<< 東京市場の動き >>
18日の東京市場は、ドル高・円安。値動きそのものは40ポイント程度と、それほど大きくはなかったが、「寄り付き安・大引け高」に近い値動きで、ドルは堅調に推移している。
ドル/円は寄り付いた107円前後を日中安値に小じっかり。当初は上値の重い状況だったが、107.20円レベルを抜けると、一気に日中高値である107.40円近くまで値を上げた。米WPによる「ポンペオCIA長官、金正恩氏と極秘会談実施」との報道に加え、前日比81円高で寄り付いた日経平均株価が大きく続伸、大引けは310円高となったことが好感されていたという。16時時点では107.25-30円で推移、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたもののひとつは、「北朝鮮情勢」と「日米首脳会談」に関するニュースなど。前者については、トランプ米大統領から「米朝はハイレベルですでに直接対話」との発言が聞かれるなか、先に挙げたWP報道「ポンペオCIA長官、金正恩氏と極秘会談実施」との追加報道が観測されたうえ、朝日新聞による「韓国、南北会談で経済協力を議題にしない」との報道も。
それに対し、後者は会談前にトランプ氏から「貿易赤字削減のため、日本はできることがある」との発言があり、関心を集めたが、終了段階では「米朝首脳会談」に関する話が中心で通商問題に関する発言はとくに観測されていない。
<< 欧米市場の見通し >>
「米中貿易戦争」への懸念と「シリア情勢」が目先一服するなか、新たに材料視されていた「日米首脳会談」だったが、本日の東京時間を見ると、それよりむしろ「北朝鮮情勢」への関心が再び高まっている感を否めない。北朝鮮はポンペオ氏という米要人と対話を実施するだけでなく、CNNは「習中国国家主席が平壌訪問」するとも報じている。今後伝えられるニュースによっては、さらなる融和観測が強まることも予想され、その場合、為替市場においてはリスク回避スタンスの後退となり、円売り要因として寄与しそうだ。テクニカルに見ても、108円前後はかなり強い抵抗だが、しっかり抜ければ一気に110円レベルを目指し、大幅な続伸も否定できなくなる。
テクニカルに見た場合、大きな意味では引き続きレンジ内。5日以降、およそ2週間106.60-107.80円という1.2円ほどのボックスで一進一退をたどっていることになる。
そうした意味では明確な方向性が乏しいものの、リスクしては上抜けへの期待が高まりつつあるようだ。レンジ上限である107.80円レベル、そして108円前後の強い抵抗をクリアに超えていくことが出来るのか否か、まずはその点に注目してみたい。
一方、材料的に見た場合、幾つかの米経済指標が発表されるものの、かなり小粒で基本的にはノーインパクトか。ただ、クオールズFRB副議長やダドリーNY連銀総裁による講演が実施されるうえ、モルガン・スタンレーなどをはじめとする米企業の決算発表にも、注意を払いたい。
また、本稿執筆時には結論が不明な、先で指摘した「習中国国家主席が平壌訪問」の続報や、2日目となり通商問題も討議される「日米首脳会談」の行方には引き続き要注意だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、106.80-107.80円。ドル高・円安方向は、本日の東京高値である107.40円レベルが最初の抵抗で、抜ければ前回高値107.78円、フィボナッチなどを含めた強い抵抗である108円前後がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、一目の雲の下限が位置する106.90円レベルの攻防を注視。本日の東京時間、ザラ場ベースでも同レベルはサポートとして寄与していた。しっかり下回ると、過去2週間ほどのレンジ下限である106.60円レベルが意識されそうだ。(了)
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