<< 東京市場の動き >>
22日の東京市場は、ドル安・円高。とは言え、一筋縄ではいかない荒れ模様の相場展開で、日中高値から90ポイント程度値を下げたあと、50ポイント近く戻すという乱高下だった。
112.45-50円寄り付いたのち、ドルはしばらく堅調推移。112.55円レベルの日中高値を記録する局面も観測されていた。
しかし、後述する北朝鮮絡みのニュースが報じられると、一転して円はクロスを含めて全面高の様相に。ドル/円も112円前後でストップロスを巻き込むと、一気に111.65円レベルまで値を下げている。その後は揉み合いながらも、ドルがじりじりと値を戻し、16時時点では111.95-00円で推移、欧米時間を迎えている。
一方、材料面として話題となっていたもののひとつは、本日も北朝鮮情勢。未明に、日米韓3ヵ国首脳が会談し「北に最大限の圧力で一致」したと伝えられるなか、東京時間には朝鮮中央通信が「北朝鮮が史上最高の強硬対抗措置を検討へ」と報じ、さらに聯合ニュースは「北朝鮮の対抗措置は太平洋での水爆実験を意味する可能性」と続けたことが材料視され、円全面高に繋がっていたという。
<< 欧米市場の見通し >>
以前までのように、北朝鮮情勢が単純な「円買い要因」とばかりは言えないなか、8日に107.33円の年初来安値を記録後、10日足らずでドルは5円を超える上昇をたどってきただけに、今回は絶好の利食い売りの要因として使われた様相にある。ポジション的には依然としてドルロングが残存、偏っていることから、基調は変わらないとしても、調整的なドル売り・円買いの動きが続く可能性も否定出来ないだろう。
なお、一部の参加者からは、本日、北朝鮮が具体的な行動に出ないとしても、「この週末は要注意」−−などといった声が聞かれていた。ヒョッとすると、今週末に北朝鮮が何らかの行動に動き、それが来週はじめ、月曜日早朝の取引に影響を及ぼす可能性も否定出来ない。
テクニカルに見た場合、前述したようにドルは直近だけで5円を超える上昇をたどっている。これをもとにフィボナッチの視点で考えると、最初の下値メドである直近上げ幅の23.6%押しは111.45円レベル、38.2%押しは110.65円レベルなどとなる。ドルが再び下落に転じた場合には、それらレベルがサポートとして意識されそうだ。
対するドルの抵抗は112.15-20円に位置する移動平均の200日線か。ザラ場の動きはもちろんだが、NYクローズで再び上抜けることが出来るかどうかも注視されている。
一方、材料面を見た場合、9月製造業のPMI速報などが幾つかの米経済指標が発表されるほか、ジョージ・カンザスシティ連銀総裁など米地区連銀総裁による講演も予定されており、それらにまずは要注意。
ただ、相場への具体的な影響ということでいえば、北朝鮮情勢ならびに日経平均株価が5日ぶりの反落となったこともあり、欧米株価の動きが警戒されている。とくに米株についてはバブルとの指摘もあるだけに、動静はとくに注意を払いたい。
以上を踏まえた本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.40-112.60円。ドル高・円安方向は、112.15-20円に位置する移動平均の200日線の攻防にまずは注視で、抜ければ直近の戻り高値である112.72円が再び視界内に。
対するドル安・円高方向は、本日東京安値である111.65円レベルが最初の目標値。下回ると、111円前後を目指す展開か。(了)
オーダー/ポジション状況
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