<< 東京市場の動き >>
8日の東京市場は、ドル高・円安。とくに夕方、引けにかけて上値を拡大させており、ドルの強さが目についた。
ドル/円は109.30-35円で寄り付いたのち、しばらくはドルが冴えず、109.10-15円まで軟落。しかし、切り返すとドルは夕方にかけて109.80円近いレベルまで値を上げている。注目の日経平均株価が前日比76円高で寄り付いたのち上昇、大引けは同245円高となりドル買い・円売りを後押ししていた面もあったようだ。
結局、16時時点でも、そのままドルは日中高値圏である109.70-75円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたもののひとつは、幾つかの「要人発言」。トランプ米大統領がツィッターに「経済好調なのに株安は大間違い」と投稿したほか、ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁からは「緩やかな利上げという見通しを維持」との発言が聞かれた反面、トルドー加首相は「北米自由貿易協定、悪い合意ならない方がまし」、黒田日銀総裁による「現在の強力な金融緩和を粘り強く続ける」−−との発言も別に報じられていた。
そのほかでは、引き続き「北朝鮮情勢」が話題に。朝鮮中央通信が北朝鮮外務省局長の発言として「訪韓代表団、米側と接触する意向なし」と報じるなか、「北朝鮮、金委員長らが出席し軍事パレードを実施」とのニュースが伝えられている。
<< 欧米市場の見通し >>
週初5日に記録した日米などの株価暴落は一服した感があるものの、地合いはいまだ不安定。昨日のNYや本日東京の株式市場も上下の振れ幅は大きく、依然として予断を許さない。引き続き株価が軟調に推移する可能性も残っている。
そうしたなか為替市場は、基本的に株価にらみの値動きか。また、昨日に続き本日もFRB幹部などによる講演が複数予定されていることもあり、それらには要注意。ただ、乱高下はありそうだが、値動きそのものはレンジ内に留まるとの見方も少なくないようだ。
テクニカルに見た場合、値動き自体は荒っぽいが、ここ2日ほどのレンジを見ると108.90-109.80円で、実は1円にも満たない。また、先月末以降で考えても形成レンジは108-109円台を中心とした2円程度のレンジ取引だ。短期的には、再び方向性を欠いた値動きとなっていることは間違いないだろう。
昨日報じたように、経験則からすると「過去の冬季オリンピック開催期間は総じて小動きになることが多い」なか、まずは前述したレンジの放れるタイミングと方向性に注意を払いたい。
一方、材料的に見た場合、目立った米経済指標の発表が予定されていないなか、本日は米国だけでなく、世界各国で要人の発言機会が見込まれている。
一例を挙げると、欧州ではバイトマン独連銀総裁やプラートECB理事、米国ではカプラン・ダラス連銀総裁、ハーカー・フィラデルフィア連銀総裁などのほか、ロウ豪中銀総裁やウィルキンス・カナダ中銀上級副総裁による講演も行われるという。各国・地域の経済や物価情勢などはそれぞれ異なるが、世界的な通貨安競争の流れもうかがえるうえ、株価やビットコインを中心に金融市場が荒れているだけに、関連コメントが発せられても不思議はない。要人発言を受けた思わぬ変動にも一応要注意。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、109.00-110.20円。ドル高・円安方向は、昨日高値ならびに本日の高値でもある109.70-80円が最初の抵抗で、抜ければ110円台回復も。移動平均の25日線が位置する110.35-40円がターゲットか。
対するドル安・円高方向は、本日の東京安値で109.10-15円や昨日安値108.90-95円などが目先のサポート。割り込めば、108.45円や108.28円などが視界内に捉えられそうだが、そこまで崩れるイメージは正直乏しい。(了)
オーダー/ポジション状況
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