NZ中銀の金融政策結果
本日、NZ中銀はキャッシュレート(中銀政策金利)を現行の1.75%に据え置きを決定しました。エコノミスト予想通りの結果です。
要旨内容で先行き見通しは前回会合(11月)とほぼ同じ内容となっていますが、今回は直近のGDPを幾分下方修正し、またNZ新政権発足による新規経済政策の効果が2019年以降に表れると修正しています。
NZドル/米ドルは金融政策発表前に0.7215〜20米ドル付近で推移していましたが、公表後は0.7250米ドル付近までNZドル買いとなり、現在は0.7210〜15米ドル付近で推移しています。
昨日の段階で0.7310米ドルのサポートを切れて、予想通りの現状維持で買戻し、若干弱い要旨内容に、再度戻りを売った形になっています。
昨日0.7310サポート切れ後、次のサポート0.7260米ドルも切れたので、現在はここが抵抗線になっています。当面の下値サポートは0.7190、0.7150米ドルにあります。週初に一本調子のNZドル高トレンドのサポート下抜けでNZドル高からの調整になっていましたが、この地合いを継続しており、依然NZドルは弱い状態です。このNZドル安と断ち切るには、最低でも上値0.7310米ドルを越えことが必要になります。(2月8日10:30、1NZドル=0.7210米ドル)
中銀の要旨は以下となっています。
(中銀声明要旨)
理事会は本日、オフィシャルキャッシュレートを1.75%のまま据え置いた。
世界経済の成長は引き続き改善を続けている。世界のインフレは低いままである一方、幾つかの上昇圧力サインがでている。農業品価格は弱いにも関わらず、商品価格は上昇している。11月以降、世界の国債イールドも上がっている。しかしながら、まだ相対的には低いままである。株式市場は強いが、最近ボラティリティが上昇してきた。先進国の金融政策は依然緩和基調であり、その姿勢が徐々に減っている。
為替は11月の会合以降は堅調に推移した。その大半は米ドルが弱いことにある。我々は貿易加重平均が今後の想定期間内では弱くなると仮定している。
GDP成長は2017年の下半期に軟化した。しかし先行きは強いと予想している。この要因は緩和基調の金融政策、強い貿易、政府支出、そして人口増である。労働市場は引き続き引き締まっている。11月の会合時と比較して、成長地合いは目先弱くなっているが、中期では強くなると予想している。
中銀は政府の経済策HYEFU(注:HYEFUは政府の半期経済財政アップデートを意味し、新政権は昨年、新たな財政支出、KiwiBuild programme(10万戸の高品質住宅の建設)、入国ビザの厳格化、財政刺激策の増加などを公表しています。尚、要旨の文中にはこの括弧内の記述はありませんので注意お願いします)に関し、GDPへのインパクトに対して見直しした。これら政策のネットのインパクトは直近では下方に修正した。KiwiBuild programmeは2019年から貢献すると見られる。
住宅価格インフレは過去数ヶ月で幾分上昇した。しかし、住宅借入の伸びは引き続き緩やかな伸びになっている。
年率ベースの12月CPIは予想を下回る1.6%だった。これは製造業価格の弱さが影響している。原油や食品価格は最近上昇した一方で、貿易品のインフレは先々も含めてまだ低いままである。非貿易品は緩やかに上昇している。しかし上昇する稼働率に準じた伸びに留まっている。全般的に、CPIインフレは中銀目標値の中央に向かって上昇していくと予想している。長期のインフレ見通しは2%前後である。
金融政策はまだ暫くの間、緩和基調を続けるだろう。幾つかの不確実性が残され、金融政策によりこれを調整していくことになる。
(以上)
(注)NZ中銀金融政策会合要旨は一部を和訳したものであり、詳細は金融政策要旨本文をお読みください。
次回の金融政策は2018年3月22日に予定されています。
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