ドル上値トライも一服、基本は強保ち合いか
〇本日のドル円、155円半ば挟みの一進一退、明確な方向性がうかがえない展開
〇5/8の欧米時間以降155円台での一進一退で、上値は重いが下値も堅いという小康状態
〇円買い介入警戒もあり上値が重くなりつつあるが、下値も堅く155円が強いサポートになりつつあるか
〇欧米時間の予想レンジは155.10-156.20、ドル高・円安方向は156円レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向は、155.25レベルをめぐる攻防にまずは注目
<< 東京市場の動き >>
東京市場は一進一退。155円半ばを挟んだ取引で、明確な方向性はうかがえなかった。
ドル/円は155円半ばで寄り付いたのち、下値を試すも155.25円レベルまでで下値は堅い。その後は155円半ば挟みの一進一退で、明確な方向性はうかがえなかった。そうしたなか、本日も鈴木財務相から円安けん制発言が聞かれたものの、効果は限定的だったようだ。16時現在では155.65-70円で推移し、欧米市場を迎えている。
一方、材料的に注視されていたものは「英米金融政策」と「ガザ情勢」について。
前者は、発表された英中銀の金融政策において、現行金利は予想通りの「据え置き」。しかし、利下げを支持する委員会メンバーが2人に増えたことが明らかとなり、緩和開始に一歩近づく格好となった。また、ベイリー総裁も記者会見で、「数ヵ月内に利下げが必要になる公算が大きい」、「6月利下げを排除しない」などと述べており、市場では予想よりも弱気だったといった声も聞かれていたようだ。一方、米国はサンフランシスコ連銀総裁が、「インフレの動向には相当な不確実性がある」と発言したうえで、「利下げについては様子見モード」と述べている。
対して後者は、協議中から「難航」などといった悲観的な見解が取り沙汰されていた「ガザ停戦交渉」だが、結局合意に至らずに終了となった。イスラム主義組織ハマスは戦闘終結を含む休戦案を承諾したが、ガザ最南部ラファへの侵攻計画を進めるイスラエルは受け入れを拒否。最終的に交渉は決裂したようだ。そうした状況もあり、前日のバイデン米大統領に続き、昨日はカービー米大統領補佐官が改めて「侵攻が始まれば、バイデン大統領は決断を下さなければならない」と述べ、大規模侵攻が行われた場合、武器や弾薬の供給を停止する方針を改めて示したが、イスラエルの強固な姿勢は変わらなかった。
<< 欧米市場の見通し >>
ドル/円相場は足もと小康。実際、時間足など短期のチャートを見ると、8日の欧米時間以降は155円台での一進一退で、上値は重いが下値も堅いという様相を呈している。中長期で見た場合のリスクはドル高方向に高いものの、次の材料待ちと思われ、いましばらくはレンジ取引のなか、エネルギーを蓄積するという展開か。しかしドル高に放れ、156円そして157円へと向かえば、当局による円買い介入が再開される危険性もある。
日米を中心とした各国金融政策が注視されるなか、先でも取り上げたように世界の潮流は金利引き下げの方向だが、米国はなかなかその流れに乗ってこない。本日も引き続き発表される米経済指標ならびに要人発言に注目だ。まだ見解が分かれている「今年2度の米利下げ」見通しが強まるようだと、為替市場はドル売りで反応する公算が多いだろう。一方、それとは別に昨日停戦合意に至らなかったガザ情勢の行方を警戒する声もある。
テクニカルに見た場合、ドル/円は高値160.22円を起点とした下げ幅の半値戻し(156.05円)を前に上げ渋り。円買い介入警戒もあり、上値が再び重くなってきたようだが、一方で下値も堅く155円はなかなか強いサポートになりつつあるようだ。そうしたなか、移動平均では現在ドルの下支えに寄与している21日線が来週ついに155円台へと上昇すると見られており、一連の動きが注視されている。再び日足が下回り抵抗になるようだと、ドルの下値リスクが拡大する可能性もある。
本日は米経済指標として、5月のミシガン大学消費者信頼感指数速報や4月の財政収支発表が予定されているほか、シカゴ連銀総裁の講演など米通貨当局者の発言機会も多い。また、中国のデフレ状況を見極めるうえで、本日ではなく明日になるが同国の4月消費者物価指数などの発表を注視しているとの声も聞かれていた。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは155.10-156.20円。ドル高・円安方向はフィボナッチポイントに当たり、超えそうで超えられない156円レベルが最初の抵抗。抜けると156.28円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値に当たる155.25円レベルをめぐる攻防にまずは注目。ただ割り込んでも底堅そうで、目先の155円割れは予想しにくい。
ドル円日足
注:ポイント要約は編集部
オーダー/ポジション状況
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