<< 東京市場の動き >>
19日の東京市場は、円が全面安。ドル/円が一時111.90円近くまで値を上げ、直近の戻り高値を更新する局面も観測されていたほか、ポンド/円が1円以上も値を上げるなどクロスも軒並み上値をトライする値動き。
111.55円レベルで寄り付き後しばらくは揉み合い。ただ、111.60円をなかなか超えられず、ドルの上値の重さが目についた値動きだった。しかし、午後に入るとドルは111.60円ならびに昨日のNY時間に記録した直近の戻り高値111.66円を上抜け、111.90円近くまで一気に値を上げた。前週末比218円高と2万円の大台回復で寄り付いた日経平均株価が続伸、上げ幅が一時400円を超えたことなどが材料視されていたという。
ドルは日中高値記録後、若干値を崩すと、16時時点では111.70-75円で推移し、欧米時間を迎えている。
一方、材料面として話題となっていたもののひとつは、「日本の早期衆院解散・総選挙」観測。自民党の二階幹事長が党の役員連絡会で、安倍首相と会談した際、早期の衆議院解散を検討していると伝えられたことを明らかにしたという。
また、それとは別に、有力欧米紙であるウォールストリート・ジャーナルによる「米上院共和党が1.5兆ドルの減税を検討」との報道や、「米トイザラスが連邦破産法11条の適用申請」のニュースも伝えられていた。
<< 欧米市場の見通し >>
本日の東京時間は、北朝鮮に関する目立ったニュースなどが観測されなかったが、警戒感は依然として根強い。とくに、本日のNY時間から国連総会において各国首脳の演説が実施されるだけに、発言内容などによっては、北朝鮮が再び反発の姿勢を強める危険性もないではない。もっとも、そうした北朝鮮リスクが「円買い要因」となるのか、それとも「円売り要因」となるのか、マーケットの見方も一枚岩ではないようだ。
北朝鮮情勢を除くと、市場の関心は明20日に予定されている米FOMCの結果発表とイエレンFRB議長の記者会見にほぼ集中している。重要材料を前にしたポジション調整の進展を警戒する声も少なくない。
テクニカルに見た場合、昨日指摘した一目均衡表の先行帯の雲の上限が位置する111.60円レベルならびに、7月高値114.49円を起点とした下げ幅のフィボナッチ61.8%戻しにあたる111.75円をともにドルは超えてきた。前者については、まだザラ場ベースで上回っているだけで「しっかり超えた」とは言えないが、ともかくドルの強さが目につく状況であることは間違いない。
ちなみに、次のドル上値メドは移動平均の200日線が位置する112.20-25円で、それを超えると前記したフィボナッチの76.4%戻しに当たる112.80円レベルがターゲットに。
一方、材料面を見た場合、8月の住宅着工件数など幾つかの米経済指標発表が予定されており、それらにまずは要注意。
また、それ以外では本日のNY時間からとされる「国連総会における各国首脳の演説実施」に注意を払いたい。今回はトランプ米大統領が出席していることから、余計に波乱含みと発言に警戒を募らせる向きも少なくないようだ。
以上を踏まえた本日欧米時間のドル/円予想レンジは、111.20-112.20円。ドル高・円安方向は、本日東京時間高値の111.90円レベルならびに、心理抵抗に当たる112円の攻防にまずは注視。抜ければ、112.20-25円に位置する移動平均の200日線がターゲットとなる。
対するドル安・円高方向は、本稿執筆時に上抜けている一目均衡表の先行帯の雲の上限、111.60円が最初のサポートか。なお、この水準はザラ場ベースだけでなく、NYクローズでも維持することが出来るか否か注視されている。下回れば、昨日わずか空けた110円後半のギャップなどが視界内に。(了)
オーダー/ポジション状況
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