<< 東京市場の動き >>
20日の東京市場は、ドル高・円安。上げ幅そのものは大きくなかったが、「早朝安・大引け高」で、ドルの強さが目に付いた。
ドル/円は寄り付いた106.55-60円レベルを日中安値にじり高推移。とくに夕方にかけて上げ幅を拡大させ、107円に一時迫る局面も観測されている。前日比94円安で寄り付いた日経平均株価が下げ幅を200円以上に拡大させたもののリスク回避の動きは限定的。それよりむしろ、米10年債利回りの上昇が材料視されていた感を否めない。
16時時点では106.90-95円の日中高値圏で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたもののひとつは、引き続き「北朝鮮情勢」。労働新聞が「米韓合同軍事演習が南北関係改善にダメージ与える」と報じるなか、韓国統一相から「五輪後の米韓演習に反対する考えはない」との発言、米シンクタンクによる「北朝鮮は核施設稼働へ進展、冷却水用のダムを建設」との発表が聞かれ、平昌オリンピック後の動きに対する警戒感がジワリ高まっていたようだ。
そのほかでは、茂木経財相による「もはやデフレとは言えない状況」、麻生財務相からの「外債含み損で金融機関が危機になっているわけではない」−−との発言なども一部で話題となっていた。
<< 欧米市場の見通し >>
引き続きドルは戻り歩調。大きな流れはいまだドル安・円高方向にバイアスがかかるものの、足もとは依然として調整局面だ。
なお、昨日も報じたように、1月8日に記録した年初来高値113.38円を起点と考えた場合でも、1ヵ月強のあいだに8円近い下げをたどっているにもかかわらず、ドルの反発は1.5円ほどに留まっているため、いま少しドルは戻っても不思議はないだろう。フィボナッチで見たレジスタンスである107円半ばレベルなどをターゲットにした、ドルの続伸にも一応要注意。
テクニカルに見た場合、足もとはドルが小高い。ただ、基調そのものが転換したわけではなく、飽くまでも年初来のドル安に対する調整局面と考えられている。
そんなドルの次の抵抗は、フィボナッチを参考に2月高値を起点とした下げ幅の23.6%戻し106.70円レベルを超えてきたことで、38.2%戻しの107.40-45円、一目均衡表の転換線が位置する107.65-70円などか。本日中届くことはないと思われるが、前述した下げ幅の半値戻しである108円程度までの戻りは想定しておく必要があるのかもしれない。
一方、材料的に見た場合、本日も目立った米経済指標の発表は予定されていないうえ、地区連銀総裁など当局者による講演も特別観測されていない。米財務省による2年債入札があるとはいえ、材料面からすると、あまり大きな値動きをたどる展開は予想しにくいだろう。
しかし、前述したように日経平均株価が200円を超える下げ幅を記録したほか、時間外で取引されているNYダウが60ドル台と小幅ながら下げていることが若干気掛かり。今月初めのような大荒れの様相をたどることは考えていないが、戻り歩調をたどっているNYダウが再び下落に転じれば、為替市場はリスク回避に傾斜する可能性もありそうだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、106.40-107.50円。ドル高・円安方向は、本日東京高値である106.95円レベルの攻防にまずは注視。抜けた場合には、フィボナッチで重要な107円半ばを目指す展開か。
対するドル安・円高方向は、東京安値も近い106.40-50円が最初のサポートで、割り込めば106円前後、年初来安値の105.55円が視界内に。(了)
オーダー/ポジション状況
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