<< 東京市場の動き >>
28日の東京市場は、ドル高・円安。しかも前日同様、「寄り付き安・大引け高」といった様相で、連日のドルの強さを感じさせた。
112.70円レベルで寄り付き、同レベルを日中安値にドルは底堅いが上値も重く上げ渋り。113円台をなかなか回復できない展開が続いたが、午後に入り突破すると、そのまま日中高値の113.20円レベルまで値を上げてきた。夕方にかけては再び若干値を崩すも、16時時点では辛うじて113円台を維持、113.00-05円で推移して、欧米時間を迎えている。
なお、そうしたなかクロス円を中心にレンジは決して広くないが、激しい変動をたどった通貨ペアが少なくなかった。たとえば、NZドル/円は81.15円レベルから81.65円まで上昇後、再度81.15円まで戻すなど、往復1円の価格変動、綺麗な「行って来い」だった。
一方、材料として話題となっていたものは、ここ数日連日報道されていた「安倍首相が臨時閣議で衆院解散を正式決定」したことを受けた日本の政治関連報道。「民進党の前原代表が党両院議員総会で、希望の党との事実上の合流を提案」をはじめ、幾つかの興味深いニュースが報じられている。
また、そのほかではAP通信が報じた「米国防長官がアフガンを電撃訪問、到着狙ったテロも発生」とのニュースや、ボストン連銀総裁による「低インフレは一時的であるようだ」、黒田日銀総裁からは「現在の景気拡大は持続性が高い」−−との発言も別途聞かれていた。
<< 欧米市場の見通し >>
9日につけた安値から、大きな調整もなくドルは6円近い上昇をたどっている。ポジションの偏りこそ気になるものの、リスクはドル高方向にバイアスがかかり、さらなるドル高の進展には注意が必要だろう。ちなみに、フィボナッチの観点では、7月高値114.49円を起点とした下げ幅の76.4%戻しも突破しており、次なる戻しは100%。つまり、一朝一夕に目指すかどうかは別にして、7月高値の114円台も薄らとではあるが、視界内に捉えられている感を否めない。
しかし、一部には短期的にみてさすがに行き過ぎ、といった声もジワリと広がりつつあるようだ。本格的な調整が入る動きなどにも、一応留意しておきたい。
テクニカルに見た場合、いよいよ113円台を回復し、しっかり乗せてきた感があるが、113円台にはそれほど目立ったテクニカルポインがないことは気掛かり。ドルロング・ポジションの蓄積は気になるものの、上方向に抵抗が少ないことなどを考えると、114円台に向けて一足飛びに値が飛ぶことを否定出来ないのかも知れない。
一方、材料面を見た場合、4-6月期のGDP統計確報をはじめ幾つかの米経済指標が発表されるほか、フィッシャーFRB副議長やボスティック・アトランタ連銀総裁による講演が実施される予定で、それらにまずは要注意。また、米金利が上昇傾向をたどるなか実施される7年債の入札にも注意を払いたい。米金利高傾向が続けば、さらなるドル高の後押しとなりそうだ。
以上を踏まえた本日欧米時間のドル/円予想レンジは、112.40-113.60円。ドル高・円安方向は、本日そして昨日のドル高値圏に当たる113.20-25円の攻防にまず注視。抜ければ113.60円レベルに弱い抵抗があるものの、114円台も薄らと視界内に。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値の112.60円レベル、少し下の112.40円レベルなどにもサポートが観測されている。よほどのことがない限り、112.05-10円に位置する移動平均の200日線ですら、かなり遠退いてしまったイメージだ。(了)
オーダー/ポジション状況
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