<< 東京市場の動き >>
6日の東京市場は、一時ドル高に振れるも「行って来い」。大引けにかけてドルは値を崩し、結局寄り付きレベルまで下落している。
ドル/円は106.15-20円で寄り付いたのち、ドルがじり高推移。106円半ばまで上昇したものの勢いを維持できなかった。逆にじりじりと値を崩す展開となり、最終的には上げ幅のすべてを吐き出す「行って来い」に。日経平均株価は5日ぶりの反発、前日比375円の大幅高となったが、リスク志向の円売りも結果的に限られた。
16時時点では寄り付きレベルとほぼ同じ106.20-25円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたもののひとつは、引き続き「米貿易政策をめぐる動き」。訪米した「自民・河井氏が米与党議員と会談、輸入制限措置への懸念を伝達」、「安倍首相がターンブル豪首相、カナダのトルドー首相とそれぞれ電話会談を行い、トランプ米大統領が表明した鉄鋼とアルミニウムの輸入制限の発動方針をめぐり意見交換した」−−などと報じられている。
また、それとは別に北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉について、ロイターは「再交渉会合、共同声明を発表せずに終了へ」、時事通信は「加盟3ヵ国、3月妥結を断念」と報じるなど、様相は依然として混沌としている感を否めない。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日レポートしたように、「年初来高値からと考えても、ドル安・円高傾向はすでに2ヵ月、価格的には8円を超える下落」だっただけに、短期的な調整は当然予想されていた。昨日NYや本日東京時間のドルの戻りについては、決して不思議な動きではない。と言うより、前述したような、これまでの下落期間や下げ幅を考えると、時間的にも価格的にも、いま少し戻る公算が大きいように思う。
ただ、昨日NYの動きについて、一般的に「米保護主義後退でドル買い」のように解説されていることが、個人的にはまったく解せない。確かに、与党共和党議会トップであるライアン下院議長が、輸入制限に反対を表明しているなど一筋縄ではいかない感はあるものの、そこまで楽観視してもよいのだろうか?基本的な円高基調に変化はなく、キッカケさえあれば同じ材料で再び円買いが進行するリスクがあるのでは、と考えている。
テクニカルに見た場合、目先の抵抗である106円レベルを超え、次のレジスタンス106円半ばをうかがう様相を呈している。一目均衡表の転換線も位置する同レベルの攻防がまずは要注意。抜ければ年初来高値を起点とした下げ幅の23.6%戻しに当たる107.15円レベルなどがターゲットに。
それに対する下値は、昨日再び超えてきた106円レベルの攻防が注視され、割り込んだ場合は年初来安値105.24円が再び視界内に捉えられそうだ。
一方、材料的に見た場合、1月の製造業受注指数や同耐久財受注など、幾つかの米経済指標の発表や、ダドリーNY連銀総裁の講演などが実施される予定となっている。
また、それ以外では前述した「米国の鉄鋼、アルミニウムの輸入制限」や「NAFTAをめぐる動き」などにも要注意だ。前者について、先でも指摘したように楽観論が強いが、それを後押しするような発言や行動が実際に観測されることができるのか、そのあたりを是非とも注視したい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、105.50-106.80円。ドル高・円安方向は、一目の転換線も位置する106円半ばが最初の抵抗で、抜ければ需給的に重そうな107円台回復をトライする動きか。
対するドル安・円高方向は、昨日再び超えてきた106円レベルの攻防が注視され、割り込んだ場合は年初来安値105.24円が再び視界内に捉えられそうだ。(了)
オーダー/ポジション状況
関連記事
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2024.05.13
ドル円週間見通し GW急落の半値戻し手前で足踏み、戻り売り誘発の三度目介入あるか注目
仮に三度目の介入があれば直前高値から5円前後規模の下落となり5月3日安値151.85円を割り込む可能性もあると思われる。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:照葉 栗太
2024.05.11
来週の為替相場見通し:『介入限界論台頭でドル円急伸。市場の関心は再び日米金利差へ移行』(5/11朝)
ドル円は、5/3に一時151.87まで急落しましたが、今週は再び騰勢を取り戻し、週後半にかけて、155円台後半へと反発しました。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:田代 昌之
2024.05.10
東京市場のドルは156円台を意識、米政府高官のタカ派発言を期待か(24/5/10)
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、前日同様、じりじりとした上昇が続き、155円70銭台まで買われた。
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:編集人K
2018.03.07
北朝鮮の核放棄の可能性言及で円、ドルに売り(3/7朝)
昨晩の20:00過ぎに北朝鮮より帰国した韓国の特使は、韓国に北朝鮮と勧告は4月末に首脳会談を開催すると発表、
-
米ドル(USD)の記事
Edited by:上村 和弘
2018.03.06
ドル円 105円割れ回避 世界連鎖株安一服で戻す(3/6)
この関税問題が3月1日、2日のNYダウ大幅下落要因だったが、さすがに4日間の急落を過剰反応かもしれないとして2日は下ヒゲをつけて戻し、週明けもやや楽観を回復し、
-
みんなのFX トレイダーズ証券
みんなのFXはスワップもスプレッドも高水準!口座開設とお取引で最大1,010,000円キャッシュバックキャンペーン中!
取引は1,000通貨からOK、手数料も無料!eKYCで最短1時間後に取引可能
- 「FX羅針盤」 ご利用上の注意
- 当サイトはFXに関する情報の提供を目的としています。当サイトは、特定の金融商品の売買等の勧誘を目的としたものではありません。
- FXに関する取引口座開設、取引の実行並びに取引条件の詳細についてのお問合せ及びご確認は、利用者ご自身が各FX取扱事業者に対し直接行っていただくものとします。また、投資の最終判断は、利用者ご自身が行っていただくものとします。
- 当社はFX取引に関し何ら当事者または代理人となるものではなく、利用者及び各FX取扱事業者のいずれに対しても、契約締結の代理、媒介、斡旋等を行いません。したがって、利用者と各FX取扱事業者との契約の成否、内容または履行等に関し、当社は一切責任を負わないものとし、FX取引に伴うトラブル等の利用者・各FX取扱事業者間の紛争については両当事者間で解決するものとします。
- 当社は、当サイトにおいて提供する情報の内容の正確性・妥当性・適法性・目的適合性その他のあらゆる事項について保証せず、利用者がこれらの情報に関連し損害を被った場合にも一切の責任を負わないものとします。
- 当サイトにおいて提供する情報の全部または一部は、利用者に対して予告なく、変更、中断、または停止される場合があります。
- 当サイトには、他社・他の機関のサイトへのリンクが設置される場合がありますが、当社はこれらリンク先サイトの内容について一切関知せず、何らの責任を負わないものとします。
- 当サイト上のコンテンツに関する著作権は、当社もしくは当該コンテンツを創作した著作者または著作権者に帰属しています。
- 当社は、当社の事前の許諾なく、当サイト上のコンテンツの全部または一部を、複製、改変、転載等により利用することを禁じます。
- 当サイトのご利用に当たっては上記注意事項をご了承いただくほか、FX羅針盤利用規約にご同意いただいたものとします。