今週の週間見通し
先週のドル円は、火曜の日銀買いオペ減額、その後否定されたものの水曜の中国の米国債購入減額検討、金曜のドイツ連立協議基本合意と円高、ドル安、ユーロ高と材料全てが円高方向の動きへ包囲する格好となりました。こうした日替わりの材料によって金曜には110円台と11月27日以来の水準へと下げることとなりました。
今週は目立った材料こそ無いものの、ポジション的には高水準の円売りが続く中(9日時点のシカゴ通貨先物では125,536枚と前週から更に円売りが増加)、ポジション調整による円買い戻しも円高の動きを手伝ったと考えることが出来ます。
また、これまではドイツの連立協議が不透明だったことからユーロ売りの動きもドル円の下支えになる面もありましたが、かなり基本的に合意とかなり前進したことから、ユーロが3年ぶりの高値圏となったことも当面のドル売り材料となりそうです。
ドル円の場合、昨年は年間を通してのレンジも狭かったことから、このまま一方向にドル安・円高ともなりにくいのですが、当面は11月安値の110.84をトライし、さらに一段の円高を見込む動きになってくると考えられます。テクニカルな面から、今後のターゲットを探ってみます。
日足チャートをご覧ください。
これまでのもみあいを明確に下抜け11月安値に並んできたのが今週初の状態です。昨年の安値107.32とその後の高値114.73のフィボナッチリトレースメントを見ると、半値押し111.03は既に下抜けしましたので、次のターゲットは61.8%押しの110.15とほぼ大台の110円と重なります。また78.6%(61.8%の平方根)押しは108.91とおよそ109円近辺となっています。
また、114.73の高値を起点に11月安値110.85への押し、その後の12月高値113.75への戻しを逆N波動と考え、ここからフィボナッチエクスパンションを計算すると、78.6%エクスパンションが110.69、100%エクスパンションが109.86と、先ほどの110円の大台と重なる水準、そして127.2%(161.8%の平方根)エクスパンションが、108.80とこちらも先ほどの水準と重なります。
テクニカルには110円前後と109円前後が今後のターゲットとなってくると言えそうです。いっぽうで上値は112円近辺の強かったサポートが現状ではレジスタンスとなってきたことから上値の限界は112円近辺となりますが、既にかなり遠い印象で111円台半ばから上では売り遅れている向きがオーダーを入れて来ると予想されます。
今週は、111.80レベルをレジスタンスに、109.50レベルをサポートと、ユーロに遅れてドル円でももう一段の円高を試す一週間を見ておきます。
ドル円(日足)チャート
このチャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみを平均足と同様とすることで、短期的な方向性(白=上昇、黒=下降)を見やすくした独自チャートとなっています。また、一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。
今週の予定(時刻表示のあるものは日本時間)
今週注目される経済指標と予定をあげてあります。影響が少ないものはあえて省いています。FRB地区連銀総裁講演の内、2018年FOMCメンバー(ニューヨーク、クリーブランド、リッチモンド、アトランタ、サンフランシスコ)ではない地区連銀総裁はカッコ付で示しました。また、わかりやすさ優先であえて正式呼称で表記していない場合もあります。
1月15日(月)
**:** NY市場休場
16:00 トルコ10月失業率
19:00 ユーロ圏11月貿易収支
1月16日(火)
16:00 ドイツ12月CPI確報値
18:30 英国12月CPI、PPI
22:30 米国1月NY連銀製造業景況指数
**:** 本日から米銀10〜12月期決算発表続く
1月17日(水)
17:55 オーストリア中銀総裁講演
19:00 ユーロ圏12月CPI確報値
19:00 ユーロ圏11月建設支出
20:00 南ア11月小売売上高
23:15 米国12月鉱工業生産、設備稼働率
24:00 米国1月NAHB住宅市場指数
28:00 ベージュブック
29:00 (シカゴ連銀総裁講演)
30:30 クリーブランド連銀総裁討論会
1月18日(木)
09:30 豪州12月失業率
11:00 中国10〜12月期GDP
11:00 中国12月鉱工業生産、小売売上高
17:15 ドイツ連銀総裁講演
**:** 南ア政策金利発表
20:00 トルコ政策金利発表
22:30 米国新規失業保険申請件数
22:30 米国12月住宅着工件数、建設許可件数
22:30 米国1月フィラデルフィア連銀製造業指数
22:30 クーレECB理事講演
25:00 米国週間原油在庫
30:30 NZ12月企業景況感
1月19日(金)
18:00 ユーロ圏11月経常収支
18:30 英国12月小売売上高
24:00 米国1月ミシガン大消費者信頼感指数速報値
前週の主要レート(週間レンジ)
始値 高値 安値 終値
ドル円 113.16 113.39 110.92 111.03
ユーロ円 136.22 136.33 133.08 135.50
ユーロドル 1.2038 1.2218 1.1916 1.2204
日経平均 23948.97 23952.61 23588.07 23653.82
(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時?NY午後5時のインターバンクレート。
前週の概況
1月8日(月)
東京市場は休場となったものの、改めてリスクオンの円売りとなり欧州市場が始まる前に113.39レベルと金曜高値を上回りました。しかし、株価に売りが入ったこと、また113円台半ばでは12月同様まだ売りオーダーが残っていることから、その後はじり安の展開を辿り安値112.88レベルへと水準を下げた後に、113円台に戻して引けました。
1月9日(火)
仲値後の日銀買いオペが減額されたことから、長期金利が上昇し為替も113.15レベルから112.50レベルへと円高へ振れる動きを見せました。その後は米金利も上昇したことから欧州通貨を中心にドル買い戻しが入り、欧州市場序盤には113円目前まで上げたものの再び円高の動き。NY市場前場には112.37レベルまで下押し後、引けにかけてはやや戻してのクローズとなりました。
1月10日(水)
ドル円は続落しました。東京市場では前日の日銀買いオペ減額が尾を引いて朝方から売りが先行、前日安値を割り込んだ後も上値の重たい展開が続きました。欧州市場に入り直近のサポートとなっていた112円を割り込むと下げ足を速め、さらに中国が米国債購入の減額を検討しているとのニュースに一段安、111.27レベルと11月28日以来の安値をつけました。NY市場では上値は重たいものの東京前場から1円50銭もの下げ幅となっていることもあり、111円台半ばでもみあってのクローズとなりました。
1月11日(木)
東京市場ではじり高の展開となり、後場には中国の米国債購入減額を否定する発言も出たことから111.88レベルまで戻しました。しかし、海外市場に移ってからは再びドル売りの動きとなり、NY市場に入り発表されたPPIがマイナスとなったことも重なり前日安値を下回ると111.04レベルの安値をつけた後に若干戻しての引けとなりました。
1月12日(金)
東京市場では値幅は狭いものの底堅い展開を続けていましたが、欧州市場に入りユーロが急伸する動きにつられて一時110.92レベルの安値を付けました。しかし、NY市場に入り発表されたCPIが強かったことからドル円は反騰111.70レベルの高値をつけました。しかし、ユーロ買いが止まらず1.22台に乗せる動きにともない、ドル円も111円近辺での引けとなりました。
ディスクレーマー
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オーダー/ポジション状況
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