ユーロドル相対的に落ち着いた動き
昨晩のトランプ大統領の対中国輸入制限拡大の動きを受けて本日の東京時間も株式市場を中心に大荒れの動きとなりました。日経平均は一時千円を超える下落となり、ドル円は105円割れ、欧州時間に入ってからも欧州株の下落と米株価指数先物の下落は今のところ止まりません。
この動きの中でユーロドルは相対的に落ち着いた相場展開となっており、東京時間も1.2302-1.2349とほぼぴったり「1.23台前半」レンジに収まった形となっています。
危険避難通貨とは必ずしもみなされていないユーロは今回のリスク回避の動きの中ではある意味蚊帳の外、円買いの影響で一時129円を割り込んだユーロ円とは対照的にユーロドルは最近のレンジ内での動きに留まっています。
ECBのドラギ総裁はブラッセルで開催されているEU理事会で各国の首脳を前に個人消費に基づき継続的に景気が回復している現在の状況を説明しましたが、一方で中期的な4つのリスクを指摘しました。
ドラギ総裁によれば、最大のリスクは貿易に関する保護主義の台頭と多国間期間の弱体化の結果関税と報復措置が互いの信頼を損なうこと。他の三つは金融緩和政策が継続する中での金融業会の規制緩和の進展という組み合わせに潜むリスク、米国資産のリヴァリュエーションによる資産価値の低下、減税、公共支出の増加により米国とEUが循環的インフレに陥るリスク。市場は現在まさに1番目と3番目のリスクに直面しています。
トランプ発の貿易戦争懸念が早期に後退することは望めない中で、現在の株式市場のスパイラル的な売りが止まらなければ、各市場とも次の方向は見通しにくく、その意味では特にユーロドルはしばらく動きが取れないまま現レンジでの「膠着」が継続しそうです。
この後米国では耐久財受注、新築住宅販売等の指標がありますが、よほどの異常値でも出ない限り今はそれどころではなく、為替市場への影響は限定的なものと思われます。
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