持ち直しの動きでパウエル議長の議会証言待ち(2/27)

パウエル議長は就任したばかりのため、市場に対して挑発的な姿勢ではなく、従来のスタンスを踏襲し、景気が拡大すれば利上げペースも拡大するかもしれないが現状では

持ち直しの動きでパウエル議長の議会証言待ち(2/27)

【概況】

2月16日安値105.546円から21日高値107.90円まで上昇したが、22日未明のFOMC議事録公開からは一段高へ進めずにイベント通過感から下落した。2月16日からは4日連続の日足陽線だったが、週後半は大陰線出現となり、勢いがやや削がれた。
26日は黒田日銀総裁の国会発言、ドラギECB総裁や米連銀副議長発言等もあったが、大きなきっかけにはならず、市場は27日24時のパウエル米連銀議長による下院議会証言待ちとなっている。22時半には証言原稿が公表される。

【パウエル米FRB新議長、下院証言】

パウエル議長は就任したばかりのため、市場に対して挑発的な姿勢ではなく、従来のスタンスを踏襲し、景気が拡大すれば利上げペースも拡大するかもしれないが現状では12月、1月のFOMC会合で示してきた姿勢を踏襲して市場を安心させるのではないかとの見方もされている。ただ、22日未明に公開された1月会合の議事録、最近の地区連銀総裁や副議長発言等を見ると、景気拡大によっては利上げペースを加速する可能性があることや、インフレ目標等の設定についても見直しの議論がある印象を与えているので、22日の議事録要旨以上に今後の金融政策姿勢が見えてくる可能性もある。
現状維持的でハト派ならドル安反応という解釈がある一方、市場が安心して株高反応ならリスクオンで円安ドル高という解釈もあるので、証言原稿に対する反応を見定める必要があるだろう。

【60分足 一目均衡表分析】

【60分足 一目均衡表分析】

2月23日未明、23日夜、26日夕刻と安値は若干切り下がってきた。一方で23日午後、26日朝と高値もやや切り上がっている。このため現状はレンジ拡張型の逆三角持合いという印象にある。26日午後安値から戻している現状では、26日朝高値を上抜いて107円台中盤へ戻す可能性があるが、議長証言前段階では高値切り上がりラインが抵抗となって戻り売りにつかまりやすいとみる。26日朝高値107.19円を超えられず、107円台を維持できないで106.80円割れしてくる場合は高値切り上げに失敗しての安値切り下げ試しへ向かう可能性があるが、議長証言前段階での106円台前半は買い戻しも入りやすいと見ている。

60分足の一目均衡表では22日夜の下落で遅行スパンが悪化したが、その後はレンジ拡張型の持合いとなっているため実線と交錯している。107.25円を上回る状況を維持し始める場合は遅行スパン好転の印象が強まるため、高値試しへ向かいやすくなるかもしれない。
22日夜に先行スパンから転落し、その後は26日朝、現状と先行スパン突破へ進めずにいる。先行スパン突破状況を維持し始めれば高値試しへ進みやすくなるが、106.70円割れの状況が続く場合は先行スパン突破への失敗感から安値試しへ向かいやすくなると思われる。

60分足の相対力指数は23日未明安値から26日午後安値にかけての間で指数のボトムが切り上がる強気逆行型を見せている。45ポイント以上を維持するうちは指数の逆行ラインが維持されるが、45ポイント割れの場合は逆行ラインを割り込むために下げ再開へ進みやすくなるとみる。

概ね3日から5日周期の短期的高値・安値形成サイクルでは、16日安値から5日目となる23日未明安値でボトムをつけたと思われるが、その後は安値更新の後に戻り高値切り上がりも見られるため、26日朝高値超えからは26日午後安値を直近のサイクルボトムとした上昇期に入る可能性もある。このため、26日朝高値を上抜き、その後も107円台を維持して続伸する場合は26日午後安値を直近のボトムとした強気サイクル入りとして27日の日中から3月1日にかけての間への上昇を想定する。ただし、26日朝高値を上抜けないか、いったん上抜いても26日午後安値106.37円を割り込む場合は下落期入りとして、次の安値形成期となる28日未明から3月2日朝にかけての間への下落を想定する。

以上を踏まえて当面のポイントを示す。
(1)夜のパウエル議長議会証言内容を見定める前段階では、107円を中心に前後0.30円のレンジ推移を想定する。
(2)26日朝高値を上抜き、107円台を維持し始める場合は21日高値107.90円試しへの上昇を想定する。議長証言からドル高円安が進む場合は108円台序盤への上昇を想定する。108円超えを維持できずにいったん0.50円規模の下落となりやすいと注意するが、21日高値を超える場合は16日からの上昇がN字型の二段上げへ発展するため、その後の安値も切り上がってくれば、先行きでは二段目の上昇を発展して108円台中盤へ戻す可能性も出てくるとみる。
(3)106.70円割れからは26日安値106.37円試しとし、底割れの場合は16日安値105.55円試しへ向かうとみる。またこのケースでは先行きに16日安値を割り込んで104円台後半へむけた一段安へ進みやすくなるとみる。(了)<9:55執筆>

【当面の主な予定】

2/27(火)
05:15 (米) クオールズFRB副議長、米経済見通し
06:45 (NZ) 1月 貿易収支 (12月 6.40億NZドル、予想 -1.00億NZドル)
19:00 (独) ワイトマン独連銀総裁、独連銀年次報告
22:00 (独) 2月 消費者物価指数 速報値 前月比 (1月 -0.7%)
22:30 (米) 1月 耐久財受注 前月比 (12月 2.8%、予想 -2.0%)
22:30 (米) 1月 耐久財受注・輸送用機器除く 前月比 (12月 0.7%、予想 0.3%)
22:30 (米) パウエル米FRB議長、議会証言原稿
23:00 (米) 12月 住宅価格指数 前月比 (11月 0.4%、予想 0.4%)
23:00 (米) 12月 ケース・シラー住宅価格指数 前年比 (11月 6.4%、予想
24:00 (米) パウエル米FRB新議長、下院証言
24:00 (米) 2月 リッチモンド連銀製造業指数 (1月 14、予想 15)
24:00 (米) 2月 消費者信頼感指数(コンファレンス・ボード) (1月 125.4、予想 126.0)

2/28(水)
08:50 (日) 1月 小売業販売額 前年比 (12月 3.6%、予想 2.3%)
08:50 (日) 1月 鉱工業生産 速報 前月比 (12月 2.9%、予想 -4.2%)
09:00 (NZ) 2月 NBNZ企業信頼感 (1月 -37.8、予想
10:00 (中) 2月 国家統計局 製造業PMI (1月 51.3、予想 51.2)
14:00 (日) 1月 新設住宅着工戸数 前年比 (12月 -2.1%、予想 -5.2%)
17:55 (独) 2月 失業率 (1月 5.4%、予想
19:00 (欧) 2月 消費者物価指数(HICP 速報)前年比 
22:30 (米) 10-12月期 四半期GDP、改定値 前期比年率 (速報 2.6%、予想 2.5%)
23:45 (米) 2月 シカゴPMI (1月 65.7、予想 64.0)
24:00 (米) 1月 住宅販売保留指数 前月比 (12月 0.5%、予想 0.5%)
24:00 (米) パウエル米FRB新議長 上院銀行委員会証言

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