<< 東京市場の動き >>
29日の東京市場は、111円半ばを挟んでの揉み合い。北朝鮮ファクターを警戒しつつも、値動きはわずか30ポイント程度と、目立った動意は見送られている。
ドル/円は111.40円レベルで寄り付いたものの、全般的に値動きは乏しい。本日未明に北朝鮮がミサイルを発射したことで、同国情勢への警戒感は強いが、それが価格変動には繋がらなかった。終日を通して111円半ばを挟んでのレンジ取引で、方向性も乏しい状況。16時時点では111.50-55円で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、為替市場はドル/円に限らず動意が鈍いなか、仮想通貨であるビットコインは本日も堅調。ドル建て価格においては、初の1万ドル大台乗せが観測されていた。
一方、材料的に注視されていたものは、北朝鮮情勢。まず本日早朝に「日米首脳が電話会談、北情勢を協議」と伝えられるなか、日米韓やフランスなどからミサイル発射に対する非難コメントが相次いだ。
また、「国連安保理、北ミサイル発射を受け30日に緊急会合開催へ」との報道のほか、当の北朝鮮から「ICBM火星15を試射、ミサイル試射に成功」との発表もなされている。
<< 欧米市場の見通し >>
連日、代わり映えしない相場をたどっており、コメントも昨日書いたものが今日もソックリ使えるのでは、という思いもないではない。いずれにしても、先週23日以降の相場は110.80-111.70円といった1円にも満たないボックス相場で、方向性は乏しい状況だ。まずは、足もとの膠着相場をどちらの方向に放れるのか、その方向性をしっかりと注視してみたい。
なお、敢えて言うならリスクは下方向にバイアスがかかるものの、今年のドル/円は1ヵ月程度のサイクルで基調が転換する傾向がうかがえるだけに、そろそろドル安傾向も時間切れとの指摘も一部で指摘されていた。
テクニカルに見た場合、前述した目先の90ポイントレンジをめぐる攻防がまずは注視されそうだ。これをテクニカルポイントとの観点で言えば、上方向については移動平均の200日線(111.65-70円)が頭を抑えている反面、下方向は一目均衡表の先行帯の雲の下限(110.75-80円)が強く下値を支えている、と言って良いのかも知れない。重要なテクニカルポイントに上下を挟まれ動きにくい雰囲気であり、一朝一夕に抜けていくことも困難さがつきまといそう。とは言え、まずは足もとの相場にしっかりとした方向性が示されるのか否かをしっかりと見極めたい。
一方、材料的に見た場合、7-9月期GDP改定値などの米経済指標が発表されるほか、米地区連銀経済報告(ベージュブック)の公表も予定されている。また、ダドリーNY連銀総裁の講演や、イエレンFRB議長による上下両院合同経済委員会での証言なども実施される見込みだ。
また、国連安保理での動きを含めた北朝鮮情勢や、ロイターが「12月8日の政府機関閉鎖回避へつなぎ予算が必要」と報じている米議会の動静などにも注意を払いたい。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、110.80-111.90円。ドル高・円安方向は、移動平均の200日線が位置する111.65-70円が最初のターゲットで、少し上の水準にも75日線など別の抵抗が存在している。それらを抜ければ112円台回復が見えてくる。
対するドル安・円高方向は、直近安値110.84円ならびに、それと程近い一目均衡表の先行帯の雲の下限が位置する110.75-80円レベルをめぐる攻防をまずは注視。割り込めばフィボナッチによるテクニカルポイントの110.15円レベルがターゲットに。(了)
オーダー/ポジション状況
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