ドル円155円台後半、米金利低下を尻目に再度の156円トライなるか
10日午前の東京市場でドル円は続落後に反発。朝方、155.48レベルで取引の始まったドル円は、前日海外時間に米金利の低下から下げた流れを受け、序盤は軟調に推移し、8時台に安値155.27をつけました。しかし、実需とみられるドル買いに仲値公表にかけ155円台半ばを回復。その後も底堅く、東京時間正午現在は155.75で取引されています。
日経平均株価は、昨晩米市場での金利低下からの主要株価指数の上昇に、買いが先行。上げ幅は一時600円を超えました。しかしその後は、利益確定売りや、一部の半導体関連銘柄の決算不冴えを材料とした急落等が重石となって上げ幅を縮小。237円高で午前の取引を終了しています。
昨晩海外市場では、発表された米新規失業保険申請者数が予想以上に悪化。雇用統計に続き労働需給の緩和を示す証左と受け止められ、米長期金利が急低下しました。ドル円も、日中のじり高推移が継続して、欧州時間と米国時間にそれぞれつけた155.95を高値に下落に転じ、155.47で東京時間につないでいます。
テクニカルにはドル円は、上記の通り、二度にわたり156円トライに失敗。同水準は、今回の高値160.17から二回の介入を経ての安値151.86までの下落の半値戻し(156.02)ともほぼ一致しており、ここを上抜けられずに反落したことで、やや地合いが悪化しています。また、本日転換線が基準線を下抜けようとしていることも、ドル買い地合いの勢いを削いでいます。
昨日は反応薄だったものの、前回日銀政策決定会合の参加者の主な意見は、当日の声明文や、植田総裁記者会見からは想像できない、タカ派的内容であったと言え、次回以降の政策決定会合で日銀が追加のアクションを取る可能性は高まっています。一方直近の米指標は雇用指標を中心に悪化しており、FRBパウエル議長のハト派的スタンスを踏まえれば、来週15日に発表予定の米CPIが不冴えだった場合など、米金利引き下げ先送り観測が一層後退し、ファンダメンタルズ面からも日米金利差縮小観測からドル上昇に歯止めがかかる可能性が出てきてます。
本日東京時間午前、ドル円は155円台後半を反発基調となっていますが、再び156円を試しに失敗した場合には、156円が壁として意識されることとなり、逆に上昇力が弱まることも予想され、午後以降の帰趨が注目されます。
ドル円日足
オーダー/ポジション状況
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