引き続き北朝鮮関連のニュースが円売り要因として寄与する可能性もありそうだ。
ただ、やや長いタームであればともかく、短期的にドルは買われ過ぎの域にあることは気掛かり。時間足など短期のチャートを見ると、目先は109円半ばがなかなか強い抵抗として寄与をしており、110円は意外に近くて遠い存在である気もしている。
テクニカルに見た場合、基本的なリスクは上方向にバイアス。心理抵抗である110円も視界内には捉えられている。しかし、先週25日の欧州時間あたりから109円レベルをサポートにかなり底堅いが、上値も重そう。実際、109円半ばでドルの頭は抑えられている。そうした意味において、まずは足もとの109.00-50円という極めて狭いボックス圏を上下どちらにブレークするのか、その方向性に注意を払いたい。
なお、先で指摘したように「基本的なリスクは上方向にバイアス」で、レンジも上抜く公算が大きいものの、3月安値104.57円から約1ヵ月で5円近い戻りを記録するなど、短期的には若干買われ過ぎの感に達している。一時的な動きとして、再び109円を割り込むような、調整にも一応要注意。
一方、材料的に見た場合、3月のPCEデフレーターや4月のシカゴ購買部協会景気指数など幾つかの米経済指標の発表が予定されている。先週末に発表された1-3月の米GDP速報値が予想を上回るなど、ここ最近発表される米経済指標は総じて良好な内容のものが少なくない。本日の指標についても、改善期待など強気の見通しがやや優勢となっているようだ。
そのほか、再び米貿易問題を警戒する声がチラホラ聞かれ始めている。日米や米欧、米中あるいはNAFTAをめぐる動きや要人発言も波乱要因となりかねないかもしれない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.70-109.70円。ドル高・円安方向は、先週高値109.54円を含めた109円半ばの攻防にまずは注視。抜ければ、110円が現実的なメドとして意識されそうだ。
対するドル安・円高方向は、先週末のNYや本日早朝に記録したドル安値108.95-00円レベルが最初のサポートに。割り込めば108円半ばや、一目均衡表の転換線や先行帯の雲の上限などが位置する108.20円前後がターゲットに。(了)
オーダー/ポジション状況
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