米雇用統計を注視、113円台の維持なるか(1/5夕)

5日の東京市場は、ドル高・円安。なかでも、終盤にかけて買いが加速し113円台を回復するなど、ドルの強さがとくに目についた。

米雇用統計を注視、113円台の維持なるか(1/5夕)

<< 東京市場の動き >>

5日の東京市場は、ドル高・円安。なかでも、終盤にかけて買いが加速し113円台を回復するなど、ドルの強さがとくに目についた。

ドル/円は寄り付いた112.70-75円を日中安値に、ドルが緩やかな右肩上がり。前日のNY高値である112.85-90円では一度上げ渋るが、下がらずにドルは強保ち合い。そののち、112.85-90円だけでなく先月28日以来となる113円も突破すると、113.10円台まで値を上げた。16時時点では本日のドル最高値圏である113.05-10円で推移し、欧米時間を迎えている。

一方、材料的に注視されていたもののひとつは、引き続き「北朝鮮情勢」。「米韓大統領が電話会談、合同軍事演習延期で合意」と報じられたことが、米朝間のさらなる緊張緩和に繋がっていたものの、マティス米国防長官からは「米韓軍事演習はパラリンピック後に実施する」との発言も聞かれ、気勢が殺がれた感も否めない。また、そのほか、「北朝鮮が韓国側の今月9日会談の提案を受け入れ」との報道も別途観測されている。

<< 欧米市場の見通し >>

年初2日にはドル安が進行し、112円割れを試すも失敗。それを受けて、足もとはドルの逆行高で113円台を回復する展開となっている。ただ、昨年12月4日以降は112.00-113.75円という2円未満のボックスを形成しており、依然として大きな意味ではレンジ内。いまだ明確な方向性がハッキリしたとはいえない状況だ。
そうしたなか、本日は月初の第一金曜日ということで、注目の米雇用統計の発表が予定されていることから、その内容次第ではドル高の加速はもちろん、逆にトレンドが反転するリスクなどもないではない。いずれにしても、このあとの欧米タイムの動きには十分な注意を払いたい。

テクニカルに見た場合、今週の初めには日足が一目均衡表の先行帯の雲の下限の下にあったが、昨日は雲のなかでの推移となり、それが本日の本稿執筆時には雲の上限(112.80円レベル)をも上回っている。短期的なトレンドは目まぐるしく変化しており、動静をしっかり見極めることが難しい。単純に考えれば、上方向は昨年12月に記録した113.65-75円が抵抗、下方向は前述した一目の雲の上限がサポートとなるのかが注視されるが、このあとの欧米時間には重要材料が控えていることもあり、そんなに簡単ではないのだろう。

一方、材料的に見た場合、やはり12月の米雇用統計が最大の注目材料か。ちなみに、市場でもっとも注視されている非農業部門雇用数はプラス19万人程度と、前月のプラス22.8万人よりはやや悪化するとの見方が有力だ。
ただ、昨日発表された1月のADP雇用統計が予想を上回る内容だったこともあり、好数字を期待する声は少なくない。また、ここ数ヵ月は非農業部門雇用数以外の数字、なかでも「平均時給」がマーケットの波乱要因となることが多々あることから、今回もその伸びについては要注意だ。

そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.50-113.80円。ドル高・円安方向は、113円台に乗せてきたことで、昨年12月に2度記録している113.65-75円をめぐる攻防にまずは注視。抜ければ、114円台回復が視界内に捉えられそうだ。
対するドル安・円高方向は、昨日までは抵抗だった一目均衡表の先行帯の雲の上限が位置する112.80円レベルが最初のサポート。ただ、割り込んでも112円半ばには同じ一目の基準線、112.25-30円には雲の下限が位置するなどサポートは数多く底堅そう。(了)

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