ドル円 レンジを下抜け材料的には続落要注意(3/23夕)

23日の東京市場は、ドル安・円高。2016年11月10日以来となる105円割れを記録したほか、円は対ドル以外でも全面的に買い進まれる展開をたどっている。

ドル円 レンジを下抜け材料的には続落要注意(3/23夕)

<< 東京市場の動き >>

23日の東京市場は、ドル安・円高。2016年11月10日以来となる105円割れを記録したほか、円は対ドル以外でも全面的に買い進まれる展開をたどっている。

ドル/円は寄り付いた105.30円レベルを日中高値に弱含み。それでも当初は若干の底堅さを醸していたが、105円を割り込むと短期のストップロスも巻き込み、なし崩し的に104.60円レベルまで一気に値を下げた。トランプ米大統領がツィッターに、「マクマスター大統領補佐官を交代させ、後任にボルトン元国連大使を起用する」と書き込んだことが材料視されていたようだ。
その後は、やや買い戻しも入ったがすでにドルの上値は重い。105円台に定着することは出来ず、16時時点では104.85-90円で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、寄り付きから前日比403円と大幅安でスタートした日経平均株価は、その後も下げ幅を拡大、一時下げ幅は1000円を超える局面も観測されていた。

一方、材料的に注視されていたものは、先のトランプ氏ツィッターを除くと、「米輸入制限関係のニュース」と「本邦を中心とした要人発言」。
前者については、米通商代表部のライトハイザー代表が「EUとそれ以外の6ヵ国、アルゼンチン、豪州、ブラジル、カナダ、メキシコ、韓国は米関税措置から除外」との見方を示すなか、中国商務省から「米国へ対抗措置準備」との発表がなされていた。それに対して後者は、麻生財務相が米中貿易問題について「急に円が暴騰する話でもない」、前田日銀理事による「出口を検討する段階にない」とのコメントなどが報じられている。

<< 欧米市場の見通し >>

米国が「輸入制限」に関する話題を持ち出したときから、中国との「貿易戦争」は避けられないと目されてきたが、予想を超える規模の戦いになる可能性が出てきた。また、先で指摘したように、日本は適用除外国に認定されず、今後日本企業が被るダメージなども気になるところだ。
加えて、先月末から相次いでいる米政権要人の辞任や解任は、本日ついに「マクマスター大統領補佐官」にまで広がった。トランプ氏の周辺にイエスマンしか残らないような状況下、今後さらに「内向き志向」を強める懸念も指摘され始めている。3月期末をにらんだ需給要因も一巡、サイクルをメインにしたテクニカル面からも、そろそろ本格的なドルの反発が期待されたものの、それらがすべて呑み込まれてしまった感を否めない。円高リスクはまだ継続、そう考えざるを得ない気がしている。

テクニカルに見た場合、久しぶりに推移する104円台ということで、ドルの明確な下値メドを指摘することは難しい。敢えて指摘をすれば、2016年のドル安値98.65円を起点とした上げ幅の76.4%押しに当たる103.35-40円がなかなか強いサポートと言うことになろう。「本日中に目指す」−−といった展開は予想出来ないものの、多少の時間を要しつつ、ドルはさらなる下値トライをたどる可能性もある。
ただ、本日は週末で通常であれば調整が入りやすい環境。ポジションの偏りを加味したうえで、105円前半あるいは一目均衡表の転換線が位置する105.95円近くまでの反発を見込む声も聞かれていた。

一方、材料的に見た場合、2月の耐久財受注や同新築住宅販売件数などの米経済指標の発表が予定されているほか、ボスティック・アトランタ連銀総裁やローゼングレン・ボストン連銀総裁などによる講演が実施される見込みだ。
基本的なリスクはドル安方向と考えられているだけに、指標の大幅改善や要人による講演で強気のコメントが聞かれた場合、ドルに大きな戻りが入っても不思議はないかもしれない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、104.20-105.80円。ドル高・円安方向は、目先安値を示現後の戻り高値である105.10円レベルが最初の抵抗で、抜ければ一目均衡表の転換線が位置する106円前後などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値である104.60円レベルがまずはサポート。その下は明確なメドを見出しにくいが、ピボットを参考にした104.15-20円などをターゲットとして一応取り上げておく。(了)

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