<< 東京市場の動き >>
20日の東京市場は、ドル高・円安。前日のNYにドルは小反落し112円台からのスタートとなったが、アッサリと113円台を回復し、6日に記録した戻り高値113.44円に接近する局面も観測されていた。
ドル/円は112.50-55円で寄り付いたのち、ドルがじり高推移。ただ113円には届かず、当初は上げ渋りの様相に。しかし、週末ゴトー日(5・10日)で仲値不足が指摘されるなか、「米上院で予算決議案を可決」とのニュースが伝えられ、好感した動きが強まると、一気に113.30円レベルまで急騰となった。その後は再びドルの上値が重くなるも底堅く、16時時点でも113.15-20円の高値圏で推移し、欧米時間を迎えている。
なお、そうしたなか日経平均株価は本日も続伸、前日比9円高で56年9ヵ月ぶりの14日連続上昇を記録した。
一方、材料として話題になっていたものは、前述した「米上院で予算決議案を可決」のニュースを除くと、まずは次期FRB議長の人事。NY時間の前日19日にトランプ米大統領とイエレン氏の会談が実施され、次期FRB議長人事が大詰めを迎えるなか、米政治メディアのポリティコは「トランプ大統領がパウエルFRB理事を指名する方向に傾いている」と報じ、物議を醸していた。
さらに、それ以外では一部の米メディアが報じたブレナン前米CIA長官の発言「朝鮮半島での軍事衝突、確率は25%」や、オーストラリア紙による「北朝鮮、豪議会などに“威嚇”内容の書簡を送付」とのニュースなども一部で話題となっていたようだ。
<< 欧米市場の見通し >>
予想通りというべきなのか、マーケットでは次期FRB議長人事が相場の波乱要因となっているようで、取り沙汰される名前によって一喜一憂する展開だ。前述したように、最新の情勢としては「ハト派」に属するパウエル氏が最有力とされドル高足かせになっている面もあるが、有力とされる残りの4候補のうちイエレン現議長を除く3氏はいずれも「タカ派」に分類されることから、新議長の人選によっては当初の見込みとは裏腹にドル高の流れに弾みがつく可能性を否定できないかも知れない。
なお、この週末に日本では衆院選が実施され、月曜日の東京オープン前に大勢が判明している見通しだ。各メディアで報じられているように、「自民党大勝・安倍政権継続」の流れが正式に決定すれば、来週初め23日は好感したドル高・円安でスタートする公算が大きいように考えている。
テクニカルに見た場合、まだ地合いが不安定な部分は残るものの、ドルは113円台を維持しており前回高値の113.44円を視界内に捉えた値動きとなっている。超えれば7月高値の114円半ばがターゲットとなることは間違いない。
それに対するドルの下値は、まず112.70-80円で、下回るようだと昨日NY安値の112.30円などを目指す展開が見込まれている。ただ、いずれにしても、ドルは底堅いイメージだ。
一方、材料面ではこのあと、9月の中古住宅販売件数など米経済指標が発表されるほか、メスター・クリーブランド連銀総裁が討論会に出席する見込みで、それらは当然要注意。
また、それに加えて引き続きNYダウを中心とした米株や米金利の動きならびに、次期FRB議長をめぐる人事などには注意を払いたい。さらに米上院が予算決議案を可決したことで、10年間で1.5兆ドルの大型減税を柱とする税制改革の審議が本格化するだけに、そちらに関しても動静を注視しておきたいところだ。
以上を踏まえた本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.70-113.90円。ドル高・円安方向は、本日東京高値の113.30円レベルが最初の抵抗で、抜ければ前回高値113.44円を目指す。さらに、そのレベルをもクリアすれば、次のターゲットは114円台に。
対するドル安・円高方向は、弱いサポートが位置する112.70-80円の攻防にまず注視。ただ、割り込んでも112円半ばには一目均衡表の転換線など複数のテクニカルサポートが位置しており底堅そう。(了)
オーダー/ポジション状況
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