<< 東京市場の動き >>
26日の東京市場は、ドル安・円高。昨日NY終盤の流れを継ぎ、当初はドル買いが優勢だったが、続かなかった。
ドル/円は109.40円レベルで寄り付いたのち、しばらくはドルがじり高推移。109.75-80円の日中高値を記録したものの、110円の大台回復には至らず、その後は逆にドルがじり安となった。
ドルは対円以外、ユーロやポンド、豪ドルなどに対しても弱く、ほぼ全面安といえる展開に。ドル/円は寄り付きレベルを下回ると、結局、16時時点では109.15-20円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたもののひとつは、引き続き「米国の為替姿勢」に関する思惑など。一昨日にはムニューシン財務長官が「ドル安は貿易にとって好ましい」との認識を示したのに対し、昨日はトランプ大統領が「最終的にわたしは強いドルを望んでいる」と正反対のコメントを示し、様々な物議を醸していた。なお、そうしたなか日本サイドからは、麻生財務相「米財務長官のドル安容認発言についてはコメントしない」、黒田日銀総裁「為替はファンダメンタルズを反映すべき」−−との発言が聞かれている。
また別に、聯合ニュースが「北朝鮮は大規模な軍事パレードを準備」、ブルームバーグは米合同参謀本部幹部の発言として「五輪終了と同時に軍事演習再開」などと報じ、北朝鮮情勢も話題となっていたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
前述したように、米財務長官が「ドル安容認」コメントを発したのに対し、米大統領は「ドル高容認」コメントを発するなど、米要人の発言が相場のかく乱要因となっていることは間違いない。そうした意味において、本日ダボス会議で実施される予定のトランプ大統領の講演には要注意だ。トランプ氏は、昨日別に「米国にとって条件が大幅に改善されるなら、TPP交渉に復帰することも検討」と発言したとされるなど、通商政策について強固な一面を持っていることは言うまでもない。ドル買い安心感を醸すような発言が果たして出るのかどうか、その内容には十分は注意を払いたい。
週末ということで、週足の観点からテクニカルに見た場合、109.10円レベルに位置する一目均衡表の先行帯の雲の下限に、週足が絡む値動きとなっている。ちなみに、前回、週足ベースで雲の下限を割り込んだのは昨年9月、107.33円を記録した際。ただ、そのときには、翌週にアッサリと雲の下限を回復するなど、「ダマシ」に終わっていた。ともあれ、今回もまずは一目の雲の下限をめぐる攻防にまずは要注意か。
それに対して上方向は、心理的な抵抗である110円の回復があるかどうかが注視されている。ただ、仮に上回っても111円台には複数の抵抗が位置するなど、ドルの上値は重いとの見方が多い。
一方、材料的に見た場合、10-12月期のGDP速報をはじめ、幾つかの米経済指標が発表されるほか、米企業の決算発表なども予定されている。
しかし、もっとも注視されているのは、やはりダボス会議で実施される「トランプ米大統領の講演」だろう。時間は「日本時間22時ごろから」とされている。市場では保護主義的な発言への警戒が根強く、足もとのドル高を抑制している感があるものの、それほど強いトーンが示されなければ一転してドル買いが進む可能性も取り沙汰されていた。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、108.50-110.00円。ドル高・円安方向は、本日の東京高値に当たる109.75-80円の攻防をまず注視。抜ければ、110円回復が視界内に。
対するドル安・円高方向は、109円前後に弱いサポートが位置するものの、強いサポートとなると直近安値の108.50円か。そのレベルも下回ると、昨年9月安値107.32円が薄らとだが視界内に入ってくる。(了)
オーダー/ポジション状況
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