ドル円 次の方向性探る、目先はレンジ取引か(5/20夕)

週明けの東京市場はレンジ取引。しかし、それでも155円後半でドルは底堅かった。

ドル円 次の方向性探る、目先はレンジ取引か(5/20夕)

次の方向性探る、目先はレンジ取引か

〇本日のドル円、底堅く推移し156円を再びうかがうも届かず、16時現在155.70-75で推移
〇次の方向性をにらみつつ、しばらくは153.60-156.80レンジ内での一進一退が続く可能性も
〇テクニカルには依然ドル高基調だが、短期的には上昇一服か
〇155.30にある21日移動平均を日足がしっかり下回った場合、ドル高再燃リスクが後退しかねない
〇本日は目立った米経済指標の発表はないが、要人発言に注意
〇ドル高・円安方向、先週末に続き本日東京でも超えられなかった156円レベルが最初の抵抗
〇ドル安・円高方向、先週末安値で21日線も近くに位置する155.25をめぐる攻防にまずは注目
〇欧米時間のドル円予想レンジ:155.10-156.00

<< 東京市場の動き >>

週明けの東京市場はレンジ取引。しかし、それでも155円後半でドルは底堅かった。

先週末は、「イラン大統領らの乗ったヘリが山中で行方不明になった」と伝えられ物議を醸す。一方、ウクライナ大統領がインタビューで、フランスのマクロン大統領による今夏のパリ五輪期間中の戦闘停止の呼び掛けを拒否したと伝えられている。
そうした状況下、ドル/円は155.60円レベルで寄り付いたのち、日中安値の155.50-55円を示現。しかし、以降ドルは底堅く推移しただけでなく、先週末にトライするも超えられなかった156円を再びうかがう様相を呈したが、またもやとどかず。16時現在では155.70-75円で推移し、欧米市場を迎えていた。

一方、材料的に注視されていたものは「ロシア情勢」と「中国情勢」について。
前者は、ロシア国防省が「ハリコフ州で合計13集落を制圧した」と主張するなど、戦線においては一定の成果を挙げるなか、米財務長官が23日から外遊し、そのなか参加するG7財務相・中銀総裁会議では「ロシアの凍結資産活用を議論する」と伝えられ、一部で話題となっていた。ウクライナへ西側諸国からの武器支援がとどき始めるなか、資金面でも支援が決定されれば、流れが一気に変わるといった見方も取り沙汰されている。なお、そうしたなかゼレンスキー氏は、フランスのマクロン大統領による今夏のパリ五輪期間中の戦闘停止の呼び掛けを拒否。「プーチンを信用していない」と述べたうえで、「ロシア軍を利するだけ」と主張したという。

対して後者は、嫌がらせなのか違うのか、共同通信が「中国税関当局、日本の水産施設の登録停止」と報道。また、中国商務省による「日本をはじめとする米欧そして台湾の工業用樹脂にダンピング調査に着手した」との発表や、8日以来となる「中国船が尖閣諸島周辺で領海侵入」−−などの事象が相次ぎ報じられるなか、先の共同通信は別途「中国共産党高官、27日にも来日する方針で検討」と伝えていた。中国要人の来日を受け、日中国家間の冷え込み解消などを期待する声もあるが、先で取り上げたようにこの週末だけでも中国の問題行動は数多い。過度の期待は禁物という気もしている。

<< 欧米市場の見通し >>

足もとのドル/円相場は中段保ち合いの様相。ごく短期的には14日の156.80円で目先高値、16日の153.60円で同安値を示現した感もある。つまり次の方向性をにらみつつ、しばらくは153.60-156.80円というレンジ内での一進一退が続く可能性も否定できない。それでも敢えてリスクを指摘すればドル高だが、移動平均の21日線が週末にかけては155円半ばまで達することが予想されることが若干気掛かりだ。
為替市場は2週連続で発表される米経済指標や要人発言に翻弄された。予想よりも悪化した米指標は決して少なくなかったが、発せられる米要人発言は逆に総じて強気。米金融政策への見方も二転三転する展開で、金融市場も上下に振れる落ち着かない値動きをたどっていた。今週も基本的な流れは変わらず、引き続き発表される米指標や要人発言に一喜一憂しそうだ。また、中東地域における地政学リスクの高まり、情勢の不安定化を警戒する声も別途聞かれている。

テクニカルに見た場合、ドル/円は少し長いタームで見たドル高基調は依然として続いているものの、短期的には上昇も一服した感。154-156円を中心に、次の方向性を探る展開か。基本は一巡後再び上値を試す展開を予想しているが、移動平均の21日線がだいぶ水準を切り上げていることは気掛かり。足もとすでに155.30円まで達しているなか、日足がしっかりと下回ってしまうと、ドル高再燃リスクは後退しかねない。

本日はとくに目立った米経済指標の発表が予定されていない。先週は週間を通して発表される米指標が波乱要因となることが少なくなかっただけに、本日はやや動きにくい雰囲気もある。ただ、バーFRB副議長[銀行監督担当]の講演など、要人による発言機会は幾つか予定されており、そちらは一応要注意か。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは155.10-156.00円。ドル高・円安方向は先週末に続き本日東京でも超えられなかった156円レベルが最初の抵抗。超えれば14日高値156.80円が再び視界内に。
対するドル安・円高方向は、先週末安値で21日線も近くに位置する155.25円をめぐる攻防にまずは注目だ。ザラ場ももちろんのこと、NYクローズベースで引き続き上回れるか否かも注視されている。

次の方向性探る、目先はレンジ取引か

ドル円日足


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