ドル高トライは仕切り直し、米株の動き注意(4/3夕)

3日の東京市場は、結果「行って来い」。一時106円台を回復する局面も観測されるなど、ドル高が目についたものの、夕方に大きく値を崩し、上昇分をチャラにしている。

ドル高トライは仕切り直し、米株の動き注意(4/3夕)

<< 東京市場の動き >>

3日の東京市場は、結果「行って来い」。一時106円台を回復する局面も観測されるなど、ドル高が目についたものの、夕方に大きく値を崩し、上昇分をチャラにしている。

ドル/円は105.85-90円で寄り付いたのち、やや冴えない値動き。前日にNYダウが450ドルの大幅安で引けたことを受け、日経平均株価も弱含みに推移するとの思惑がリスク回避志向に繋がっていたという。
しかし、日経平均株価は予想ほど下げず、為替も底堅い推移のなか、夕方には日中のドル高値圏である106円台までドル高が進行。そのまま終了するかと思われたが、黒田日銀総裁から「出口戦略、内部ではいろいろと議論している」との発言が聞かれたことをキッカケに、一転して円買いムードが強まった。16時時点では、寄り付きレベルに近い105.90-95円で推移し、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたものは、引き続き「米貿易戦争」に絡む報道など。米ホワイトハウス報道官から「中国の貿易慣行や対米報復関税を批判」のコメントが聞かれるなか、ロイターが、今月予定されている日米首脳会談で、北朝鮮問題のほか「相互的な貿易、および投資をめぐる関係」が議題として取り上げられることを明らかにしたと報じていた。また、CNBCによる「米政権幹部、対中制裁『報復合戦』を否定」、ブルームバーグ「米政権、米州首脳会議でNAFTA暫定合意の発表目指す」−−との報道も別に観測されている。
そのほか、日本の要人発言として、麻生財務相「いまの段階で自らの進退は考えていない」、黒田日銀総裁「現在の緩和を粘り強く進めることが必要」「出口戦略、内部ではいろいろと議論している」との発言が聞かれていた。

<< 欧米市場の見通し >>

昨日、イースターマンデーで英国を中心に欧州市場の休場が多いなか、「基本小動きだがリスクはドル高方向」と指摘をしたが、結果はNYダウの大幅安もあり、リスク回避志向が強まり予想以上に円高が進行している。それを受け、テクニカルにはようやく上抜けたかに思えた移動平均の25日線(106.10円レベル)を再び割り込んでくるなど、少なくともドルの上値トライは仕切り直しとなった感を否めない。
ただ、その後の、東京市場の動きを見ると、ドルの上値は重い反面底堅く、しばらくはレンジ取引が続く公算も取り沙汰されていた。不安定になっている米株の動きが波乱要因だが、週末に注目の米雇用統計発表を控えていることで、それに向けて105.50-107.00円といったボックス相場をたどる可能性もある。

テクニカルに見た場合、よもやダマシの可能性は低いと思っていたのだが、昨日NYクローズで移動平均の25日線を下回ったことへの失望感を禁じ得ない。加えて、これまで何度かレポートしてきたように、年初来の相場パターンである「目先底値からドルは2.0-2.5円反発し高値を記録、そののち再び下値を試す」−−の前半部分に合致した値動きをたどっていることも気掛かりだ。ヒョッとすると、ドルはさらに続落する危険性があるのかもしれない。いずれにしても、ドル強気派としては、なんとしても先で指摘した25日線を一日でも早く回復する展開を望んでいる。

一方、材料的に見た場合、レッドブック週間小売売上高など幾つかの米経済指標が発表されるものの、全般的に小粒で基本はほぼノーインパクトか。ただ、そのほかカシュカリ・ミネアポリス連銀総裁が質疑応答セッションに参加したり、ブレイナードFRB理事による講演したりすることが予定されている。通貨当局者などによる発言には一応要注意。
そのほかではとくに目立った材料はないのだが、米株の動きにも大きな影響を与えている「米貿易戦争」に絡む報道などにも引き続き注意を払いたい。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、105.60-106.60円。ドル高・円安方向は、昨日再び下回ってきた移動平均の25日線が最初の抵抗で、抜ければ昨日高値の106.45円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日安値の105.66円をめぐる攻防にまずは注視。割り込んできた場合には105.20-30円、105円前後などが意識されそうだ。(了)

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