<< 東京市場の動き >>
14日の東京市場は、ドル安・円高。ザラ場ベースでは、昨年9月安値の107.32円を割り込んだだけでなく、2016年11月以来の106円台を一時記録している。
ドル/円は107.75円レベルで寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。そのなかで、ドルは107.90円まで値を上げ、日中高値を示現している。
しかし、一時100円を超える上昇をたどっていた日経平均株価が値を崩し、マイナス圏に突入、逆に下げ幅が100円を超えたことなどもあり、ドル/円は高値を記録後に下落に転じると、結果として1円以上も値を下げた。昨年9月安値の107.32円を更新すると、2016年11月以来となる106.80-85円まで軟化。そのレベルではさすがに買いも入り、辛うじて107円台を回復すると、16時時点でのドル/円は107.15-20円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたもののひとつは、「トランプ米大統領の発言」。前日に、「中国、日本、韓国などあまりにも多くの国に対して多額の損を出している」としたうえで、報復関税の導入を示唆したことが話題となったが、それに続き今度は「対中貿易で制裁検討、米韓FTA破棄にも言及」、また日韓の防衛費について「ホンの一部しか払わないのは不公平」と発言したとされ、話題になっていた。
また、別に菅官房長官は、ドル安・円高が進行した為替相場の動きについて、「これからも注視していく」と発言している。
<< 欧米市場の見通し >>
予想を超えるスピードでドル安・円高が進行している。まだ、「しっかり」と抜けてきたわけではないが、2016年12月以降、過去1年以上も形成し続けてきた長期ボックス圏の下限を割り込んできた感を否めない。改めて、ドルの下方向にバイアスがかかりそうだ。なお、2016年安値の98.65円を起点とした上げ幅のフィボナッチ61.8%押しは106.30円で、取り敢えずは同レベルがドルのサポートに。
注意すべきは、日本サイドを中心とした要人発言、もう少しいえば円高阻止目的の口先介入だが、米国が「不公平」などと貿易問題を持ち出していることもあり、声高には言いにくそう。下げ足が急すぎるため、一時的な戻りは否定出来ないものの、戻りも限られそうだ。
テクニカルに見た場合、過去4年は、いずれも「年初をドル高の起点に下落してきた相場がおおむね2月半ばまでに底入れしている」という傾向がうかがえたが、今年はその経験則が通用しそうにない。むしろ、重要なテクニカルポイントを割り込んできた感もあることで、ドルは続落要注意だろう。
なお、短期的には一時的な戻りを予想する声も聞かれるが、それでも108円前後までの戻りが精々とみられている。
一方、材料的に見た場合、1月の消費者物価指数や同小売売上高といった重要な米経済指標の発表が予定されているほか、ムニューシン米財務長官が上院財務委員会で2019会計年度予算案について証言する見込みだ。後者については、株価や為替が荒れ模様となっているだけに、それらに何らかの言及した発言が出る可能性もある。
また、要人あるいは当局者による発言という意味では、欧州でバイトマン独連銀総裁やメルシュECB理事が講演を実施する予定であるため、そちらにも注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、106.60-108.00円。ドル高・円安方向は、東京高値も位置する107.90-00円の攻防にまずは注視。上抜ければ、転換線が位置する108.65-70円がターゲットに。
対するドル安・円高方向は、東京安値の106.80-85円が最初のサポートで、割り込むようだと前述したフィボナッチを参考にしたサポートである106.30円レベルが意識されそうだ。(了)
オーダー/ポジション状況
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