<< 東京市場の動き >>
27日の東京市場は、107円挟みの揉み合い。終日を通した値動きも30ポイントほどに留まるなど、目立った方向性は示せず。次の材料待ちといった様相だった。
ドル/円は、106.90-95円で寄り付いたのち、107円台を回復。107.10円レベルの日中高値を記録するもドル買いは続かなかった。その後は、積極的な動意が乏しくなり、おおむね107円挟みのレンジ取引に。日経平均株価が3日続伸、それも終値で200円以上上昇して大引けたが、為替市場への影響は限定的だった。16時時点では、106.85-90円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたもののひとつは、「幾つかの要人発言」。たとえば、NZ財務相から「強いNZドルは強い経済を反映」、ムニューシン米財務長官による「インフレが顕在化すれば懸念要因となる」との発言が聞かれたほか、北朝鮮に絡むものとして米国防総省報道官が「パラリンピック後に演習実施で米韓は合意」、菅官房長官から「北朝鮮、挑発行動を強行する可能性」とのコメントが発せられていた。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日、「形成しているレンジの下限106.50円をめぐる攻防注視」−−とレポートしたが、結局ドルは106.35-40円で下げ止まり、ボックス圏をやや下方向に広げただけに留まった。106-107円台でのレンジ取引がいまだ続いていることから、依然として足もとのボックス相場を如何にして、どちらの方向に抜けていくのか、その方向性が注視されている。
なお、そうした意味で、本日のNY時間は大いに注意が必要だろう。今週はただでさえ材料が少なくないが、なかでも最大の注目要因といえるパウエルFRB議長の議会証言が実施される見込みになっているためだ。発言を受ける格好で、ボックス相場をいよいよ放れていくことを期待する声も少なくない。
テクニカルに見た場合、前述したように過去1週間近く形成していた106.50-107.90円といったレンジが、106.30-107.90円と幾分拡大したが依然としてレンジ内に留まっている状況だ。また、期間をさらに狭めれば、先週末23日以降、ドルの上値は107.20円程度で、それも時間足などをみると、数回トライした上抜けをことごとく失敗している感が見て取れる。そうした意味では、ドルの上値は非常に重いイメージもなくはない。
いずれにしても、106.30-107.20円あるいは106.30-107.90円という、ボックスをめぐる攻防が引き続き注視されている。
一方、材料的に見た場合、1月の耐久財受注や2月の消費者信頼感指数といった米経済指標の発表が予定されているうえ、今週最大の注目材料であるパウエルFRB議長の議会証言が実施される見込みとなっている。また、それとは別にイエレン前FRB議長とバーナンキ元FRB議長が米ブルッキングス研究所主催のイベントで会談を行う予定とされ、そちらも一応要注意。
ちなみに、パウエル議長の証言については、先日FRBが公表した半期に1度の金融政策報告で示された「段階的な追加利上げが正当化される」というスタンスを踏襲した内容になるとの見方が有力だ。好感してNYダウが上昇すればドル高に反応する、などといった指摘も少なくない。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、106.20-107.70円。ドル高・円安方向は、時間足ベースなどで上値が重い107.10-20円が最初の抵抗で、抜けた場合には107.90円レベルのレンジ上限がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日記録した安値106.35-40円の攻防が注視されており、割り込めば106円割れ、105.55円の年初来安値が再び視界内に入ってくる。(了)
オーダー/ポジション状況
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