ドル円 年初来安値が視界内 週末調整にも注意(3/2夕)

2日の東京市場は、ドル安・円高。先月16日以来の106円割れを記録し、年初来安値105.55円を視界内に捉えた値動きとなっている。

ドル円 年初来安値が視界内 週末調整にも注意(3/2夕)

<< 東京市場の動き >>

2日の東京市場は、ドル安・円高。先月16日以来の106円割れを記録し、年初来安値105.55円を視界内に捉えた値動きとなっている。

ドル/円は、106.20-25円で寄り付いたのち、しばらくは底堅い。106円台前半での揉み合いをたどるも、取引が始まった日経平均株価が前日比384円安と大幅安でスタートしたことが嫌気され、ジワリとリスク回避の動きが活発となった。一時106円割れも。
さらに、株価は下げ幅を拡大し、終値ベースでも500円安を超えたため、円買いムードは変わらず。夕方にはドル/円も下値を広げると、105.70円レベルまで値を下げ、年初来安値105.55円に接近する局面も観測されていた。16時時点では小度した105.85-90円で推移し、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたもののひとつは、本日も「日本の要人からの発言」。幾つか例を挙げると、麻生財務相は「為替についてコメントしない」と発言拒否、安倍首相からは「政府日銀で緊密連携し、あらゆる政策総動員する」、黒田日銀総裁による「必要あればさらなる緩和も検討」−−とのコメントが聞かれていた。
そのほか、「米vs露」あるいは「米vs北」「独vs露」、「日vs中」などの対立が取り沙汰され、それぞれ思惑を呼んでいたようだ。うち「独vs露」は、「ドイツ政府にサイバー攻撃」が行われ、この件について独メディアは「露が関与」と報道、また「日vs中」については「尖閣沖で中国海警局の船が領海侵入、政府は官邸対策室設置」との発表がなされている。

<< 欧米市場の見通し >>

先月20日以降、形成していた106.30-107.90円というレンジを、昨日NYから本日の東京時間にかけて底割れしてきた。ちなみに、昨年12月から今年1月にかけてみられた同様のケースでは、やはり2円程度のボックスを下方向に放れたのち、5円以上もドル安・円高が進行していただけに、多少の時間はかかるにせよ、さらなるドル安・円高の進行を予想する声が少なくないようだ。
一方で、材料的にはトランプ米大統領が発動を表明した「鉄鋼、アルミニウムの輸入制限」のほか、続く株安傾向なども円買い要因か。また、3月期末をにらんだ本邦実需筋の為替予約やリパトリエーションと呼ばれる国内への資金還流観測などの需給要因も、しばらくは円高を支援する要因となる可能性がある。

テクニカルに見た場合、前述したように短期のボックス圏を底割れしたこともあり、リスクは当然下方向。年初来安値である105.55円がターゲットとして、名実ともに視界内に捉えられていることは間違いない。なお、105.55円をも下回った場合には、105円レベルなどを目指す展開が予想されている。
ただ、昨日高値からだけで約1.5円、今週高値を起点とすれば2円程度すでに値を下げているため、本日は週末ということもあり、目先は一時的な調整が入ることを懸念する声も聞かれていた。

一方、材料的に見た場合、2月のミシガン大学消費者信頼感指数確報など米経済指標の発表が予定されているが、注目要因は正直やや乏しい。株価の動きなどに注目しつつも、若干動きにくい雰囲気か。
そうしたなか、トランプ米大統領が発動を表明した「鉄鋼、アルミニウムの輸入制限」の行方のほか、連日取り上げている「トランプ政権をめぐるゴタゴタ」は留まることをしらず、拡大の様相を呈していることは気掛かり。
なお、本日ではなく、週末ファクターになるが、「イタリア総選挙」ならびに「ドイツSPDが連立協定に関する党員投票の結果を公表」する見込みで、それらの結果次第で、来週初のユーロ相場は荒れ模様でスタートするかも知れない。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、105.50-106.70円。ドル高・円安方向は、東京高値の106.30円レベル、106円半ばなどが抵抗で、抜けた場合には107円を目指す展開となりそうだ。
対するドル安・円高方向は、東京安値の105.70円レベルの攻防にまずは注視。割り込めば、105.55円の年初来安値そして105円などがターゲットに。(了)

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