今週の週間見通し
ゴールデンウィーク中でもありますので簡単にまとめておきます。
先週は久しぶりに米金利上昇とドル高との正相関(同方向への動き)が強まった印象でした。昨年までは米金利上昇とドル高は正相関でしたが、税制改革がまとまって以降は財源となる米国債増発による需給悪化を懸念した米国債売りから、悪い金利上昇がみられその結果として米金利上昇はドル安とされていたからです。
しかも為替市場は頻?に中心となる材料が変化し、株式市場の動きに連動することもあれば、それぞれが異なった動きをすることもありと、ファンダメンタルや他市場の影響は判断が悩ましい状況だったこともあり、先週の主犯はテクニカルな動き(テクニカル分析を中心とした為替系のファンドは意外と多い)ではなかったかと思います。
今週は東京市場がゴールデンウィークで1・2日の2日間の営業日となりますし、海外の主要国でも1日がメーデーで休場という国も多い状況です。金曜の米国雇用統計まではなかなか方向感が出にくい週となりますが、雇用統計アノマリーは念の為注意したいところです。これはFX羅針盤のコラムでも書いたことがありますが、米国雇用統計の前後にドル円が高値をつけやすい傾向があるというアノマリーです。
今回は109円台とこれまでに比べて高い水準にあり、また110円近いところでは実需を中心としたドル売りオーダーがかなり出て来るであろうことを考えると、今週は先週同様に109円台半ばから上は上値を抑えられやすいと考えられます。今一度日足チャートをご覧ください。
反転パターンによるドル高後を考えることとなりますが、これが110円の大台に近くなければ一段高を考えることも出来たのですが、前述の通り109円台半ばよりもドル高の水準では相当量のドル売りオーダーが並んでいると考えられます。ゴールデンウィーク前に多くの企業が銀行にオーダーを入れたであろうことは容易に想像できます。
そうなるとネックライン108円と大台110円に挟まれたレンジが適当であると考えられますが、方向感が出て来るほどでは無いにせよ金曜の米国雇用統計まで様子見となりやすいことから、ここから更に狭めたレンジを想定します。ニュートラルな水準を109円として上下60銭、108.40レベルをサポートに109.60レベルをレジスタンスとします。
ドル円(日足)チャート
このチャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみを平均足と同様とすることで、短期的な方向性(白=上昇、黒=下降)を見やすくした独自チャートとなっています。また、一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。
今週の予定(時刻表示のあるものは日本時間)
今週注目される経済指標と予定をあげてあります。影響が少ないものはあえて省いています。FRB地区連銀総裁講演の内、2018年FOMCメンバー(ニューヨーク、クリーブランド、リッチモンド、アトランタ、サンフランシスコ)ではない地区連銀総裁はカッコ付で示しました。また、わかりやすさ優先であえて正式呼称で表記していない場合もあります。
4月30日(月)
**:** 東京市場休場、中国市場休場
10:00 中国4月製造業・非製造業PMI
10:00 NZ4月ANZ企業信頼感
21:00 ドイツ4月CPI速報値
21:00 南ア3月貿易収支
21:30 米国3月個人所得・消費支出
22:45 米国4月シカゴ購買部協会景気指数
23:00 米国3月中古住宅販売保留件数指数
23:30 米国4月ダラス連銀製造業活動指数
5月1日(火)
**:** 香港、シンガポール、中国、ドイツ、フランス、スイス、南ア、トルコ市場休場
13:30 豪中銀政策金利発表
**:** 豪中銀総裁講演
17:30 英国4月製造業PMI
22:45 米国4月MarkIt製造業PMI確報値
23:00 米国4月ISM製造業景況指数
23:00 米国3月建設支出
27:30 カナダ中銀総裁講演
**:** FOMC(〜2日)
5月2日(水)
07:45 NZ1〜3月期失業率
10:45 中国4月MarkIt製造業PMI
16:50 フランス4月製造業PMI確報値
16:55 ドイツ4月製造業PMI確報値
17:00 ユーロ圏4月製造業PMI確報値
17:30 英国4月建設業PMI
18:00 ユーロ圏3月失業率
18:00 ユーロ圏1〜3月期GDP確報値
18:00 イタリア1〜3月期GDP速報値
21:15 米国4月ADP全国雇用者数
23:30 米国週間原油在庫
27:00 FOMC結果公表
5月3日(木)
**:** 東京市場休場
10:30 豪州3月貿易収支
16:00 トルコ4月CPI
17:30 英国4月サービス業PMI
18:00 ユーロ圏4月CPI速報値
18:00 ユーロ圏3月PPI
20:30 米国4月チャレンジャー人員削減予定数
21:00 コンスタンシオECB副総裁講演
21:30 米国新規失業保険申請件数
21:30 米国1〜3月期単位労働コスト速報値
21:30 米国3月貿易収支
21:30 クーレECB理事講演
22:45 米国4月MarkItサービス業PMI確報値
23:00 米国4月ISM非製造業景況指数
25:00 スイス中銀総裁講演
5月4日(金)
**:** 東京市場休場
10:30 豪中銀四半期金融政策報告
10:45 中国4月MarkItサービス業PMI
16:50 フランス4月サービス業PMI確報値
16:55 ドイツ4月サービス業PMI確報値
17:00 ユーロ圏4月サービス業PMI確報値
21:30 米国4月雇用統計
25:00 NY連銀総裁講演
前週の主要レート(週間レンジ)
始値 高値 安値 終値
ドル円 107.88 109.54 107.73 109.08
ユーロ円 132.41 133.49 131.89 132.32
ユーロドル 1.2274 1.2290 1.2055 1.2130
日経平均 22157.88 22495.56 22065.52 22467.87
(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時?NY午後5時のインターバンクレート。
前週の概況
4月23日(月)
金曜NY引け後に北朝鮮がICBM実験停止と核実験施設の廃棄を表明したものの、週明けの早朝市場ではわずかにリスクオンとなった程度で大きくは材料視されませんでした。ドル円も底堅いものの高値圏でのもみあいを続けていましたが、動きが出たのは欧州市場に入ってから。他に材料が無かったのか米金利上昇が直接的なきっかけとなりドル買いの動きとなり、108円台に乗せてきたことからストップも巻き込みながら買いが買いを呼ぶ展開が続き、NY市場では108.75レベルまで上伸し高値圏での引けとなりました。
4月24日(火)
前日のドル高の動きを受け底堅い展開ではあったもののNY市場までは動意薄。NY市場に入ると前日から更に長期金利が上昇し10年債の利回りは3%台乗せ、この動きを見て為替市場はNYの昼前には109.20レベルの高値をつけました。しかし、株式市場は米債下落(利回り上昇)に反応しNYダウが急落、一時600ドルを超える下げとなりました。為替市場もダウの動きに反応するミニトリプル安状態となり、108円台半ばまで下押し後やや戻して引けました。
4月25日(水)
終日ドル高の一日となりました。今週に入ってからは連日米金利上昇がドル買いの材料とされ、日本株を中心に株式市場も落ち着きを取り戻したことからリスクオンも重なって、ドル円は109.45レベルへと高値を切り上げ高値圏でのクローズとなりました。
4月26日(木)
ドル円は小動きの一日となりました。朝方には前日高値をわずかに更新したものの109円台後半には売りも見え積極的には買い進められない様子。しかし一方では前日に続き株価が底堅い展開を続けたこともあって、109円台前半で様子見の一日となりました。
4月27日(金)
ドル円は109円台前半で方向感のはっきりしない週末相場となりました。東京市場では南北首脳会談、日銀金融政策決定会合と重要イベントはあったものの、首脳会談は米朝首脳会談に向けての下ならしといった意味合いが強く、日銀会合も特に材料とされぬまま海外市場入り。欧州市場ではユーロドルの売り、NY市場では強いGDP速報値に反応して一時的に買いが強まったものの高値は109.54レベルまで、引けにかけては米金利低下の動きも重なりじり安での週末クローズとなりました。
ディスクレーマー
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オーダー/ポジション状況
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