ドル円 レンジ下放れ、ドル続落に要注意か(1月第三週)

先週のドル/円相場は、ドル安・円高。過去1ヵ月以上もレンジの下限として下支えてしてきた112円レベルをしっかり割り込むと、

ドル円 レンジ下放れ、ドル続落に要注意か(1月第三週)

<< 先週の回顧 >>

先週のドル/円相場は、ドル安・円高。過去1ヵ月以上もレンジの下限として下支えてしてきた112円レベルをしっかり割り込むと、一時110円台をつけるなどドルの弱さが目に付いた。

東京が休場となった週明けの為替市場は静かなスタート。113.10-15円で寄り付いたのち、しばらくは揉み合いとなった。
しかし、徐々に下値を切り上げる展開となり、重要な攻防の分岐点である112円レベルを割り込むと、ドルはさらに続落。なし崩し的な下げから、週末には週間安値である110.92円まで値を下げる局面も観測されている。さすがに、そのレベルでは買いも厚く、111円台を回復したものの、すでに上値は重い。結局、週末NYは111.00-05円と週間を通したドルの安値圏で大引け、越週している。

一方、週間を通した主な材料のひとつは、「北朝鮮情勢」。9日に閣僚級の南北会談が実施されるなか、「北朝鮮は平昌冬季五輪に合同応援団派遣の意向」「韓国は北朝鮮に軍事当局者間の対話再開を提案」−−との報道が観測されていた。それに対し、小野寺防衛相がハリス米司令官と会談するなかで、「米韓軍事演習は五輪後に実施」、北朝鮮に圧力をかけ続ける方針が確認された、とのニュースも別に報じられている。
また、それとは別に、「バノン前米大統領首席戦略官によるトランプ政権の暴露本発行」に関するニュースや発言、「米国が北米自由貿易協定(NAFTA)離脱する」との思惑、ブルームバーグによる「中国による米国債投資減」報道なども、折につけマーケットで話題を集めていたようだ。

<< 今週の見通し >>

昨年12月以降、大雑把に見たレンジ112.00-113.80円の下限を、ついに先週下回ってきた。いわゆる「ダマシ」の可能性もないではないが、基本的なリスクは下方向に高いとみて間違いなさそうだ。テクニカルには、昨年11月安値である110.84円をめぐる攻防が注目されており、そのレベルも下回ると、昨年9月15日以来となる110円割れが視界内に捉えられよう。ドルは大幅続落の危険性も秘めている。
なお、経験則からすると、ドル/円は年初1月に「年間の天底」をつけることが多い。実際に2015年は1月に「年間最安値」、2016年と昨2017年は逆に「年間最高値」を記録していた。ヒョッとすると、「今年も!?」という可能性を捨てきれないだろう。

先週レポートしたように、テクニカルに見た場合、「移動平均や一目均衡表における主要線がきわめて狭い範囲内に密集してきた」−−ことは、やはり保ち合い放れのシグナルだった。前述したように、先週末にかけて重要テクニカルサポートの112円をしっかりと下回っている。
そんなドル/円、週足・一目均衡表では、1ヵ月以上もNYクローズでは上回っていた先行帯の雲の上限(111.70-75円)を割り込んでくるなど、別のチャートで見ても下値リスクが高まってきた感を否めない。一本調子ということではないだろうが、時間を掛けつつ週足・一目の雲の下限が位置する109.10円レベルをターゲットに、続落する展開などにも注意を払いたい。

一方、材料的に見た場合、週の半ば以降に発表される12月の鉱工業生産や同住宅着工件数などの米経済指標や、今週から本格化する米企業の決算発表、19日に期限切れを迎える米暫定予算の行方などにまずは要注意。
また、それ以外では黒田日銀総裁の去就、総裁人事が注目を集めるなか実施される、15日の定例日銀支店長会議も何気に注意である気がしている。強い調子で出口戦略が否定されたりするようだと、足もとの円高傾向に冷や水を浴びせることになるかもしれない。

そんな今週のドル/円予想レンジは、109.80-112.50円。ドル高・円安については、前述したように先週割り込んできた週足・一目の雲の上限が位置する111.70-75円、移動平均の52週線が位置する111.90円レベル、112円前後など、テクニカルポイントが多く、頭も重そうだ。
対するドル安・円高方向は、昨年11月安値の110.84円が手に届く、現実的なサポートとなってきた。割り込めば110円ちょうど、週足・一目の雲の下限が位置する109.10円レベルなどがターゲットに。(了)

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