<< 東京市場の動き >>
13日の東京市場は、ドル安・円高。終盤にかけては底堅さのうかがえた112円レベルを下回り、一時111.80円台まで値を下げる局面も観測されていた。
112.25-30円で寄り付いたのち、しばらくは揉み合い。112.15-30円といった狭いレンジでの取引となった。前日まで8日続伸となっていた日経平均株価は本日も堅調推移、終値ベースで2万1000円台を回復したものの、本日は為替市場における影響が限定的なものに留まっている。
そうしたなか、ドル/円はじりじりと値を崩し、112円割れをトライ。一度目は失敗に終わったが、夕方に二度目のトライがあり、割り込むと111.80円台まで一気に値を下げた。16時時点では111.95-00円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料として話題となっていたもののひとつは、要人発言。アトランタ連銀総裁から「12月に利上げするか分からない」と発言が聞かれたほか、浅川財務官は「非公式のG7が開催され、北朝鮮への制裁を議論した」と指摘したとされ、いずれもマーケットの一部で話題となっていたようだ。
また、それとは別に次期FRB議長に関する報道も幾つか観測されている。一例を挙げると、CNBCは「ムニューチン米財務長官が、次期FRB議長人事は来月決定の可能性と発言した」と報じていたという。
<< 欧米市場の見通し >>
ドルは底堅かった112円レベルを下回り、下値リスクがやや高まったようだ。しかし、本稿執筆段階では下げに弾みがついたとは言えない値動きで、むしろ再びドルの底堅さを示している感すら否めない。チャート的には、緩やかな右肩下がりをたどる移動平均の200日線(111.80-85円)がサポートとして強く機能している感もうかがえるだけに、このあとは同レベルをめぐる攻防にまずは注視してみたい。
テクニカルに見た場合、ドルの下方向は200日線のほかにもサポートが目白押し。たとえば、本日は週末ということで週足の観点に着目しただけでも、移動平均の52週線は111.65-70円、同26週線は111.05-10円、一目均衡表の先行帯の雲の上限は110.85-90円に位置している。
また、9月安値を起点とした上げ幅のフィボナッチ38.2%押しは111.10円レベルとなるなど、下値にテクニカルサポートは多く、一気にドル安が進行するムードに乏しいとの見方も少なくない。
一方、材料面では、9月の消費者物価指数や10月のミシガン大学消費者信頼感指数速報といった米経済指標が発表されるほか、バンク・オブ・アメリカなど米企業決算も実施される予定となっている。とくに物価関係のデータには要注意か。
また、前日に続き次期FRB議長候補に名前の挙がっているパウエルFRB理事が講演を実施するうえ、複数の地区連銀総裁の講演も行われるもよう。別途、G20財務相・中銀総裁会議が開催されることなどと合わせ、引き続き各国要人による発言には注意を払いたい。
以上を踏まえた本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.10-112.50円。ドル高・円安方向は、本日の東京高値である112.30円レベルが最初の抵抗で、抜ければ一目均衡表の転換線などが位置する112.60-65円などがターゲットに。
対するドル安・円高方向は、200日線が位置する111.80-85円の攻防にまずは注視。割り込むようだとさらなる下値リスクが広がるものの、依然としてテクニカルサポートは多いこともあり、底堅いイメージに変化はない。(了)
オーダー/ポジション状況
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