<< 東京市場の動き >>
16日の東京市場は、ドル安・円高。それも、「寄り付き高・大引け安」の様相で、ドルの弱さが目についた。
ドル/円は寄り付いた106.35円レベルが日中高値となり、ドル売りが優勢。とくに、仲値決定となる午前10時ごろ、下げ足を速めると一気に106円割れ。その後も大きくは持ち直せず、結局105.85円レベルまでじり安で値を下げた。米紙ワシントンポストが「トランプ米大統領が、マクマスター大統領補佐官(国家安全保障問題担当)の解任を決めた」と報じたことが材料視されていたという。16時時点では105.90-95円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは、「米政権運営不安」。先でも挙げたWP紙の報道が観測されたのに対し、米大統領報道官から「トランプ氏とマクマスター氏の関係は良好」、米国当局者による「米大統領はマクマスター補佐官解任に関して決定してない」−−などとした否定コメントも聞かれていた。
そのほか、聯合ニュースが「日韓外相会談、17日ワシントン開催で調整」、「衆院本会議が日銀の黒田総裁、雨宮・若田部副総裁人事案を可決」、「河野外相が米通商部代表と会談、輸入制限除外を働き掛け」などの報道も別途観測されている。
<< 欧米市場の見通し >>
テクニカルにも、材料的にも市場は再びドル安・円高機運を高めつつあるようだ。また、3月期末をにらんだ幾つかの需給要因も円買いを後押しする要因となっている。そうした意味では、いましばらく円高傾向が続く可能性も否定出来ない。
しかし、確かにドルの上値は重いものの、下値も攻め切れず、なかなか底堅い感も否めない。実際、時間足ベースのチャートを見ると、昨日の東京に続き欧米、本日東京と数回にわたり105.80円レベル割れを試すも、いずれも失敗に終わっている。本日は週末ということで、日柄的に調整が入りやすいということを考えると、下値機運がくすぶるなかドルが底堅く推移する展開もありそうだ。
テクニカルに見た場合、ドルのレジスタンスに、これまでの移動平均25日線(106.65-70円)のほか、一目均衡表の転換線(106.35-40円)も加わった。それらにドルの上昇は阻まれそうで、頭の重い値動きが予想されている。
ただ、年初高値を起点としても、すでに2ヵ月以上、価格にして8円を超える下落をたどっているだけに、常に基調転換のリスクも付きまとう。そうした見方から、足もとの底堅さは2番あるいは3番底の確認で、ドル反発の序章などと予想する「強気派」の指摘も聞かれていた。
一方、材料的に見た場合、2月の鉱工業生産や同設備稼働率、3月のミシガン大学消費者信頼感指数といった米経済指標の発表が予定されており、それらは要注意。
また、これまでの引き継ぎ事案である「森友問題」や「米政権運営不安」、「米輸入制限問題」「北朝鮮情勢」に関し、先でも取り上げた「マクマスター補佐官解任決定」や「日韓外相会談、17日ワシントン開催で調整」などの報道のほか、「トランプ氏が対日貿易に改めて不満を示した」との情報も取り沙汰されている。続報や関連ニュースには注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、105.50-106.60円。ドル高・円安方向は、一目均衡表の転換線(106.35-40円)が最初の抵抗で、抜ければ25日線の位置する106.75-80円を目指す展開か。
対するドル安・円高方向は、時間足ベースなどで短期のサポートになっている105.80円前後の攻防にまず注視。ただ、抜けても105円半ばなどがサポートで、底堅いイメージも。
オーダー/ポジション状況
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