米株の動きに一喜一憂、為替は株価次第か(4/10夕)

10日の東京市場は、ドル高・円安。それも、「寄り付き安・大引け高」に近い値動きで、終日を通しドルの強さが目についた。

米株の動きに一喜一憂、為替は株価次第か(4/10夕)

<< 東京市場の動き >>

10日の東京市場は、ドル高・円安。それも、「寄り付き安・大引け高」に近い値動きで、終日を通しドルの強さが目についた。

ドル/円は106.70-75円で寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。106.60-80円といった狭いレンジ内での一進一退をたどったが、仲値決定(午前10時)を前後して上抜けると、そのままドルはじり高に推移。マイナス圏で寄り付いた日経平均株価がプラス転換し、終値でも小幅高を維持したことが好感されていたという。107円も突破し、日中高値である107.25円レベルまで値を上げた。
そのレベルはさすがに上げ渋るも底堅く、16時時点でも、ドルは107.15-20円という高値圏で推移し、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、「米中貿易戦争」を背景とした米中要人の発言。
米国サイドは、ダラス連銀総裁が「関税めぐる交渉の影響を判断するのは時期尚早」としたうえで、「わたしの基本シナリオは今年3回の利上げ」と指摘していた。それに対し、中国は習国家主席から「開放は進展につながる」「対話が問題解決の方法」といった発言が聞かれ、後者部分を参考に最悪の事態は回避されるとの見方に繋がっていたようだ。ドル高の支援要因のひとつに。

<< 欧米市場の見通し >>

マーケットの関心が依然として高い、「米中」を中心とした「世界的な貿易戦争」への懸念だが、楽観と悲観を繰り返す展開が続いている。足もとについては、楽観的な見方が優勢で、それは日米株価の動きからもみてとれる。実際、本日の東京タイムに日経平均株価が小幅高をたどったことに加え、時間外で取引されているNYダウの先物も本稿執筆段階で300ドル近く上昇している状況だ。こうした傾向が、このあとも続けば当然ドルの買い要因となりそうだが、逆に再び悲観的な見方が優勢になれば、米株安とそれにともなうドル売りに傾斜しても不思議はないだろう。
いずれにしても、「貿易戦争懸念」を背景とした米株の動きには引き続き要注意。

テクニカルに見た場合、ザラ場ベースで107.15-20円に位置する一目均衡表の先行帯の雲の下限に絡む値動きとなっている。先週5日などに一時上抜ける局面も見られたが、勢いは続かず押し戻されているだけに、引き続き攻防には要注意だ。ザラ場ベースの動きはもちろんのこと、NYクローズでも雲の下限をしっかりと上回れるかどうかを見極めたい。
なお、一目の雲の下限を上抜けた場合の次の上値メドは、前述した先週5日高値の107.50円、フィボナッチの観点で見た年初来高値を起点とした下げ幅の38.2%戻しに当たる107.95円レベルとなる。

一方、材料的に見た場合、3月の生産者物価指数という米経済指標の発表が予定されているうえ、米財務省による3年債の入札も実施される見込みだ。
そのほか、本日はカプラン・ダラス連銀総裁という米要人のほか、ノボトニー・オーストリア中銀総裁やビスコ・イタリア中銀総裁など欧州要人の講演も少なくない。それら要人発言が相場の波乱要因となる可能性もある。なお、通貨当局者ではないが、「フェイスブックのザッカーバーグCEOが情報流出に関して、米上院で証言する」予定も別途見込まれており、そちらも株価への影響という意味を含め、一応の注意を払っておきたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、106.60-107.60円。ドル高・円安方向は、昨日まで抵抗として寄与していた一目の雲の下限(107.15-20円)の攻防がまずは注視され、抜ければ先日高値の107円半ばやフィボナッチの観点で見た107.95円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日のNY安値106.60-65円をめぐる攻防にまずは注視。割り込んできた場合には移動平均の25日線が位置する106.25-30円が意識されそうだ。(了)

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