ドル円見通し 戻り高値更新で雇用統計へ向かう(12/8)

トランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認め、米大使館をエルサレムへ移設すると指示したことでアラブ諸国が反発している。

ドル円見通し 戻り高値更新で雇用統計へ向かう(12/8)

【概況】

週前半の株安を警戒した下落で6日夕には112円を一時的に割り込んだが、7日は株も持ち直してリスクオン心理再開となりドル高全般に上昇する中でドル円も113円台を回復、12月4日高値113.08円を超えてきている。
先週末はトランプ大統領元側近のフリン氏訴追報道から1時間で1.44円幅の急落が入ったが、12月2日の米上院本会議での税制改革法案可決を受けて週明け4日に反騰、株安警戒で下げたもののフリン騒動で下げた時の安値を割り込まず、安値切り上がり、その後の高値も切り上がりとなってきている。

トランプ大統領がエルサレムをイスラエルの首都と認め、米大使館をエルサレムへ移設すると指示したことでアラブ諸国が反発している。特に武装勢力のハマスがインティファーダ(反イスラエル闘争)を呼び掛ける等、中東情勢への懸念が強まっている。イランとサウジの抗争、イエメン情勢もあるので、今後の推移を注目する必要があるが、今のところは金融市場に懸念を反映した動きは見られない。
ロシアゲート問題も継続しているが、市場はそれらのリスクよりも米税制改革法案の上下院協議が年内にまとまることへの期待を優先してリスクオン型の行動をとっている。
8日夜には米雇用統計があり、非農表部門就業者数に対する市場の事前予想は19.5万人増で、好調だった前月の26.1万人増からは低下するものの、良好な水準を維持するものと見込まれている。よほどサプライズ的に悪ければドル安円高となる可能性もあるが、予想に近いか、予想を上回る水準ならドル高円安が進み、来週のFOMCへ向けてもドル高円安基調が継続しやすくなると思われる。ただし、雇用統計にはサプライズも付き物のため油断できないが。

米労働省が発表した新規失業保険申請件数は前週比2000件減の23万6000件、市場予想の24万件を下回る良好な数字だった。
米大統領は7日、議会が政府機関閉鎖を回避するための暫定予算案の採決に向けて上下両院の指導者と会談した。下院は期間2週間の暫定予算案で、上院も8日までに採決する見通しで政府機関の閉鎖は避けられる見込み。

【60分足 一目均衡表分析】

【60分足 一目均衡表分析】

60分足の一目均衡表では、12月7日夜の上昇で遅行スパンが好転、先行スパンを上抜いた。その後も両スパン好転状態を維持しているので、遅行スパン好転中は26本基準線を支持線とした上昇継続の可能性を優先し、遅行スパン悪化からは弱気転換として先行スパン帯試しを想定するが、その前後は押し目買いされやすいとみる。

60分足の相対力指数は7日夜に69ポイントまで上昇、さらに8日朝には70ポイントを超えてきている。70ポイントを超えたことで目先は高値警戒感も出やすい水準と思われるが、60ポイント以上を維持する内は上昇継続の可能性ありとし、60ポイント割れを弱気転換注意、50ポイント割れからは弱気サイクル入りの可能性を優先する。

概ね3日から5日周期の高値・安値形成のサイクルでは12月4日夜高値を直近のサイクルトップとして下落していたが、6日夕安値からの反騰で112.50円を超えてきたところから新たな強気サイクルに入った。今回の高値形成期は7日夜から11日夜にかけての間と想定される。

既に前回サイクルトップから3日を経過しているのでサイクルトップをつけての反落注意期にあるが、112.70円を上回る内はサイクルトップ形成への余地ありとし、上値目処を113.50円前後試しまで引き上げる。雇用統計から上昇反応の場合は114円に迫る可能性ありとする。
113円台を維持できずに失速する場合は112.70円割れからさらに続落するところから弱気サイクル入りの可能性を警戒して112.50円前後への下落を想定する。

【雇用統計でどう動くか】

(1)雇用統計前段階では、113.50円手前から112.70円台までのレンジ推移と仮定する。レンジをはみ出す場合は揺れ返しに注意する。
(2)雇用統計から上昇の場合は113円台後半から114円試しの可能性ありとするが、上昇した後にはいったん買い材料消化から反落する可能性に注意する。その際は高値から0.50円前後の反落とみる。
(3)雇用統計から下落の場合は112円台序盤試しへの下落を想定するが、6日安値111.99円割れ回避の内は11月28日未明からの上昇基調継続とし、その後の上昇再開とみる。6日安値を割り込む場合は安値切り下がり型に入るため、週明けへの続落警戒とする。(了)<9:30執筆>

【当面の主な予定】

12月8日
未定 (中) 11月貿易収支 (10月 +381.7億ドル、予想 347.0憶ドル)
22:30 (米) 11月非農業部門雇用者数 (10月 +26.1万人、予想 +19.9万人)
22:30 (米) 11月失業率 (10月 4.1%、予想 4.1%)
22:30 (米) 11月平均時給 前月比 (10月 +0.0%、予想 +0.3%)
24:00 (米) 12月ミシガン大学消費者信頼感指数 速報値 (11月 98.5、予想 99.0)

12月9日
10:30 (中) 11月消費者物価指数 前年比 (10月 +1.90%、予想 +1.8%)
10:30 (中) 11月生産者物価指数 前年比 (10月 6.9%、予想 )

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