<< 東京市場の動き >>
8日の東京市場は、ドル高・円安。前日同様に、レンジそのものは決して広くなかったが、夕方にかけて上昇、ドルは日中の戻り高値を更新する展開だった。
ドル/円は113.05-10円で寄り付いたのち、緩やかな右肩上がり。夕方にかけては113.45-50円レベルまでじりじりと値を上げている。話題となっていたのは2つの需給要因で、ひとつは年末をにらんだ本邦勢のドル資金手当てにともなう動きと、もうひとつは公務員のボーナス支給にともなう個人投資家の外貨投資思惑。いずれにしても、根強い外貨需要がドルの支援要因となっていた感を否めず、16時時点では、日中のドル最高値圏である113.45円前後で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、そうしたなか本日も仮想通貨ビットコインの動きが相場の関心を集める。一昨日に「一時12000ドル台をつけるなど史上最高値を更新」したものが、昨日も続伸し「14000ドル台」、さらに本日早朝には「一時17000ドル台」をつけるなど、まさにバブルの様相。しかし、そののち大きく崩れ、「15000ドル割れ」となるなど、大荒れの相場展開だった。
一方、材料的に注視されていたもののひとつは、8日に期限切れとなることを受けた「米暫定予算案」をめぐる動き。米上下院で22日までのつなぎ予算案が可決され、取り敢えず政府関係機関の閉鎖は回避されている。
それとは別に、夕方になり「EUと英国のあいだで離脱交渉をめぐる合意が成立、通商協議に道を開く」と報じられたほか、会見を行った欧州委員長から「われわれは英国に残留するEU市民の権利を確保」といった発言が聞かれていた。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日、「今週に入って以降はおおむね112円台の値動きで、形成レンジはわずか1円強と、かなりの小動き」−−とレポートしたら、舌の根も乾かぬうちに、ドルは113円台を回復、ボックス圏を上抜けしてきた。また、材料的にもドル高の足かせだった8日に期限切れとなるつなぎ米予算問題」も取り敢えず解決しており、これらを素直に捉えれば、改めて指摘するまでもなくリスクはドル高方向にバイアスがかかりそう。
しかし、唯一気になるのは、本日このあと注目の米雇用統計発表を控えていること。悪い内容となった場合には、足もとのドル高基調が一転する可能性もないではない。
テクニカルに見た場合、一目均衡表の先行帯の雲の上限は本日113.35-40円に位置している。正直、上抜くことは困難で、目先の抵抗になりうると考えていたが、本稿執筆時、同レベルをわずかながら上回っての推移だ。このまま、一目の雲の上限を維持することが出来るのか、その動静に注意を払いたい。
なお、フィボナッチの観点でいえば、11月高値114.74円を起点とした下げ幅の61.8%戻し(113.25円レベル)を突破しており、次のターゲットは76.4%戻しとなる113.80-85円。114円台回復までに、もうひとやまありそうだ。
一方、材料的に見た場合、なんといっても11月の米雇用統計への注目度が高い。ちなみに、なかでももっとも関心の高い非農業部門雇用数は、前月のプラス26.1万人からやや悪化するも、プラス19.5万人程度と好数字になることが予想されている。
とは言え、ここ最近は非農業部門雇用数以外のデータ、たとえば失業率や平均時給などの数字や、当月分でなく前月分といった過去データの修正分が材料視されることも少なくない。ともかく、そうしたものもひっくるめ、米雇用統計の内容全般に注意を払いたい。また、別に発表される12月のミシガン大学消費者信頼感指数も大事な指標であり、要注意だ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.80-114.00円。ドル高・円安方向は、フィボナッチの観点から指摘される113.80-85円の攻防が注視され、抜ければ114円台乗せがみえてくる。
対するドル安・円高方向は、微妙なところだがわずかに上回っている一目均衡表の先行帯の雲の上限が位置する113.35-40円が目先のサポートで、割り込むと112.80円レベルや、112.30-40円などがドルのサポートに。(了)
オーダー/ポジション状況
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