<< 東京市場の動き >>
6日の東京市場は、ドル高・円安。形成レンジは30ポイント程度と狭いが、「寄り付き安・大引け高」で、ドルの強さが目についた。
112.80-85円で寄り付いたのち、しばらくはレンジ取引。112.75-90円といった極めて狭いボックス内での一進一退に終始した。しかし、昼すぎに目先の抵抗となっていた112.90円レベルを上抜けると113円台を回復、その後は113円台を中心に大引けにかけても底堅い値動き。16時時点では113.00-05円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料として話題となっていたものは、本日もまずは北朝鮮情勢と日本の政局。前者については、米軍幹部と会食をしたトランプ大統領が「嵐の前の静けさの可能性」と発言したことが思惑を呼び、一時はドルの上値を抑制する一因になっていたという。また、後者については希望の党が衆院の選挙公約を発表したが、そのなかで「円滑な出口戦略を政府日銀一体となって模索」と記されており、こちらは逆に円高を抑えていたようだ。
なお、それ以外ではホワイトハウスによる「米大統領がムニューシン財務長官と6日に会合」との発表や麻生財務相が公表した「10月16日に日米経済対話を開催する方向」なども一部で話題に。
<< 欧米市場の見通し >>
本日のNY時間は、やはり米雇用統計に注目。ちなみに、市場でもっとも注視されている非農業部門の雇用者数予想はプラス8万人程度とされ、前月から半減する見込み。ただ、これはハリケーン被害を受けた特殊要因によるためで、内情は数字ほど悪くないとの見方が有力だ。ともかく、予想よりも好数字が出た場合にはポジティブサプライズとなり、113.26円の直近戻り高値を超え、114円に接近する展開を否定出来ないかも知れない。
ただ、やや気掛かりなのは北朝鮮情勢。トランプ米大統領は先日「北朝鮮と対話するのが無駄」と発言したのに続き、今度は前述したように「嵐の前の静けさの可能性」などと思わせぶりなコメントを残している。本日を無事に乗り越えたとしても、この週末、具体的な行動に移る危険性は払しょくできず、懸念は残りそうだ。
テクニカルに見た場合、昨日もレポートしたように過去1週間余りは112.20-113.30円といった1円強のボックスを形成している。大きな流れは引き続きドル高だが、ここ数日は価格ではなく時間調整の様相を呈していた感を否めない。
いずれにしても、次の動意に向けて本日は大きな材料が予定されているなか、ポジション的にもかなりこなれた感があるだけに、このあとの欧米時間は波乱含みか。上下どちらに動いたにせよ、ここ1週間余りのボックスをブレークすることはほぼ確実で、思わぬレベルまで大きく値が動く展開を予想する向きが大勢を占めている。
一方、材料面を見た場合、なんといっても9月の米雇用統計が注視されている。もっとも注目されるのは非農業部門雇用数だが、ここしばらくは失業率や平均時給などほかのデータや、当月分でなく前月分のデータ(「数値が上方修正された」云々など)が材料視されることも少なくない。ともかく、そうしたものもひっくるめ、米雇用統計の内容全般に注意を払いたい。
また、そのほかボスティック・アトランタ連銀総裁やダドリーNY連銀総裁の講演が実施されるほか、前記した「米大統領がムニューシン財務長官と6日に会合(を開く予定)」とされている。それらも内容如何では相場の波乱要因となりかねないかもしれない。
以上を踏まえた本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.50-114.00円。ドル高・円安方向は、直近だけで2度上値をレジストされている113.20-25円が最初の抵抗で、抜ければ114円台に接近あるいは一時的に回復する局面があっても不思議はない。
対するドル安・円高方向は、ここ最近のドル安値も近い112.35円レベルに一目均衡表の転換線が位置しており、最初のテクニカルサポート。ただ割り込んでも、大きく崩れる展開は予想しにくく、むしろ絶好の買い場になる可能性も指摘されている。(了)
オーダー/ポジション状況
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