<< 東京市場の動き >>
27日の東京市場は、ドルが続伸。とくに夕方にかけて上げ幅を拡大させると、一時114.30円レベルを記録し、直近のドル戻り高値を更新する局面も観測されていた。
ドル/円は寄り付いた113.95-95円レベルを日中安値に、緩やかな右肩上がり。終わって見れば「早朝安・大引け高」で、チャートはいわゆる“陽の丸坊主”に近い格好だった。
本日前日比で268円高と大幅続伸で終了した日経平均株価の動きなどをにらみつつ、ドルはじりじりと下値を切り上げる展開。早朝を除くと、ほぼ113円台での推移もなく、ドルは極めて底堅い。夕方には、25日に記録したドルの戻り高値114.25円を抜け、一時114.30円を示現。16時時点では、そのまま114.15-20円のドル高値圏で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料として話題になっていたもののひとつは、要人発言。たとえば、次期FRB議長の有力候補として目されるテイラー教授から、「米国の成長の低さは経済政策によるものだ」、米ウエスタンデジタル(WD)のミリガン最高経営責任者(CEO)からは「東芝が契約した日米韓連合への売却は明確に認められない」とのコメントが聞かれていた。
そのほか、ドル/円相場への影響は軽微だったが、「ターンブル豪政権が議会過半数割れ、議員の国籍に関する裁判所判断で」との報道が観測されており、豪ドルの弱材料に。
<< 欧米市場の見通し >>
これまでザラ場はともかく、クローズベースでは114円台に定着できず、上値の重さを露呈していたが、それがようやく「しっかりと」超えてきた感もある。
これを素直に解釈すれば、ドルの上値余地が広がったと言えるのだが、チャート的には今週に入ってからのボックス圏(113.25-114.25円)を若干上方向に拡大させたに過ぎず、大きな意味ではいまだレンジ内だ。7月高値114.49円などに上値を阻まれ、反落する危険性もないではない。ドル高基調をしっかりと確認するためには、114円半ばをきちんと上抜け、115円台トライの足掛かりを示したい。
テクニカルに見た場合、直近高値を超えるなど、ややドル高方向のリスクが高いものの予断は許さず。
これは、昨年12月高値118.66円を起点とした下げ幅のフィボナッチ61.8%戻しが114.30-35円に当たるうえ、今年7月の高値が114.49円となっているだけでなく、5月の高値も114.37円で、ここ半年ばかりはザックリ言って114円半ばが強い抵抗となっている感を否めないことによる。前述したように、114円半ばをクリアに抜けていくことが出来るかどうか、来週の相場を占ううえでひとつのポイントとなりそうだ。
一方、材料面ではこのあと、7-9月期のGDP統計速報値や10月のミシガン大学消費者信頼感指数確報といった米経済指標が発表される予定となっている。とくに前者への関心は高く、好数字となれば市場は素直にドル買いで反応する公算が大きい。また、仮に悪化したとしても、ある程度の範囲内であれば「ハリケーン被害によるもの」などと解釈され、結局はドル買いとなる、との指摘も聞かれていた。
そのほかでは、米株を中心としたほかの金融市場の動静にも注意を払いたい。
以上を踏まえた本日欧米時間のドル/円予想レンジは、113.80-115.00円。ドル高・円安方向は、フィボナッチの観点からも重要な東京高値の114.30円レベルのほか、その少し上には7月高値114.49円も位置しており、114円半ばが強い抵抗か。抜ければ115円台を目指す。
対するドル安・円高方向は、113.80-00円に弱いサポートが位置しており、その攻防がまずは注視されているようだ。ただ、割り込んでも底堅く大崩れは予想しにくい。(了)
オーダー/ポジション状況
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