ドル円持ち合い 雇用統計から次の流れへ(10/6)

10月5日は113円に乗せられなかったことで下落基調となり、ECB理事会議事録での緩和政策継続可能性を嫌気してユーロが下げたことで下落したが、

ドル円持ち合い 雇用統計から次の流れへ(10/6)

<概況>

9月27日夜高値113.252円に対して10月3日高値は113.19円で届かず。10月4日には112.32円まで下落したが29日安値112.21円割れには至らず。5日は戻り高値で113円に届かず、夜間に下落したが112.41円止まりでその後は再び戻している。27日夜高値と29日夜安値までの凡そ1円幅で高値圏持ち合いにつかまった状況と言える。113円台は27日、28日、10月2日、3日とつけてきたが、いずれも戻り売りにつかまっている。

10月5日は113円に乗せられなかったことで下落基調となり、ECB理事会議事録での緩和政策継続可能性を嫌気してユーロが下げたことで下落したが、米週間失業保険申請件数が予想を下回ったことによるドル高から戻した。

米労働省が発表した週間新規失業保険申請は26万件で前週比1万2000件減少となり、市場予想の26万5000件を下回った。前週は当初発表の27万2000件で据え置かれた。先週末のシカゴPMI、週明けのISM製造業景況指数、サービス業景況指数がかなり強かったことでドル高感が進んだが、週間失業保険統計もその流れとしてドル高要因となった。

【ユーロ安円高】

欧州中央銀行ECBは9月7日開催の定例理事会議事要旨を公開した。その時のドラギ総裁は10月に政策変更を決定するとし、市場は金融緩和政策の終了プロセスが進むと期待してユーロ高反応となり、翌日9月8日に1.2091ドルの年初来高値をつけた。しかし、年初から緩和政策の縮小と出口戦略への傾斜を先取りして上昇してきたため、ひとまず材料出尽くし感となってその後はユーロ安に転じた。米連銀FOMCでの12月利上げ示唆、さらにドイツ総選挙での民族主義右派の台頭、スペインのカタルーニャ独立住民投票等による懸念も加わってユーロ安が継続してきた。

公開された議事録では、今年末を期限とする現行政策について、複数の量的緩和延長案も議論されたということが示された。最近の欧州のインフレ指標が鈍化している傾向も踏まえ、10月の政策変更が緩和政策の延長となる可能性も出てきたと市場は受け止めて5日夜はユーロドルが下落、10月3日安値に迫っている。ユーロ安ドル高とユーロ安円高が交錯、ドル円にはやや円高圧力となった印象だ。

【今晩、米雇用統計】

今晩は米労働省の雇用統計がある。先だって発表された9月のADP民間雇用者数は13万5000人増で市場予想と一致した。8月の23万7000人増からは大幅に後退したが、10万人以上を維持したため、ハリケーンの影響は限定的とし、かなり低く見積もられている今晩の労働省雇用統計では事前予想の8.5万人増を超えてくる可能性が高まったと受け止められている。また前月分も16.5万人増と低めだったので、上方修正の可能性も考えられる。

雇用統計内容が予想を上回る良好さならばドル高円安。予想を超えて悪化ならドル安円高と思われる。またドル高の場合でそれで材料消化となり上昇が長続きしない場合は買い材料一巡によりピークアウトする可能性もある。予想外に悪ければ急激な円高となる可能性もあるだろう。
予想に近く、初期的には乱高下して方向性がすぐに見えない場合も発表前の水準を上回って明朝を迎えれば上昇基調の継続、下回って迎えれば下落基調への転換と考えてゆく。

【60分足 一目均衡表分析】

【60分足 一目均衡表分析】

60分足の一目均衡表では、5日夜の下落で遅行スパンが悪化、先行スパンから転落したが、深夜の反発で遅行スパンは再度好転、先行スパンも上抜いてきている。9月27日以降は1円幅程度の持合い相場のため、スパンの好転、悪化も繰り返されているが、両スパン好転中は持合いの上限である9月27日高値試しへ向かい、持ち合い上放れへ進む可能性ありとし、両スパンが揃って悪化するところからは持ち合い下放れ警戒と考える。

60分足の相対力指数は4日夜の下落で33ポイントまで下げ、いったん戻してから5日夜に32ポイントまで下げたが、その後はまた戻している。相場が安値を切り上げたのに指数の谷が切り下がっているのはあまり強い印象ではないが、持ち合い相場なので、50ポイントを上回るうちは上向き、下回り始めたら下向きと割り切って考える。

概ね3日から5日周期の高値・安値形成のサイクルでは、9月27日夜高値から4日目となる3日午後高値でサイクルトップをつけて下落期に入っていたが、4日夜安値に対して5日安値が切り上がり、29日夜安値からも4日を経過したので、4日夜安値を直近のサイクルボトムとした上昇期に入っていると仮定する。4日夜安値割れ回避の内は6日の日中から10日にかけての間へ高値を形成しやすいと考える。ただし6日午後で3日高値からは3日を経過するので、午後以降はいつサイクルトップをつけてもおかしくない時間帯に入る。
今晩の米雇用統計も踏まえれば、雇用統計から上昇継続ならサイクルトップ形成への上昇として6日夜、週明けへ続伸しやすいと考え、雇用統計から下落反応の場合は4日夜安値試しとし、底割れからは新たな下落期入りとして次の安値形成期となる9日から11日への下落へ向かうと考える。

以上を含めて当面のポイントを示す。
(1)日中の下値支持線を112.60円台とし、上回る内は113円試しとみる。113円超えの場合は10月3日高値113.19円試しとみるが、その手前では戻り売りも出やすいとみる。
(2)112.60円割れの場合は5日夜安値112.41円から4日夜安値112.32円試しを想定するが、4日夜安値割れを時期尚早として戻しに入りやすいとみる。

(3)米雇用統計から上昇継続となる場合は113.50円から114円試しへの上昇を想定する。サプライズ度合によっては来週前半で114円台前半を試す可能性も考える。
(4)米雇用統計から下落しても4日夜安値割れ回避なら上昇再開の可能性ありとするが、4日夜安値割れからは弱気サイクル入りとし112円から111.50円にかけてのゾーンを試しに行くとみる。また112.50円以下で終了なら週明けも安値を試しやすいとみる。
(5)米雇用統計からいったん上昇し、3日高値、27日高値を上抜いても、その後の反落で112.70円割れしてくる場合は買い材料消化での弱気転換となる可能性を検討する。(了)<9:50執筆>

【当面の主な予定】

10月6日
21:30 (米) 9月非農業部門雇用者数 (8月 +15.6万人、予想 +8.0万人)
21:30 (米) 9月失業率 (8月 4.4%、予想 4.4%)
21:30 (米) 9月平均時給前月比 (8月 +0.1%、予想 +0.2%)
22:15 (米) ボスティック米アトランタ連銀総裁講演

10月7日
01:15 (米) ダドリー米NY連銀総裁講演
01:45 (米) カプラン米ダラス連銀総裁講演
02:00 (米) ブラード米セントルイス連銀総裁講演

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