<< 東京市場の動き >>
21日の東京市場は、106円半ばを中心とした凪相場。値動きは終日を通して20ポイントにも届かず、ほぼ横ばいのまま取引を終えている。
ドル/円は106.50-55円で寄り付いたものの、東京市場が休場になったこともあり動意は乏しい。106.40-55円といったわずか15ポイント程度のベタ凪商状で、動きらしい動きはほとんど観測されなかった。16時時点では106.40-45円で推移し、欧米時間を迎えている。
しかし、そうしたなかカナダドルが、やや活発な動意。対円では81.40円台から81.80円台へと一時値を上げた。「トランプ政権が北米自由貿易協定(NAFTA)協議でカナダ、メキシコの対米輸出車両に関する要求を取り下げた」と報じられたことが好感されていたという。
一方、材料的に注視されていたものは、前日終了したG20会合ならびに、米輸入制限に関する発言など。ブラジル財務相から「米財務長官は通商戦争しないと説明」、フランス財務相「米輸入制限は過剰生産に対処できない」との発言が聞かれていたほか、「米大統領、議会に米貿易促進法の延長を要請」との報道も観測されている。
また別途、産経新聞が報じた「TPP11、日本で首席交渉官会合開催へ」、文韓国大統領による「状況次第で南北と米の3ヵ国首脳会談もありうる」との発言も思惑を呼んでいた。
<< 欧米市場の見通し >>
足もとは引き続き方向性を欠いている。昨日、「先週15日以降の相場はというと、値動きは105.60-106.40円といったところで1円にも届いていない」−−と報じたら、そののち106.60円まで一時値を上げたものの、NYクローズでは押し戻された。結局、レンジをわずかに広げただけに留まっている。本日は、昨日よりやや広がった新たな1円レンジをめぐる攻防、どちらの方向に抜けていくのかといったことにまずは注目だ。
過去1週間程度続くレンジ取引が継続する可能性も否定できないが、本日のNYタイムには注目の米FOMCの結果発表そしてパウエルFRB議長の会見が実施される予定となっており、予断は許さない。「年内利上げ回数の増加示唆ならドルの支援要因」−−などといった見方も聞かれている。
テクニカルに見た場合、前述したように明確な方向性は乏しいものの、敢えてリスクを指摘すれば下方向よりも、上方向にバイアスか。2月16日安値105.55円と3月2日105.24円、そして今回安値でトリプルボトムを形成した動きのようにみえ、ドルの下値余地はあまり大きくない気もしている。
ただ、ドルの上値も今年1月10日以降、おおむね移動平均25日線(本日は106.50円レベル)に抑制されてきた。ドルの反発を確認するには、まずこの25日線をしっかりと上回りたい。
一方、材料的に見た場合、10-12月期の経常収支や2月の中古住宅販売件数といった米経済指標の発表が予定されているものの、マーケットの関心はやはり米FOMCの結果発表と、パウエルFRB議長の会見か。
ちなみに、FOMCについての予想は「25BPの利上げ実施」で、こちらは基本サプライズがない見込み。ただ、問題は今後の見通しについて。「年内利上げ回数の増加示唆ならドルの支援要因」−−との見方がある反面、失望を誘う弱気のトーンであれば逆にドルが売られても不思議はないだろう。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、105.70-107.10円。ドル高・円安方向は、25日線が位置する106円半ばが最初の抵抗で、抜ければ107円台の回復、13日高値の107.28円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、引き続き先週末安値を含む105.60-80円レベルがかなり強いサポートとなっており、まずはその攻防を注視したい。(了)
オーダー/ポジション状況
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