<< 東京市場の動き >>
9日の東京市場は、ドル安・円高。一時114円台を回復する局面も見られたが、そののち値を崩し113円半ばまで値を崩している。
ドル/円は113.85円レベルで寄り付いたのち、しばらくはドルがしっかり。じり高に推移すると104.05円レベルの日中高値を記録している。しかし、ドル高は続かず値を崩すと、ストップロスを巻き込みつつ途中で下げ足を速め、113.45円レベルへと軟化。そこからはさすがに小戻すも上値は重く、16時時点では113.55-60円のドル安値圏で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、そうしたなか日経平均株価は、前場を前日比454円高の大幅高で引けたものの、大引けはなんと前日比45円安とマイナス圏に。前述したような、為替のドル安・円高は、東京の株安が嫌気されていた面もありそうだ。
一方、材料的に注視されていたもののひとつは、引き続きアジアを歴訪しているトランプ米大統領に関するニュースや発言。たとえば、トランプ米大統領から「中国との貿易赤字は驚くほど高水準」との発言が聞かれていた。
そのほか、産経新聞が「安倍首相、11日に中国・習主席と会談へ」と報じていたほか、米上院銀行委員会が「28日にパウエル次期FRB議長の公聴会を開催」と発表、中国の物価指標発表などが別に観測されている。
<< 欧米市場の見通し >>
本日東京時間のハイライトは為替ではなく、株価。前述したように、日経平均株価は前場を454円高、26年ぶりの高値で引けたものの、夕方の大引けは予想外のマイナス圏に沈んでいる。東京も行き過ぎが指摘されていたが、NYダウをはじめとする米株の過熱感はそれ以上だ。いつ弾けるのかわからないのが「バブル」とは言え、本日東京の動きを見ると米国の株価についても「そろそろ危険」−−と思わざるを得ないだろう。
また、それ以外でも「米法人税減税の延期論」や「パラダイス文書をめぐる疑惑」などがドル高の重石として取り沙汰されるなど、かつてのドル高傾向に陰りが見え始めているところは気掛かりだ。大きなドル高の流れは変わらないにしても、目先は調整が続く可能性を否定できないかもしれない。
テクニカルに見た場合、過去半年余りの強い抵抗帯である114円半ばを先日一時的に上抜けたものの、その後は冴えず。時間足などやや短期のチャートを見ると、目先高値114.74円を示現後、ドルは上値・下値ともジリジリとレベルを切り下がる展開をたどっていることがみてとれる。その傾向からすれば、昨日記録したドル安値113.39円を遠くないタイミングで更新しても不思議はないのかも知れず、さらなるドル安の進行も!?
一方、材料的に見た場合、週間ベースの米新規失業保険申請件数が発表されるほか、米30年債の入札実施も予定されており、それらはまず要注意。
また、「米法人税減税の延期論」や「パラダイス文書をめぐる疑惑」に関する発言や報道などにも注意を払いたい。さらには、前述したような東京の株安もあり、米株の動きを中心に米金利などほかの金融市場の動きへの警戒感も強いようだ。
そんな本日欧米時間のドル/円予想レンジは、113.10-114.10円。ドル高・円安方向は、まず本日東京高値の114.05円レベルで、抜ければ前回高値の114.34円、さらには114.74円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、昨日安値の113.40円レベルをめぐる攻防にまず注視。ただ、その少し下である113.20円レベルには、一目均衡表の基準線が位置するなど依然として底堅いイメージも。下値リスクが高まりつつあるとはいえ、まだ大崩れは予想しにくい。(了)
オーダー/ポジション状況
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