<< 東京市場の動き >>
週明け15日の東京市場は、ドル安・円高。前週末のNYクローズでは辛うじて維持をした111円をしっかりと下回っただけでなく、昨年11月安値の110.84円を一時割り込む局面も観測されていた。
ドル/円は111.05-10円で寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。底堅い値動きとなったが、先週末安値の110.90円レベルを下回ったあとは一気に値を崩し、11月安値110.84円を下回ると日中安値の110.55-60円まで値を下げた。
そのレベルではさすがに買いも入り下げ渋るも上値はすでに重く、111円台は回復できず。16時時点では110.80-85円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料的に注視されていたもののひとつは、「アジア情勢」。南北朝鮮の協議が開催され「北朝鮮楽団の訪韓が議題になった」と報じられるなか、「中国海警局船3隻が日本領海に侵入、政府が官邸対策室設置」「ドイツ連銀、人民元を準備通貨に加えることを決定」「ジャカルタ取引所で避難、床が崩れる、原因は不明」「谷内国家安全保障局長がマクマスター米大統領補佐官と会談し、北朝鮮情勢について意見交換」−−などといったニュースも次々と聞かれていた。
<< 欧米市場の見通し >>
今月8日の直近高値から1週間で3円近くドルは下落してきた。下げ幅としては、それほど大きくないが、次々に重要なテクニカルサポートを下回っており、基本的なリスクはドル安方向。さらなるドル安の進行には注意が必要かもしれない。
ただ、目先のターゲットとしていた11月安値の110.84円を割り込んできたことで、目先的には一種の達成感も。一時的な動きと予想しているが、短期的には調整的なドルの買い戻しにも注意が必要かもしれない。
テクニカルに見た場合、先週は一目均衡表では先行帯の雲が50ポイント以下になるような状況下、日足が一気に雲の下限を下放れる展開となった。その後も、移動平均の200日線などサポートを次々と割り込むなど、ドルの弱さが際立つ格好と言えよう。
ちなみに、そんなドルの次の下値メドは昨年9月安値107.32円を起点とした上げ幅のフィボナッチ61.8%押しに当たる110.15円レベル。割り込むようだと、名実ともに110円割れが視界内に捉えられそうだ。
一方、材料的に見た場合、本日はNYが「キング牧師生誕記念日の祝日」となることもあり、米経済指標の発表など、目立った材料は予定されていない。そうした意味では、大きく動き動く展開は予想しにくいだろう。しかし、時間外で取引される米株の動きや、ドイツ連立協議の行方をにらみつつ対ユーロでのドル買い戻し度合いなどによっては、ドル/円もさらに買い進まれる可能性が取り沙汰されていた。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.40-111.50円。ドル高・円安方向は、本日東京高値の111.20円レベルが最初の抵抗で、抜ければ移動平均の200日線が位置する111.70円レベルがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の110.55-60円をめぐる攻防がまずは注視されており、割り込むようだとフィボナッチで見たサポートである110.15円レベルを目指す展開か。(了)
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