東京市場のドルは156円台を意識、米政府高官のタカ派発言を期待か
【本日の東京市場】
東京時間(日本時間8時から15時)のドル・円は、前日同様、じりじりとした上昇が続き、155円70銭台まで買われた。
昨晩の海外時間では、先週分新規失業保険申請件数が予想以上に前週から増加し、9カ月ぶりの高水準となったため年内の利下げ観測が強まり長期金利低下に伴いドル売りがやや優勢となった。また、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁がファンダメンタル的に労働市場が低迷した場合は行動が必要と発言したこともドルの重しとなった。
東京時間では、鈴木財務大臣が朝方「必要な時に適切な対応を堂々ととる」と発言したが、市場への影響は限定的。ドルは昨日同様、じりじりと上昇し156円台を意識したような動きを見せた。なお、朝方に伝わった23年度国際収支は25兆3390億円の黒字と1985年以降で過去最大となった。
ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:155円36銭
高値:155円77銭
安値:155円26銭
終値:155円63銭
ユーロ・円(日本時間8時―15時)
始値:167円55銭
高値:167円84銭
安値:166円42銭
終値:167円70銭
豪ドル・円(日本時間8時―15時)
始値:102円88銭
高値:102円94銭
安値:102円78銭
終値:102円85銭
ポンド・円(日本時間8時―15時)
始値:194円64銭
高値:195円00銭
安値:194円48銭
終値:194円84銭
日経平均(日本時間9時―15時)
始値:38361円79銭
高値:38741円88銭
安値:38126円91銭
終値:38229円11銭(前日比+155円13銭)
【本日の海外市場の重要指標】日本時間
20時30分、欧、ECB議事録(4月11日開催分)
22時00分、米、ボウマンFRB理事が講演
23時00分、米、ローガン・ダラス連銀総裁が講演
23時00分、米、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁が討論会に参加
23時00分、米、5月のミシガン大学消費者信頼感指数(速報値)、前回:77.2、市場予想:76.3
25時45分、米、グールズビー・シカゴ連銀総裁が講演
26時30分、米、バーFRB副議長が講演
27時15分、米、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁とグールズビー・シカゴ連銀総裁がCNBCに出演
※予定は変更することがございます。
【今晩の海外時間の見通し】
日足チャートでは、156円台乗せを意識した展開を迎えている。今晩の海外時間では米政府高官の講演が多く予定されていることから、「タカ派発言に伴い米10年債利回りの上昇→ドル買い」といった流れが期待されるところだ。一方、金利上昇は米国株式市場にはネガティブに捉えられる材料のため、史上最高値水準に迫っているナスダック指数からするとハト派を期待したいところだろう。
本日の東京時間14時に発表された4月の景気ウォッチャー調査は、現状判断が47.4と市場予想50.3、前回49.8をともに下回った。また、先行き判断も48.5と市場予想51.9、前回51.2をともに下回るなど「景気の実感としては弱い」と感じる労働者が多いことがはっきりした。内閣府は景気について「緩やかな回復基調が続いているものの、このところ弱さがみられる」という見方に下方修正しており、円安による物価上昇の影響が根強いことがうかがえる。
仮に日銀が円安をけん制する意味合いで金利を引き上げた場合、円安進行は止まるかもしれないが、景気そのものにネガティブなインパクトを与える可能性が十分考えられるので、「円安けん制の利上げ」は期待できない。
日銀は2006年の利上げ時を参考事例として慎重に判断するはずだ。当時は、06年7月に「おおむね0%」から「0.25%前後」まで引き上げ、翌2月に「0.5%前後」まで引き上げた。この年の8月、フランス大手金融機関BNPパリバ傘下のファンドが、サブプライム関連の証券化商品の市場混乱を受けて解約を凍結したことで世界は大混乱。その後の世界金融危機が起こる発端となった。
不運と言えば不運だったが、日銀は2008年10月に「0.5%前後」から「0.3%前後」への利下げに転じ、12月には「0.1%前後」まで引き下げた。2年と少しで利上げから利下げに変更したこの苦い思い出を教訓に、植田日銀総裁を筆頭に審議委員は慎重に利上げのタイミングを判断する。円安けん制も求められる状況下、日銀の苦しい対応は続く。こうした苦しい状況を見透かした投機筋は、円売りポジションを再度積み増すだろう。
今晩の海外時間もドルじり高を想定し156円台乗せをイメージする。上値メドは156円20銭、下値メドは155円30銭とする。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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