ドル円 もみあい継続も上限に近い(週報1月第二週)

先週のドル円は、東京市場が3日まで休場だったこともあり東京勢はこの3連休明けからのスタートという感じが強かったのですが、

ドル円 もみあい継続も上限に近い(週報1月第二週)

今週の週間見通し

先週のドル円は、東京市場が3日まで休場だったこともあり東京勢はこの3連休明けからのスタートという感じが強かったのですが、クリスマスかけから実質的に新年入りとなっていた欧州勢を中心にユーロ買いが年初はドル安でのスタートとなりました。しかし、その後は世界的に強い株価に支えられリスクオンの動きに。東京の大発会での株価も大幅高でのスタートととなり、週末雇用統計を前に113円台前半まで円安が進みました。雇用統計は予想より弱かったものの影響は少なく、ドルが底堅い年明け第1週となりました。

今週は月曜こそ東京が休場ですが、いよいよ市場参加者も本格的に戻り動意づいてくると考えられますが、材料的には2018年のFOMCメンバーとなる地区連銀総裁講演が週初から目立ち、またNY連銀を含めた主要地区連銀の経済見通しも発表されます。既定路線では3月が最初の利上げという流れになりそうですが、今週も含めて大幅に入れ替わる2018年のFOMCメンバー見通しがどうなっているのかが米金利の動きに影響を与え、それが為替に影響を与えそうです。

また、今月からECBによる債券購入額は300億ユーロへと減額されますが、9月以降の動きについて前回のECB’理事会の議事要旨とドイツ連銀総裁講演から思惑が出て来る可能性があります。既にユーロ高の動きとなっていますが、ユーロ圏債券の金利上昇が要因のひとつとされていますので、ユーロ高から来るドル売り円買いとリスクオンから来る円安との綱引きがどうなるかが、短期的には市場参加者が気にしてくるところです。

さて、それ以外はあまり目立った材料はありませんが、昨日のWSJにホワイトハウスが北朝鮮に(核実験施設等への)限定的な空爆が可能かどうかを検討しているとの記事が出ました。いっぽうで北朝鮮と韓国との南北会談が9日に実施されます。おそらくは、この会談に向けての米国による圧力とも取れますが、トランプ大統領も金正恩も何を考えているのかわからない点もありますし、チキンレースがどこかで暴発するリスクもあるだけに、改めて北朝鮮問題が影を落としやすい週となりそうです。

テクニカルにはどうでしょうか。日足チャートをご覧ください。ここ1か月ほど動きも乏しいので、今週はやや拡大したチャートとしました。

ポートサイドはきれいに水平線の水準で止められ、いっぽうレジスタンスサイドはやや高値を切り下げる動きとなっています。ピンクのレジスタンスラインで示した水準(今週は113円台半ばを低下中)がレジスタンスになっていると考えることができます。

サポートサイドは12月6日安値(111.99)から、レジスタンスサイドは12月12日高値(113.75)から、それぞれ青い水平線を引いてありますが、サ

ただ、ピンクのレジスタンスまでの距離はかなり少なく、どちらも大きくは水平線の上下を超えて来ない限り明確なトレンドは出にくいと見ていたほうが良さそうですが、ポジション的には着実に円売りが膨らんできていること(シカゴの円先物は2日現在で121,766枚の円売り)を考えると、ここから円売りで仕掛けるよりは、ポジション調整による円買いの方が出やすいと見た方が自然です。

株価の動きと北朝鮮情勢を見極めながらも現在はもみあいレンジの上限に近いという認識でいたほうが良いと思います。今週も112.00レベルをサポートに、レジスタンスラインが位置する113.30レベルをレジスタンスとする週を見ておきますが、先週同様下に動きが出てきたときにはより注意が必要と言えます。

ドル円(日足)チャート

ドル円(日足)チャート

このチャートは、ローソク足の足型をそのままに陰陽の着色のみを平均足と同様とすることで、短期的な方向性(白=上昇、黒=下降)を見やすくした独自チャートとなっています。また、一目均衡表を併せて表示することで上下のチャートポイントもわかりやすく示しました。

今週の予定(時刻表示のあるものは日本時間)

今週注目される経済指標と予定をあげてあります。影響が少ないものはあえて省いています。FRB地区連銀総裁講演の内、2018年FOMCメンバー(ニューヨーク、クリーブランド、リッチモンド、アトランタ、サンフランシスコ)ではない地区連銀総裁はカッコ付で示しました。また、わかりやすさ優先であえて正式呼称で表記していない場合もあります。

1月8日(月)
**:** 東京市場休場
16:00 ドイツ11月製造業受注
19:00 ユーロ圏12月消費者信頼感確報値
19:00 ユーロ圏11月小売売上高
26:40 アトランタ連銀総裁講演
27:35 サンフランシスコ連銀総裁講演
30:00 (ボストン連銀総裁講演)

1月9日(火)
16:00 ドイツ11月鉱工業生産
19:00 ユーロ圏11月失業率
24:00 (ミネアポリス連銀総裁講演)

1月10日(水)
10:30 中国12月CPI、PPI
18:30 英国11月鉱工業生産
18:30 英国11月貿易収支
22:30 米国12月輸入物価指数
23:00 シカゴ連銀経済見通し
24:00 米国11月卸売在庫
24:30 米国週間原油在庫
27:30 セントルイス連銀経済見通し

1月11日(木)
18:00 ドイツ2017年GDP
19:00 ユーロ圏11月鉱工業生産
20:00 南ア11月製造業生産
21:30 ECB理事会(12月14日)議事要旨
22:30 米国新規失業保険申請件数
22:30 米国12月PPI
29:30 NY連銀経済見通し

1月12日(金)
08:50 本邦11月国際収支
**:** 中国12月貿易収支
22:30 米国12月CPI
22:30 米国12月小売売上高
22:30 米国11月企業在庫
25:30 ドイツ連銀総裁講演
30:15 (ボストン連銀総裁講演)

前週の主要レート(週間レンジ)

      始値   高値  安値   終値

ドル円  112.78 113.32 112.06 113.06
ユーロ円 135.44 136.62 134.81 136.02
ユーロドル 1.2010 1.2089 1.2001 1.2029
日経平均 23073.73 23730.47 23065.20 23714.53

(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時?NY午後5時のインターバンクレート。

前週の概況

1月1日(月)
 全市場休場

1月2日(火)
 アジア市場のドル円は全く動意なしでしたが、年末から買いが続いているユーロドルが年明けも買いが先行、結果としてドル円のドル売りへと繋がりました。参加者が少ない中で年末安値を割り込むとストップオーダーも巻き込みながら、NY前場には112.06レベルと12月15日以来の安値圏へと沈みこみ、引けにかけては若干戻してのクローズとなりました。

1月3日(水)
 アジア市場のドル円は前日同様全くの同意なし。海外市場に移ってからはユーロドルの下げに遅れてドルが底堅い動きになりました。NY市場に入り発表された経済指標が強かったこともドル買いを支え、112.61レベルまで買われそのまま高値圏での引けとなりました。

1月4日(木)
年明けの日経平均株価が大幅高、その後も世界の主要株価指数が軒並み強い動きとなったことからドル円はリスクオンの円安となりました。しかし、ユーロドルが昨年9月の高値に迫る上昇となったことからドルとしては上値を抑えられる動きも重なり、112円台後半で40銭に満たない値幅での取引となりました。

1月5日(金)
雇用統計を前に東京前場こそ動きが無かったものの、後場に入って株価が上昇に転じた動きを受け改めてリスクオフの円売りとなりました。113円台に乗せると短期筋のストップオーダーも巻き込みながら雇用統計前には113.32レベルの高値を示現、雇用統計の数字が予想よりも弱かったことからNY市場では113円目前までじり安の週末クローズとなりました。

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