<< 東京市場の動き >>
30日の東京市場は、ドル高・円安。形成レンジのものは決して広くなかったが、「寄り付き安・大引け高」で、円は対NZドルを除き、クロスを含めて全面安の様相だった。
ドル/円は寄り付いた111.85-90円レベルを日中安値に、ドルが上昇。112円台を回復するも、一時は上げ渋る動きとなり、111.90-112.10円程度の揉み合い商状を呈している。しかし、夕方になりドル高が再燃すると、112.20円台まで上昇し、日中高値を記録した。16時時点でも高値に近い112.15-20円で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、前述したように円はほぼ全面安の様相だったが、主要通貨で唯一円より弱かったのがNZドル。早朝に発表されたNZの経済指標が弱かったことを材料に、対円では77円台から76円台半ばへと下落、そのまま上値の重い値動きをたどっていた。
一方、材料的に注視されていたものは、引き続き北朝鮮情勢。前日に北朝鮮がミサイルを発射したことを受け開催された安保理緊急会合で、「ヘイリー米大使が北との関係断絶を要請」と報じられた反面、ネベンジャ露大使は「米韓に12月の軍事演習中止を要請」したという。
また、それらとは別に、スイス中銀副総裁からは「依然逃避買い圧力受けやすい」、原田日銀委員による「円は量的・質的緩和以降ほぼ110円程度で安定」との発言が聞かれていた。
<< 欧米市場の見通し >>
昨日、「連日、代わり映えしない相場をたどっている」−−などと指摘をしたら、相場がようやく動意を見せた。昨日NYで112円円台を回復し、そのあともドルは底堅い値動きをたどっている。少なくとも、先週23日以降たどっていた110.80-111.70円といった1円にも満たないボックス相場を、上方向に抜けてきたことは間違いない。
それにより、ドルの下値リスクが軽減したことが確認されたばかりか、ヒョッとするとしばらくはドルが底堅く推移する可能性も取り沙汰されている。実際、今年のドル/円は1ヵ月程度のサイクルで基調が転換する傾向がうかがえるだけに、そうした傾向がいまだ続いているとすれば、年末あるいは来年初めぐらいまでドルは堅調に推移しそうだ。
テクニカルに見た場合、ドルの上値を抑制してきた移動平均の200日線(111.65-70円)をしっかり上回っての推移となっている。今後は、同レベルをサポートに、さらなる上値をトライできるかどうかに注意を払いたい。
そんなドルの次の上値メドは、11月高値114.74円を起点とした下げ幅のフィボナッチ38.2%戻しに当たる112.30-35円で、半値(50.0%)戻しは112.80円レベルとなる。ただ、その少し上、112.90円レベルには一目均衡表の雲の上限が位置していることもあり、一朝一夕の113円台回復は難しいものがあるかもしれない。
一方、材料的に見た場合、10月のPCEデフレーターや11月のシカゴ購買部協会景気指数などの米経済指標が発表されるほか、パウエル次期FRB議長、カプラン・ダラス連銀総裁による講演も予定されており、それらは当然要注意。
また、北朝鮮情勢を中心とした各国対応のほか、税制改革をめぐる米議会の動きなどにも注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.70-112.80円。ドル高・円安方向は、フィボナッチでみたテクニカルポイントあたる112.30-35円や112.80円などの攻防にまずは注視。抜ければ113円台回復も見えてくるが、112.90円レベルには一目均衡表の雲の上限が位置しており、上値を阻みそうだ。
対するドル安・円高方向は、移動平均の200日線のほか複数のサポートが位置する111.65-80円レベルが最初のサポートに。割り込めば110.84円の直近安値がターゲットに。(了)
オーダー/ポジション状況
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