前週の主要レート(週間レンジ)
始値 高値 安値 終値
ドル円 113.72 114.56 112.16 113.79
ユーロ円 124.23 125.59 122.11 125.24
ユーロドル 1.0924 1.1043 1.0826 1.1008
日経平均 16313.31 17042.92 15857.37 17014.78
(注)上記表の始値は全て東京午前9時時点のレート。為替の高値・安値は東京午前9時?NY午後5時のインターバンクレート。
前週の概況
2月29日(月)
G20明けの東京市場では、株は高寄りしたものの為替は事前に伝わっていた通り通貨安競争回避を確認したことで上値の重たいスタートを切りました。その後は株価、為替、双方が足を引っ張り合いながら、後場にはドル円は112円台後半へと朝方の水準から1円以上円高に。欧州市場では弱いユーロ圏の経済指標を背景に、ユーロが対ドル、対円で大幅安となり、NY市場の昼頃には1.0859レベル、122.46レベルの安値を付けました。株価はNY市場では買い戻しが先行したものの引けにかけて売られダウは金曜から続落、為替市場では円が対ドル、対ユーロで買いが強まる流れでの引けとなりました。
3月1日(火)
東京市場の朝方こそ前日の流れを受け、ユーロ円、ドル円ともに売りが先行したものの、その後は株式市場で買いが強まる動きとなったことで利食いの買い戻しが目立ちました。ユーロ円は長期のターゲットをほぼ達成したこともあり、買いが強まる中、欧州市場に入り株式市場が一段高。これは弱い欧州市場の経済指標からG20における声明に対してECBの追加緩和、景気刺激策と逆に市場安定化を期待する思惑がきっかけとの分析がされていました。次のイベントを前にしたポジション調整と考えた方が自然ですが、流れとしてはリスク回避の巻き返しが終日続き、ドル円は114円台乗せ、ユーロ円も124円台乗せと円安方向への巻き返しが強いまま引けました。
3月2日(水)
東京市場では前日の流れを受けリスク回避の巻き返しが継続、ドル円は後場に入ると更に水準を切り上げる展開となりました。いっぽうで、株式市場はダウ先物が欧州市場に入り上値が重たい展開となり、225先物も上値の重たい展開となる中、ドル円は高値圏でのもみあいのままNY市場入り。週末の雇用統計を占うADP全国雇用者数は予想よりも強く、ドル円も一時114.56レベルの高値を付けましたが、前日からの上げが短時間で速かったこともあり、目立った材料が無い中で自律反転し、ドル円、ユーロ円ともじり安の展開を辿っての引けとなりました。
3月3日(木)
東京市場では強い株価の動きを見ながら、ドル円、ユーロ円が上昇、前日の海外市場で円高方向に動いた調整も重なり、後場にはドル円は114.27レベルと前日安値から1円以上の上昇を見せました。海外市場に入ってからは主役がユーロドルへと移り、月曜海外市場以降の1.08台後半での膠着状態を上抜け、ストップオーダーを巻き込みながら上昇、NY市場に入り発表されたISM非製造業景況指数の雇用が弱く雇用統計を前にしてドル売りの動きとなりました。ユーロドルは1.0973レベルまで上伸、ドル円も113.30レベルと前日安値圏へと迫る動きを見せ、引けにかけてやや調整が入ってのクローズとなりました。
3月4日(金)
東京市場では朝方こそ円高の動きが先行したものの、株価が堅調で日経平均が17000円乗せ、為替市場でも後場以降はドルがじり高の展開となりました。欧州市場に入るとECBの追加緩和にサプライズは無く、マイナス幅の拡大程度に留まるとの思惑が広がり、ユーロが対ドル、対円で上昇しての米国雇用統計待ち。結果はNFPが予想よりも強かったものの平均賃金がマイナスと強弱ミックスした内容となり、ドル円は直後ドル買い、その後ドル売りとNY前場は荒っぽい値動きとなりました。ユーロドルも同様にドルの動きが左右したものの、その後欧州市場でのユーロ買いの動きへと戻り、対ドルで1.1043レベル、対円でも125.59レベルへと上伸し、引けにかけてやや調整が入ってのクローズ。ドル円は、ユーロ円の動きもあり一時114.25レベルの高値を付けましたが、113円台後半へ押して引けました。
今週の予定(時刻表示のあるものは日本時間)
今週注目される経済指標と予定をあげてあります。FRB地区連銀総裁講演の内、2016年FOMCメンバー(ニューヨーク、ボストン、クリーブランド、セントルイス、カンザスシティ)ではない地区連銀はカッコ付で示しました。わかりやすさ優先で、あえて正式呼称で表記していない場合もあります。
3月7日(月)
12:40 黒田日銀総裁講演
24:00 米国2月労働市場情勢指数
27:00 フィッシャーFRB副議長講演
27:00 ブレイナードFRB理事講演
29:00 米国1月消費者信用残高
**:** EU首脳会議、ユーロ圏財務相会議
3月8日(火)
08:50 本邦10〜12月期GDP改定値
08:50 本邦1月貿易収支
09:30 豪州2月NAB企業景況感
**:** 中国2月貿易収支
16:00 ドイツ1月鉱工業生産
19:00 ユーロ圏10〜12月期GDP改定値
3月9日(水)
18:30 英国1月鉱工業生産
24:00 米国1月卸売在庫
24:30 米国週間原油在庫発表
29:00 NZ政策金利発表
3月10日(木)
10:30 中国2月CPI、PPI
21:45 ECB理事会結果公表
22:30 ドラギECB総裁会見
22:30 米国新規失業保険申請件数
28:00 米国2月財政収支
30:30 NZ2月企業景況感
3月11日(金)
16:00 ドイツ2月CPI確報値
18:30 英国1月貿易収支
22:30 米国2月輸入物価指数
3月13日(日)
**:** 米国夏時間移行
今週の週間見通し
注目の雇用統計は強弱ミックスという結果になりましたが、少なくともこれまでの市場参加者のコンセンサスとなっていた「3月FOMCでの利上げは無い」との見方を変えるものではありませんでした。先週後半のもみあいの中心となっていた113円台後半は今後もニュートラルな水準となってくるでしょう。
また今週はECB理事会がありますが、金曜の動きの通りで12月の追加緩和同様にサプライズが無いとの思惑からユーロが対ドル、対円で買いが強まる展開となっています。ドラギ総裁は、時に大胆な市場にサプライズを与えることを行ったり、発言したりしますので、油断はできませんが、仮に市場参加者の思惑通りということになると、ユーロ円の動きがドル円の動きに影響を与えやすい週となりそうです。
今週はテクニカルな観点から、まずユーロ円のチャートを見て、その後ドル円のチャートを検討していきます。
それでは、まずユーロ円の月足チャートをご覧ください。
ユーロ円月足
ユーロ円は2012年安値94.13から2014年高値149.78まで上昇し、今年2月に2015年安値126.10を明確に下回る動きとなりました。それまでにも126.10を試す動きはあったものの、ザラバでのトライで下まわったとは言い切れない値動きとなっていましたが、同水準を下回ったことで、2012年安値と2014年高値から計算される最初のターゲットである半値押し121.95をほぼ達成し、その後は利食いとECB理事会の失望思惑による買い戻しが続いているのが現在の水準です。
しかし、このような長期的なサポートを下回る動きは先週1週間程度の時間で否定されるようなものではなく、少なくとも週末終値でもって126円台に乗せて来るような動きとなるまでは下げが継続していると見ることが自然です。長期的には均衡表の雲を下抜け61.8%とのターゲットとなる115円台半ばをトライする可能性が残っていて、今週の理事会を経過し、まだ水準的に126円よりも下であるならば次の流れは下と考えています。
ドル円も長期的には全く同様です。こちらは週足チャートをご覧ください。
ドル円週足
2014年に100円台から大きく上昇し昨年には125.86の高値を付けましたが、今年の1月末の日銀追加緩和以降は円高が進行。2015年の年間を通して強いサポートとなっていた115円台後半を下抜け、一時110.99の安値を付ける激しい動きとなりました。短期的には日足チャートを見てもわかる通り111円前後でのダブルボトムの形状を付けていますが、ユーロ円と同様に115円台後半を明確に上回り116円台に乗せる動きを見るまでは、長期的な円高傾向に変化は無いと見ることが自然です。
今週はECB理事会を前にして短期的にはユーロ円がリードしやすい展開が続くと考えられますが、来週には日銀、そしてFOMCと日本と米国の金融政策も見えてきます。米国利上げは冒頭に書いた通り、無いというのがコンセンサスで、日銀も今回の追加緩和は考えにくいでしょうから、ユーロ円、ドル円ともブレークしたクリティカルなサポートを明確に上回らない限りにおいて引き続き円高を見ることになるわけです。
今回は長期的展望ではありますが、今週から来週のイベント経過後のテーマということで、今のうちに書いておこうと思いました。なお、今週は、112.50レベルをサポートに、114.50レベルをレジスタンスと先週とほぼ同様の見通しを立てておきます。
ドル円(日足)チャート
ドル円日足
ディスクレーマー
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